5月23日でCDデビューから2周年を迎える人気グループ「King & Prince」。デビューシングル「シンデレラガール」は初週売り上げ57.7万枚を記録し、デビュー1年目にして紅白初出場を果たすなど、華々しくその名を世間に知らしめた。音楽面での活躍ぶりもさることながら、実はメンバー全員が、デビューから1年以内に映画やドラマに出演するなど、演技面でも確かな存在感を発揮している。そんな彼らの2年の軌跡を振り返りながら、「役者」としての魅力に迫っていきたい。
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グループのセンターを務めるのは、平野紫耀(しょう)さん。甘いマスクとハスキーボイスが特徴的で、歌、ダンス、演技、アクロバットとマルチにこなすが、周囲も驚くほどの天然キャラというギャップの持ち主。端正な顔立ちとスタイルの良さで、“少女マンガ的ビジュアル”を誇るのが永瀬廉さん。クールな雰囲気とは裏腹に、親しみやすい“ソフト関西弁”で軽快なトークを繰り広げ、ラジオ番組のパーソナリティーも務めている。グループの末っ子である高橋海人さんは、キュートな笑顔が魅力の癒やし系。繊細な感性を持つ芸術肌で、イラストの腕前は少女マンガ誌「ベツコミ」(小学館)で連載を担当するほど。ダンスのスキルもピカイチだ。
最年長の岸優太さんは、ピュアな愛されリーダー。抜群のリアクションと個性的なコメントに定評があり、バラエティー番組でも爪痕を残している。ステージ上ではレベルの高い歌やダンスで魅了する実力派で、演技力にも定評がある。落ち着きのあるたたずまいと、気遣いあふれるスマートな言動で“国民的彼氏”と称されるのが、神宮寺勇太さん。メンバーの意見をまとめるしっかり者で、常に安定したパフォーマンスはファンからの信頼も厚い。岩橋玄樹さんは、グループのキラキラ感を際立たせる存在で、可愛らしいルックスや立ち居振る舞いなど、そのアイドル力はメンバーお墨付き。大の野球好きで、熱く男らしい一面も併せ持つ。現在は活動休養中。
2015年、6人は期間限定ユニット「Mr.King vs Mr.Prince」を結成。その後、平野さん、永瀬さん、高橋さんは「Mr.KING」、岸さん、神宮寺さん、岩橋さんは「Mr.Prince」として、3人ずつに分かれて活動してきた。そして2018年、6人は再集結し、めでたく「King & Prince」としてデビュー。“vs時代”の「互いに切磋琢磨(せっさたくま)し合う」というスタンスはそのままに、彼らは“&”でつながれた確かな一つのグループとなった。
CDデビューをきっかけに、メディアへの露出が急増。テレビ番組をはじめ、数多くの雑誌でも表紙を飾った。そんなデビュー時期に放送されていたのが、平野さん出演の連続ドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」(TBS系、2018年4月期)。先輩でもある「嵐」の松本潤さんも出演した大人気作品「花より男子」の10年後を舞台にした物語で、平野さんは、学園のカリスマリーダーだが実はヘタレ男子の御曹司・神楽木晴を好演し、早くも役者としてブレーク。主題歌「シンデレラガール」のヒットと共に、「King & Prince」の名を世に広めた。その後、10月期の連続ドラマ「部活、好きじゃなきゃダメですか?」(日本テレビ系)では、高橋さん、神宮寺さん、岩橋さんがそろって連ドラ初主演。高橋さんは連ドラへの出演も初めてだった。11月には平野さん主演の映画「ういらぶ。」、12月には岸さん出演の「ニセコイ」が公開され、デビューから約半年の間に出演作が相次いだ。
そして2019年4月、永瀬さん出演の連続ドラマ「俺のスカート、どこ行った?」(日本テレビ系)が放送開始。翌月には、永瀬さんが初主演を務めた映画「うちの執事が言うことには」が公開に。同作には神宮寺さんも出演し、メインキャストとして銀幕デビューを飾った。9月には、平野さんと女優の橋本環奈さんがダブル主演の映画「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」が公開。永瀬さんは、スペシャルドラマ「FLY!BOYS,FLY! 僕たち、CAはじめました」(カンテレ・フジテレビ系)でドラマ初主演を果たした。10月からは、高橋さん出演の連続ドラマ「ブラック校則」(日本テレビ系)がスタートし、動画配信サービス「Hulu(フールー)」ではオリジナルストーリーも展開。さらに、11月には映画も公開され、高橋さんは同作で映画初出演となった。
