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10月31日(木)放送分
女優・松井玲奈さんの活躍がめざましい。今クールは、今回は2度目のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)出演となる「エール」をはじめ、3本のドラマに掛け持ちで出演。アイドルグループ「SKE48」を卒業して約5年、これまでさまざまな作品で存在感を発揮してきた。先日発表された主演ドラマ「30禁 それは30歳未満お断りの恋。」(FOD)では、結婚を意識し始めた30歳の女性を演じるという。現在28歳の松井さんだが、30歳を前に、女優としてさらに上のステージに飛躍しようとしている。これまでの活動から女優・松井玲奈さんの活躍の理由を探る。
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◇SKE48時代からの女優の片りん
松井さんがSKE48に在籍していたのは2008~2015年の約7年間。松井珠理奈さんとともに「W松井」と呼ばれブレークしたが、当時から女優業への意欲をのぞかせていた。2012年のファースト写真集「きんぎょ」(光文社)の発売記念イベントでは「すごくお芝居の仕事がしたい」「30年、40年たってもずっと残っていられるような人になりたい」とコメント。先々の目標を明確にしていたのが印象に残った。
SKE48在籍時には、「マジすか学園」(テレビ東京)、「SKE48のマジカル・ラジオ」(日本テレビ)などに出演。特に「マジすか学園」で演じたゲキカラは、少年院から戻った残忍なヤンキーという、松井さんのパブリックイメージとはかけ離れた役で話題となった。また、パフォーマンスでも女優の片りんを見せており、ソロ曲「枯葉のステーション」では、待てども来ない“彼”に恋焦がれるせつない女性の心情を表現。同曲はファン投票によって選ばれた楽曲を披露する「SKE48リクエストアワー」で2010、2011年と2年連続で1位を獲得している。
卒業後は、2016年3月スタートのドラマ「神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎」(MBS・TBS)で連続ドラマ初主演を飾った。ボサボサ髪のコインランドリーのアルバイト店員役で、オーナー役の滝藤賢一さんとの軽妙な掛け合いでコメディエンヌぶりを見せた。同年6月の舞台「新・幕末純情伝」では、広末涼子さんや石原さとみさんも演じた若手女優の登竜門的な役である沖田総司役に抜てき。演出を担当した岡村俊一さんは起用理由を「見た目のかれんさとは裏腹に、内面に潜む女優としての狂気」と語っていたが、過激なラブシーンもある役を体当たりで演じきった。
「マジすか学園」のゲキカラの時から、松井さんの怪演ぶりは話題となっていたが、卒業後はさらに演技に磨きをかけ、「ニーチェ先生」(読売テレビ・日本テレビ系)での好きな人への思いが高ぶりゴミ箱をあさることもいとわない、ストーカー気質のキャラクターなどを見事に演じている。2017年公開の主演映画「めがみさま」(宮岡太郎監督)の舞台あいさつでは、監督から「天性のものを持っている女優さん。(映画の)最初のシーンで憑依(ひょうい)していた。現場に入るときは、ふわーっと真っ白い感じだが、その場の雰囲気で変わる」と絶賛されていた。
2018年には、“月9”ドラマ「海月姫」(フジテレビ系)で、アフロヘアーの鉄道マニア、ばんばさん役を好演。女優として存在感を示したほか、映画「劇場版 仮面ライダービルド Be The One(ビー・ザ・ワン)」では、地球を滅ぼすためにやってきた悪役、2019年の連続ドラマ「都立水商!~令和~」(MBS・TBSほか)では元カリスマキャバ嬢を演じるなど幅広い作品で存在感も発揮している。現在放送中の「行列の女神~らーめん才遊記~」でも、気持ちが高ぶるとドスの利いた関西弁で「消えろ」などと主人公を脅すトリッキーなキャラクターを演じている。
ともすればはかなげにも見えるたたずまいに見え隠れする芯の強さ、役に憑依すると評される演技力、松井さんの魅力は枚挙にいとまがないが、これらはいずれも一朝一夕で身についたものではない。全て松井さんがアイドル時代から積み上げてきたキャリアに裏打ちされた実力といえるものだ。そしてその実力は、名だたる演出家たちにも評価されるものになった。オファーが殺到するのも納得できるのではないか。
多趣味で知られる松井さん。そうした好奇心の強さもあってか、女優業以外にも、2019年には短編小説集「カモフラージュ」(集英社)を発売。2020年5月からは女性誌「anan(アンアン)」(マガジンハウス)でエッセー「ひみつのたべもの」の連載をスタートするなど幅広い活躍を見せている。30歳を前に、松井さんのさらなる活躍が楽しみだ。
2024年11月03日 06:00時点
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