北村匠海&芳根京子:2人が語る初共演の印象と収録秘話「実写も一緒にやってみたい」 劇場版アニメ「ぼくらの7日間戦争」

劇場版アニメ「ぼくらの7日間戦争」でダブル主演する北村匠海さん(右)と芳根京子さん
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劇場版アニメ「ぼくらの7日間戦争」でダブル主演する北村匠海さん(右)と芳根京子さん

 ダンス・ロックバンド「DISH//」のメンバーで俳優の北村匠海さんと女優の芳根京子さんが声優としてダブル主演を務める劇場版アニメ「ぼくらの7日間戦争」(村野佑太監督)が、12月13日から公開中だ。宗田理さんのベストセラー小説「ぼくらの七日間戦争」(KADOKAWA)が原作で、北村さんは学校では目立たない歴史マニアの鈴原守、芳根さんは守のクラスメートで幼なじみの千代野綾をそれぞれ演じている。北村さんと芳根さんに、声の収録エピソードや初共演の印象などを聞いた。

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 ◇演じたキャラクターに共感 「重なる部分が多い」

 原作「ぼくらの七日間戦争」は、累計発行部数2000万部を超える「ぼくら」シリーズの第1作で、1985年に刊行された。1988年に女優の宮沢りえさん主演で実写映画化されたことも話題になった。劇場版アニメは、実写映画で描かれた“七日間戦争”から30年ほどの時が流れた2020年を舞台に、“7日間”の冒険が描かれる。いつも一人で本ばかり読んでいる鈴原守、議員である父親の都合で1週間後に東京に引っ越すことになった千代野綾たちが、古い石炭工場を秘密基地に7日間、大人から隠れようとする……というストーリー。

 原作を10代のころに読んでいたという北村さん。「思春期の、先生や親に対する理由のないモヤモヤをすごく代弁してくれている気がして、好きでした」といい、「だから今回声優のお話をいただいて、好きだった原作の映画に携われる喜びもありました。同じく悶々(もんもん)としている思春期の子たちに、手を差し伸べてあげられる作品になれば」と意気込みを語る。芳根さんは収録に臨むにあたって、実写映画を見るといい、「(そのときの)時代が見えるな、と。そのときのリアルを描いているという印象でした」と話す。

 北村さんが演じる守は、歴史マニアで学校では目立たない存在。北村さんは「気になる子を目の前にしたときのあたふたしちゃう感じや、自分が周囲になじめておらずモヤモヤを抱えている感じは、僕も学生時代に経験がある」と理解を示し、「7日間の戦争をしていく中で、仲間と出会って自分を見つめ直したり、改めて周りを見渡したりして、どんどん成長していく姿を演じられたのはうれしかったです。自分と重なる部分は多いかもしれないですね」と共感する。

 劇中では大人への反抗とともに、仲間と本音をぶつけ合う友情も描かれる。友達と本音で語る綾を演じる芳根さんは、「綾が本音を言える仲間に出会えたことがすごくうれしかった」といい、「仲間に出会えたことをきっかけに自分の世界が広がっていく綾を見ていて、良かったねって思いました。自分も過去、そうだったから」と自身と重ねて、演じたキャラクターへの思いを語る。

 声の収録は、「本当に初心者もいいところ、という感じだったので、リハーサルの時間を作っていただいて、まず台本の読み方から教わって……」と芳根さん。「映像を見ていると追いつけなくなっちゃうし、でも台本を見ていると映像が進んじゃうし……そういう初歩的なところから教えていただいたので、すごく自信につながりました。できるだけ不安を解消してから本番に臨ませてもらったと思います」と振り返る。コツをつかむまでは難しかったというが、家での自主練習も重ねて本番に臨み、「コツがつかめると楽しさが分かってきて、楽しみながらできました」と手応えを明かす。

 現場では、守や綾のクラスメート・緒形壮馬の声を演じる鈴木達央さんら本業の声優陣と一緒に声を収録した。北村さんは「こんなに声を出しているんだ、というのを間近で聞きながら、現場で学んだという感じでした」と現場で感じた思いを明かす。「普段、カメラの前に立つときよりもはるかにオーバーに、声でいろんなことを表現しないといけないということがすごく面白いところでもありました。あと、今回は実写の撮影のときと違ってすでに絵ができているので、アプローチがいつもと逆なんです。すでに(キャラの)表情ができているところに、逆算して『こういう感情なんじゃないか』とアプローチしなきゃいけないと教えていただいて……初めてだったので、難しかったですね」と語る。

 ◇芳根京子の“声”を絶賛「びっくり」

 2人は今回が初共演。改めてお互いの印象を聞くと、北村さんは「真っすぐで、すてきな方だな、と。声がすごく良くて、びっくりしました」と芳根さんの印象を明かし、さらに「実写でもまだ共演経験はないので、実写の芝居も一緒にやってみたいなと思いました」と実写での共演を熱望する。

 北村さんから絶賛され、「えー、うれしい!」と喜んだ芳根さんは、北村さんについて「今、声を聞いていて、隣でずっと守がしゃべっているみたいな感覚。守を通して北村さんの声を聞いていたので、守としてしっくりきちゃっていて、今は不思議な感覚です」と話し、「多才な方だなという印象で、監督に言われたことにすっと対応できる力がすてきだなと思いました」と印象を語る。

 最後に、今作のタイトルにちなみ、もし“7日間”自由な時間ができたら?と聞くと、「4泊5日で旅行に行きたい。フィンランドに行きたいんですよね。サウナに入りたくて」と北村さんは意外に“サウナー”な面をのぞかせた。芳根さんは「やりたいことがいっぱいあるタイプなので、細かく刻むと思います」といい、「旅行に行きたいけど、一泊二日で箱根とかに行って、あとは、この日は家族と過ごして、この日は自分の趣味に使って……と毎日違うことをして過ごすと思います」と楽しそうに想像を膨らませていた。

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