ちいかわ
第349話 あくむ(1)
6月5日(金)放送分
人気絶頂の中、完結したことも話題の吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんのマンガ「鬼滅の刃(きめつのやいば)」。大ヒットの起爆剤となったと言われているのが、2019年4~9月に放送されたテレビアニメだ。テレビアニメは「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」「活撃 刀剣乱舞」などのufotable(ユーフォーテーブル)が制作。ufotableの作品は、これまでも美しい映像に定評があったが、「鬼滅の刃」も美しい映像でファンを魅了し、“神作画”などと話題になった。神作画が生まれた裏側を探った。
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「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、凶暴な鬼に変異した妹の禰豆子(ねずこ)を元に戻し、家族を殺した鬼を討つために旅立つ……というストーリー。2016年2月に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載が始まり、5月18日発売の同誌24号で約4年3カ月の連載に幕を下ろした。
コミックス最新20巻の特装版を含む初版の発行部数は約280万部で、電子版を含むコミックスのシリーズ累計発行部数が6000万部を突破。テレビアニメ開始時の2019年4月のシリーズ累計発行部数は約350万部で、数字を見てもテレビアニメが大ヒットの起爆剤になったことが分かる。
アニメ「鬼滅の刃」では特に戦闘シーンの美しさが際立っていた。炭治郎が攻撃の際に繰り出す水の呼吸の表現は浮世絵のようにも見え、美しい。中でも話題になったのが、炭治郎がヒノカミ神楽の呼吸で強敵に立ち向かった第19話「ヒノカミ」で、SNSで「神回」「神作画」などと話題になった。アニメを手がけるアニプレックスの高橋祐馬プロデューサーに取材した際、戦闘シーンのコンセプト、裏側を明かしたことがあった。
「炭治郎が繰り出す水の呼吸のアニメ表現を見た時、子供の頃に感じたような、マンガがアニメになるワクワクと喜びを強く抱いたのでうれしかったです。逆に言えば、あの表現を作られるスタッフの皆さんは本当に大変で、アニメ『鬼滅の刃』は、マンガに真摯(しんし)に向き合うすごい映像力の連続です。水の呼吸の映像は、作画と3Dのハイブリッドで制作されているのですが、現在の表現に至るまで監督とスタッフが動きやビジュアルについてアイデアを出し合い、何度も試行錯誤を重ねて作られています」
アニメは「『最高の鬼滅の刃を作る』が全ての指針」だった。「鬼滅にとって何が良いのか」「どうすれば鬼滅の魅力を最大限引き出せるのか」と原作に向き合った。最高の表現を目指し、何度もやり直すこともあった。
「例えば、第1話で冨岡義勇が叫ぶシーン(『生殺与奪の権』を炭治郎に問うシーン)は、当初、一度作画を終えて色を着けてみたところ、原作の迫力から少し遠かったため、なぜそう感じるかをさまざま検討した上で、輪郭の作画の濃淡や色合いなどを何度も何度もやり直し今の迫力ある映像に至っています。そうした努力をあらゆる作業、映像も音楽も声も全てで一切惜しまず、アニメ制作が進んでいます」
スタッフのたゆまぬ努力があったからこそ神作画は生まれた。劇場版アニメ「無限列車編」が10月16日に公開されるが、こだわり抜いた映像で驚かせてくれそうだ。
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