高畑充希:“キャラの強い役”相次ぎ「こんな俳優人生になるとは」 「忘却のサチコ」新春SPで再び幸子に

スペシャルドラマ「忘却のサチコ 新春スペシャル」で主演を務める高畑充希さん
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スペシャルドラマ「忘却のサチコ 新春スペシャル」で主演を務める高畑充希さん

 1月2日放送のスペシャルドラマ忘却のサチコ 新春スペシャル」(テレビ東京系)で主演を務める高畑充希さん。ドラマは、2018年に放送された連続ドラマ「忘却のサチコ」の続編で、高畑さんは再び、辛いことを忘れてしまうほどの美食を求めて奔走する幸子を演じる。幸子をはじめ近年、強烈な個性を持った人物を相次いで演じている高畑さんに、今作への思いや幸子との共通点を聞くとともに、個性的なキャラクターを演じることへの思いなどを聞いた。

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 ◇「夢中になると周りが見えない」幸子に共感

 「忘却のサチコ」は、マンガ誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で阿部潤さんが連載中の同名マンガが原作。冷静で完璧な仕事ぶりから「鉄の女」と一目置かれている佐々木幸子(高畑さん)は、結婚が決まったものの挙式当日に新郎が逃亡。新郎を忘れるために美食を追求して奔走するという内容。スペシャルドラマは、神戸が舞台。担当する作家の美酒乱先生が芥山賞にノミネートされ、受賞の発表当日に、幸子は次回作の取材のため美酒乱先生と神戸へ。夜までに東京に戻らなければいけないという弾丸スケジュールの幸子には、もう一つ重要なミッションがあり……というストーリー。

 約1年ぶりにスペシャルドラマで幸子を演じる。高畑さんは「『忘却のサチコ』というドラマが好きなので、またやれる、と聞いたときはうれしかったです」と喜びつつ、「前回から間が空いたので、すんなり役に戻れるかなという不安もありました」と率直な心境を明かす。ただ、食べるシーンの撮影ですぐに連続ドラマを思い出したという高畑さん。意識しているのはシズル感といい、「食べることがダイナミックに描かれているので、シズル感を大事にしています」と説明。今作では“神戸ビーフ”が注目といい、「間違いないシズル感があふれています」と見どころを語る。

 幸子は超が付く真面目人間で、完璧な仕事ぶりを見せる“鉄の女”。アイデアをすぐに実行する行動力やマイペースぶりも印象的だ。そんな個性的な幸子について、高畑さんは「一人で魅力的、というより、幸子は周りの人に突っ込んでもらってこそのキャラクター。幸子の言動に周りが固まる……というのが面白いので、レギュラーメンバーの方々がいてくださるシーンはすごく安心しました」と振り返る。幸子との共通点は「私も、集中しちゃうと周りの話を全然聞いていないタイプ。夢中になると周りが見えなくなる感じは、とっても共感できます」と高畑さん。食べることが好きなのも共通するところで、好物は「生肉」。「鳥刺し、牛刺しとか。ごま油と塩とレモンで食べられる生肉が大好きです」と笑う。

 ドラマは、2019年大みそかの「孤独のグルメ 2019大晦日スペシャル」、2020年1月1日の「きのう何食べた?正月スペシャル2020」に続く、テレビ東京の年末年始の“食”ドラマ第3弾。そこで、高畑さんにほかの2作への思いを聞いてみると「どちらも出てみたいです、幸子として」と回答する。「コラボ企画があったら楽しそう。幸子とケンジ(『きのう何食べた?』で内野聖陽さん演じる矢吹賢二)の会話とか聞きたいです。あと(『孤独のグルメ』で井之頭五郎を演じる)松重(豊)さんと食べるシーンを撮ったら、二人とも脳内の言葉が多すぎてナレーションが大渋滞しそう」と楽し気に語り、「一堂に会したいですね。(ご飯は)西島(秀俊)さんが作る」と面白そうに想像をめぐらせる。

 ◇相次ぐキャラの強い役 「こんな俳優人生になるとは」

 高畑さんといえば、今作では“サチコ”を演じ、過去には「過保護のカホコ」(日本テレビ系)、昨年12月に最終回を迎えた「同期のサクラ」(同)などでそれぞれ主演。いずれもタイトルにカタカナ3文字の役名を含み、演じたのは自分の思いに真っすぐで、強烈な個性を持ったキャラクターという点で一致する。高畑さんは「めっちゃ偶然なんですよ」と笑い、「面白いなと思います。こんな俳優人生になるとは思っていなかったので。そんな役が続くと思っていなかったですし……」と思いを明かす。

 「『カホコ』をやるまで、ずば抜けて変な人の役って、あまりやっていなかったんです。どこか欠落していたりひねくれていたりする役は多かったけど、こんなにキャラが強く真っすぐな役は、やってきていなかった。それが続いているのは、選んでいるわけではなく、完全な偶然で。そういう巡りあわせなのかな、と」。

 さらに、「題名を見ただけで、主人公のキャラクターがぱっと思い出せるドラマに出させてもらえるというのは、ありがたいこと」と感謝を口にする高畑さん。ただ、続けて「私、そろそろすごく変な人だと思われているんだろうな、と思うので、軌道修正していきたいと思っています。普通の役に」とほほ笑み、「変な役も好きなので演じていきたいですが、続いたので(笑い)。そろそろ年齢的にも落ち着いていこうかな、と」と今後について思いを語る。

 ◇責任重大な2019年終え「よく乗り切った」

 話題を集めた連続ドラマ「同期のサクラ」で主演するなど活躍の2019年。高畑さんは「私が背負うものが大きい作品が多かったというか……役的にも、真ん中にドンと立っていないとどうにもならない作品が多かったので、へらへらしていられない1年でした」としみじみ。「できればへらへらしていたいんですけど、責任重大なことが多かった1年だったなと思います。ドラマにしろ舞台にしろ、なんとかやりきって、たくさん反響をいただけたので、ほっとしました。よく乗り切った、と思います(笑い)」と振り返る。

 そんな充実の1年を経て、2020年はどのような目標を抱いているのか。最後に聞いてみると、高畑さんは「私にとっては挑戦の年」という。「久々にミュージカルの世界に戻るんです。上半期はほぼ、それで終わるので、目標は『歌がうまくなりたい』と思っています。足を引っ張らないように、ちょっとでも成長できたらいいなと思っています」と新たな挑戦に意欲を燃やしていた。

 「忘却のサチコ 新春スペシャル」は2020年1月2日午後11時半から放送。

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