青木志貴の魔王式随想:リモート生活に思うこと

青木志貴さん
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青木志貴さん

 人気ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」の二宮飛鳥役などで知られる若手声優の青木志貴さん。“魔王”のニックネームで「League of Legends」などのオンラインゲームをがっつりやり込むコアゲーマーという異色の経歴も併せ持つ青木さんが、その独自の視点で自身の歩みやさまざまな思いを語ります。

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 自粛期間が続き、おうちにいる時間がとても長くなっていると、時間の感覚や日にちの感覚が麻痺(まひ)してきますよね。5月だというのに日中は30度近くになる日もあって、ようやく季節の移ろいを感じることができました(笑い)。僕は元々おうちに引きこもってゲームをしている時間が一番幸せなので個人的には自宅での自粛はそこまで苦にならないのですが、普段外で遊んだり人とコミュニケーションを取るのが好きなアクティブな方にとっては本当にしんどい日々だろうなぁと思います。

 そんな中、我々声優はどうしても密室や複数人での収録などでお仕事をお休みせざるを得ない状況になっているのですが、最近、生放送やラジオなどの番組系のお仕事はリモートでの出演が一般的になってきました。

 僕自身、自分のレギュラー番組はリモートで出演をさせていただきまして、実際にやってみると、やはりゲストさんと直接顔を合わせずやりとりすることの難しさを感じたり、取材などもリモートで受けさせていただいたりしたのですが、こちらも会話のテンポ感だったりが難しくて思ったように話せなかったです(特に僕は元々電話に苦手意識があるので、なおさらかも)。

 ただリモートの良いところももちろんあって、通勤などの移動時間の短縮ができることで、空いた時間を他の仕事(僕の場合はYouTube関係やゲーム配信関係)にあてたりすることもできるので、とても有意義な時間の使い方ができる手段だなあと思ったりもします。

 きっかけはコロナというとても厄介なものではありましたが、この時代だからできる手段でみんなが動き、そのメリットや素晴らしさを実感できたことで、今後コロナが終息したとしても、お仕事の形が変わっていくのでは?と思っている人も少なくないはず。

 以前、同じ三木プロダクションの(アニメコラムニスト)の小新井涼ちゃんとお会いした際、「海外ではアニメのアフレコなどもリモートで収録するケースが増えている」と仰られていました。

 その時は僕もその話を聞いて、リモートで各自自宅からアニメやゲームの音声を収録できれば、いろんな手間が省けて便利なのかなぁと、なんとなーく思っていただけだったのですが、この状況になった今、声優さんそれぞれが自宅できちんと収録できる環境が整っていたとしたら、リモートでの音声収録というケースは日本でも出てくる話かもしれない…と感じました。

 アニメなど掛け合いのあるお芝居は相手とのやりとりが大事だと思うので、リモートでの出演は難しそうだなあと思っているのですが、ゲームなど元々一人で収録することが多い仕事の場合は、環境さえあれば今の自粛期間のような状況になったとしても、お仕事を続けることが可能ですよね。

 リモートでディレクターさんたちと通話をつなぎながらの収録。全員がその環境を整えることは難しいけど、徐々に僕たちのお仕事も海外のように、そういった形に変化していくのかもしれません(ただそうなった場合、収録スタジオとかを使う機会が減るということだから、スタジオでお仕事をしている方にとっては喜ばしくない変化だったりするのでしょうか…? 気になります)。

 きっとこれは今だから始まった変化ではなく、人間が今までに生きてきた長い歴史の中で何度も起きてきた変化で、お仕事というものはこうやって少しずつ環境や時代に適応しながら形を変えてきたんだろうなあと思いました。実際のところ、僕たちのお仕事はいまだに収録がなくなってしまうことが多いです。仕方ないことなのですが、まだまだどうなるかわからない油断の許されない状況が続くと思うので、少しずつ僕も柔軟に対応して、お仕事を続けられる環境づくりをしていきたいなと思います。

 リモートワークなど、新しい仕事の形が生まれた今、いつかコロナが終息しても僕たちが今までに生きていた「元の日常」に戻ることは不可能だと思います。それによって苦しむ方や悩む方もきっと出てくると思いますが、新しい道もきっと増えてくるはず。あまり悲観的になりすぎず、未来の新たな形に期待して生きていきたいなあと思いました。

 ◇プロフィル

 あおき・しき 1月14日生まれ。162センチ、AB型。「アイドルマスターシンデレラガールズ」の二宮飛鳥役など。声優、タレントとして多方面で活動中。ゲーマーとしても「魔王」の愛称を持つコアゲーマー。

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