2020年には、平野さんが「Sexy Zone」の中島健人さんと、連続ドラマ「未満警察 ミッドナイトランナー」(日本テレビ系)でダブル主演を務めることが決定。平野さんはゴールデン・プライム帯(GP帯、午後7~11時)のドラマ初主演となる。さらに、永瀬さんは、渡辺航さんの人気自転車マンガの実写映画「弱虫ペダル」(三木康一郎監督、8月14日公開)で主演に決定。わずか2年の間に、彼らは役者としてさまざまな“デビュー”を飾った。
いわゆる“King”メンバーの平野さん、永瀬さん、高橋さんは、デビューをきっかけに映像作品への出演が多くなった。ドラマ、映画ともに初出演を果たした高橋さんはもちろん、デビュー前から出演経験のあった永瀬さんも、本格的な芝居への挑戦は映画「うちの執事が~」が初となった。平野さんは、ジャニーズJr.時代から連続ドラマ「SHARK」(日本テレビ、2014年1月期)や映画「honey」(2018年3月)で早くも主演に抜てき。持ち前の華やかさと確かな演技力でデビュー後はその勢いを増し、ほとんどの出演作で主演を務める活躍ぶりだ。
一方、“Prince”メンバーの岸さん、神宮寺さん、岩橋さんは、デビュー前から数々のドラマや映画で経験を積んできた。神宮寺さんは連続ドラマ「スプラウト」(日本テレビ系、2012年7月期)や「49」(日本テレビ、2013年10月期)、岩橋さんはスペシャルドラマ「ガードセンター24 広域警備指令室」(日本テレビ系、2016年9月)に加え、2人そろって連続ドラマ「幽かな彼女」(カンテレ・フジテレビ系、2013年4月期)や、「SHARK~2nd Season~」(日本テレビ系、2014年4月期)にも出演していた。そして岸さんは、Jr.時代に5本のドラマと、2本の映画に出演し、うち2本のドラマで主演(ダブル主演を含む)。連続ドラマ「近キョリ恋愛 ~Season Zero~」(日本テレビ、2014年7月期)では、幼なじみのヒロインに恋する鮎川奏多を好演し、その繊細な演技は今でもファンの間で語り草になっている。
では、彼らの役者としての魅力とは一体何だろう。まず一つは、オンリーワンの“キラキラ感”だ。顔面偏差値が高いだけでなく、“ジャニーズオーラ”を全身から漂わせる6人には、その場にいるだけでぱっと目をひく華やかさがある。実際、これまで彼らが演じてきたキャラクターは、主人公や物語を盛り上げるような役柄ばかりで、作品においても存在感が大きい。“King & Prince”という名前の通り、アイドルの“王”道を行く彼らだからこそ出せる色で、作品に彩りを加えているのである。
そしてもう一つは、当人の個性が生かされたような配役で、“ハマり役”が多いところだ。例えば、イケメンなのに天然というギャップの持ち主である平野さんは、「花のち晴れ」の神楽木晴をはじめ、「honey」での見た目は不良だが実は優しい料理上手な鬼瀬大雅、「ういらぶ。」のドSで毒舌だが実は幼なじみが大好きでたまらない和泉凛など、ギャップのある役どころを演じてきた。
クールな印象の永瀬さんは、頭脳明晰(めいせき)な名門家の当主や、どこか飄々(ひょうひょう)とした雰囲気のクラスのリーダー格、独自の世界観を持つ高橋さんは、予測不能な行動で周囲を驚かせる役柄を好演。バラエティーでも活躍する岸さんは明るい性格のお調子者キャラ、しっかり者の神宮寺さんは真面目で誠実なサッカー少年、可愛らしい容姿の岩橋さんは愛すべき純真天然系……と、演じる本人とリンクしているかのような役で、それぞれのイメージにぴたりと当てはまっている。
一方で、「次はこんな役が見てみたい」「こんな役も似合いそう」と、これまでとは違った役を演じることへの期待も出てくる。今後の“幅”の広がりを想像でき、役者としての“伸びしろ”を感じられるところも、若手である彼らならではの持ち味なのかもしれない。まもなくデビュー2周年を迎え、3年目に突入するKing & Prince。この先、一体どんな新しい姿を見せてくれるのか、彼らの成長が楽しみだ。