アニソン年間ランキング:2周年「ミリシタ」がトップ さらなる躍進の「ヒプマイ」 「プロメア」劇伴も上位に

「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER WAVE 01 Flyers!!!」のジャケット (C)窪岡俊之 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
1 / 8
「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER WAVE 01 Flyers!!!」のジャケット (C)窪岡俊之 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

 アニソンの充実ぶりで知られるタワーレコード新宿店。このほど2019年のアニソン年間ランキング(2018年12月6日~2019年12月4日集計)が発表され、人気ゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」(ミリシタ)の2周年記念ソング「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER WAVE 01 Flyers!!!」が1位となりました。担当バイヤー・樋口翔さんに、本チャートを基に2019年のアニソンシーンを振り返ってもらいました。

ウナギノボリ

 ◇アイドルソングの枠を超えた多彩な楽曲 2周年の「ミリシタ」が見せた新たな魅力

 「ミリシタ」は、アニメやゲームが人気の「アイドルマスター」シリーズのゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ!」から派生したスマートフォン向けゲームで、2017年にリリースされました。アニソン年間首位を獲得した「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER WAVE 01 Flyers!!!」は、ゲームでアイドルを演じるキャスト52人が歌う2周年記念ソング「Flyers!!!」を収録しています。

 ミリシタは、リリース当初からCDシリーズ「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION」を2年にわたり販売していて、同シリーズの「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 12 D/Zeal」は、2019年のアニソン年間ランキング3位にもランクイン。ミリシタでは、アイドルたちが演技に挑戦する劇中劇があり、同CDシリーズには、そこで生まれたユニット曲などを収録しています。

 劇中劇は、アイドルたちが雑誌モデルを演じたり、ミュージカルに挑戦したりと、プロデューサー(ゲームのプレーヤー)が新たな魅力を発見する場となっています。そこで披露されるのは、本格的なボーカル曲や、ミュージカル、ゴシック、ロックと、アイドルソングの枠組みを超えた楽曲となっています。歌って踊るアイドルを超えた魅力を発見できるという、アイドル育成ゲームの新たな楽しみ方を生み出した「ミリシタ」人気が表れたランキングとなりました。

 ◇2019年も「ヒプマイ」強し 強力な新ディビジョン登場

 2018年のアニソン年間ランキングトップ5に3作品がランクインした、キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」(ヒプマイ)。2019年もその勢いは衰えることなく、3作品がアニソン年間ランキングトップ10にランクインしました。中でも、2017年に始動したプロジェクトの集大成とも言えるファーストフルアルバム「Enter the Hypnosis Microphone」は年間2位を獲得しました。

 ヒプマイの2019年の大きな変化として注目したいのは、新ディビジョンの登場です。10月に、これまでのシンジュク、ヨコハマ、イケブクロ、シブヤのディビジョンに、オオサカ、ナゴヤが加わりました。オオサカ・ディビジョン「どついたれ本舗」の初CD「あゝオオサカdreamin’night」は、10月30日にリリースされ、爆発的なセールスを記録。YouTubeで公開されたPVの再生回数が950万を突破し、アニソン年間ランキングでも6位にランクインしました。

 ヒップホップユニット「Creepy Nuts(クリーピーナッツ)」のR-指定さん、DJ松永さんが手がけた話題のユニット曲「あゝオオサカdreamin’night」は、ヒプマイの底知れない伸び代、ポテンシャルを感じさせた楽曲でした。

 もう一つのナゴヤ・ディビジョン「Bad Ass Temple」の初CD「Bad Ass Temple Funky Sounds」(11月27日発売)のユニット曲は、ヒップホップグループ「nobodyknows+」がプロデュース。ラップシーンからさまざまなレジェンドが楽曲提供に参加してきたヒプマイですが、新ディビジョンの楽曲は、普段アニソンを聴かない層も引きつけるほどのインパクトがありました。

 ◇「プロメア」は劇伴も人気 「鬼滅の刃」「ダンベル何キロ持てる?」から生まれたヒット曲も

 2019年のアニソンシーンの重要な1枚となったのが、アニソン年間ランキング7位にランクインした、劇場版アニメ「プロメア」のサントラ盤「プロメア オリジナルサウンドトラック」です。サントラ盤の売り上げは、公開から徐々に伸びるというパターンが多いのですが、新宿店では、公開日の5月24日に異例のスピードで売れていき、すぐに追加注文をするほどでした。

 「プロメア」は、人気アニメ「天元突破グレンラガン」「キルラキル」などの今石洋之さんが監督を務め、中島かずきさんが脚本を担当。5月の公開から異例のロングランヒットを記録しています。音楽は「進撃の巨人」などの澤野弘之さんが担当。澤野さんの作品の世界観をより壮大で重厚なものにするドラマティックなサウンドは、「プロメア」でも存在感を発揮していて、サントラ盤には重要なシーンで使用された楽曲を収録しています。劇場で作品を見た人が、そのままCDショップへ行き、サントラを手にする。作品のインパクトが強さが、劇伴の売り上げにすぐさま直結した結果でした。

 同様に、2019年に公開され話題となった劇場版アニメ「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」のボーカル曲を収録した「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>-VOCAL COLLECTION-」も年間売り上げの上位にランクインしました。

 ほかにも、テレビアニメ「鬼滅の刃」のオープニングテーマであるLiSAさんの「紅蓮華」、テレビアニメ「ダンベル何キロ持てる?」のオープニングテーマ「お願いマッスル」、エンディングテーマ「マッチョアネーム?」も上位にランクインし、アニメからも多くのヒット作が生まれました。

 ◇タワーレコード新宿店 2019年アニソンランキング(敬称略) 

1位 「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER WAVE 01 Flyers!!!」 765 MILLION ALLSTARS シングル

2位 「Enter the Hypnosis Microphone」 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- アルバム

3位 「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 12 D/Zeal」 D/Zeal シングル

4位 「Shiny Seven Stars!/366LOVEダイアリー」 Various Artists シングル

5位 「The Champion」 シンジュク・ディビジョン「麻天狼」 シングル

6位 「あゝオオサカdreamin’night」 オオサカ・ディビジョン「どついたれ本舗」 アルバム

7位 「プロメア オリジナルサウンドトラック」 澤野弘之 アルバム

8位 「神楽色アーティファクト」 まふまふ アルバム

9位 「FIRE BIRD」 Roselia シングル

10位 「THE IDOLM@STER SHINY COLORS FR@GMENT WING 02」 イルミネーションスターズ シングル

※左から順に、タイトル、アーティスト。ランキングはシングル、アルバムをまとめて集計。

 ◇プロフィル

 樋口翔 タワーレコード新宿店7階(邦楽・販売促進)アニメ担当バイヤー。2014年に町田店から異動。アニメにハマったきっかけは「新世紀エヴァンゲリオン」「BLUE SEED」「VS騎士ラムネ&40炎」など1990年代の作品で、アニソンの中でもキャラソン、とりわけアイドルアニメ関連の楽曲を愛聴。マイアンセムは「アイドルマスターミリオンライブ!」より「Up!10sion Pleeeeeeeeease!」。お気に入りのアニメ・ゲーム作品は「プリティーリズム」「アイドルマスター」「フォトカノ」「サクラ大戦」など。

写真を見る全 8 枚

アニメ 最新記事