アニメ質問状:「はめふら」 なるべくモノローグを使用せず アニメならではの表現を テンポが速すぎて…

「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」の一場面(C)山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
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「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」の一場面(C)山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、一迅社文庫アイリス(一迅社)のライトノベルが原作のテレビアニメ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(はめふら)」です。井上圭介監督に、作品の魅力などを語ってもらいました。

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 --作品の概要と魅力は?

 乙女ゲーム世界の悪役令嬢の子供時代に転生してしまった女子高生の主人公が、ゲームで起こるいろいろな破滅の危機を回避するために奮闘するお話です。主人公は、なんの特殊能力も持ってなく、ちょっとおバカですが、並外れた行動力で無自覚に周りの人たちを幸せにしていきます。

 主人公のカタリナは、他人をおとしめることなく、純粋にイイやつで、皆に好かれるのもよく分かるキャラクターです。どんどん人を救済していくカタリナの大立ち回りが、この作品の一番の魅力だと思います。

 周りのメインキャラたちも、カタリナのことを好きな気持ちは同じなのですが、それぞれ感情の種類や、アプローチ方法が違っているので、キャラが立っていて、そこも魅力的なポイントだと思います。

 --アニメにするときに心がけたことは?

 一番はメインキャラクターたちの心情を平等に、なるべくモノローグを使用せずにアニメならではの形で表現しようとしました。また、モノローグを多用しすぎないことで、テンポよくコミカルで楽しいやり取りをするように心がけました。

 あまりやらないと思うのですが、テンポをよくするためにアフレコ後のせりふがある状態でも再編集をして、間尺をコントロールしています。

 また、音響監督の亀山俊樹さんが、音楽も細かく多種類入れてくれたことで小気味よいリズムになっていると思います。亀山さんはとても楽しんでいてくれて、いつもドヤ顔で披露してくれました。

 --作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 山口先生、ひだか先生がいろいろ任せてくれたのは、プレッシャーも感じましたが、とてもうれしかったです。アニメ用に新たに設定やエピソードなども考えてくれたのもとてもありがたかったです。出来上がった映像を見て、自分が狙ったところでスタッフが笑ったり、反応してくれたのは「勝ったな」という感じでした。また「はめふら」の原作ファンだというスタッフもかなりいて、喜んで参加してくれたのはとても助かりました。

 一話数にかなりいろいろな要素を入れているので、大幅に尺がオーバーしていて、詰め込むのが大変でした(笑い)。テンポが速すぎて、最初の方は声優の皆さんもちょっとつらそうでした(笑い)。ただすぐに皆さん合わせてくれて、後半はボールドが逆に余ったりして、さすがだなと思いました。

 --今後の見どころを教えてください。

 「はめふら」は12話で一本のストーリーとして作っています。後半では少しシリアスになりますが、「はめふら」ならではの雰囲気も崩れずに楽しめると思います。あるシーンで泣いてくだされば演出冥利に尽きますね。カタリナと仲間たちが今までの話数で積み重ねたものが、クライマックスにつながっているので、楽しみにしていてください。

 --ファンへ一言お願いします。

 皆さんの反応を毎週楽しみに見ています。ファンのはめふら愛の大きさを感じれて、とてもうれしいです。アニメでは泣く泣くカットしたシーンなどもありますので、ぜひ、小説、マンガも読んでみてください。それぞれ違った楽しみ方ができると思います!

 監督 井上圭介

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