今や誰もが認める人気女優となった新垣結衣さん。ここ2カ月は、2016年の大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)」(TBS系)の再放送や8月スタートの新ドラマ「親バカ青春白書」(日本テレビ系)への出演発表もあり、ネットやメディアを毎週のようににぎわせた。また、先月11日に32歳の誕生日を迎えると、同日午前からツイッターのトレンドに「新垣結衣」が浮上。ファンから祝福のコメントが相次ぐなど、大きな盛り上がりを見せたのも記憶に新しいところ。なぜ新垣さんは、ここまでみんなに愛される「国民的人気女優」になったのか、改めて考えてみた。
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新垣さんは1988年6月11日生まれ、沖縄県出身。愛称は言わずと知れた「ガッキー」だ。むしろ「ガッキー」と聞いて、最初に新垣さん以外の誰かを思い浮かべることは困難なくらい、この呼び名は定着している。
ローティーン向けファッション雑誌「nicola(ニコラ)」(新潮社)の専属モデル(ニコモ)出身で、ブレークのきっかけとなったのが、2000年代半ばに頻繁にオンエアされたポッキーのテレビCM。同CMで新垣さんは、ポッキーを手にキュートなダンスを披露し、その笑顔と共にお茶の間に名前を浸透させた。「新垣結衣=笑顔」というイメージは、すでにこの頃からで、30歳を過ぎた今でも新垣さんの「ガッキースマイル」は健在だ。
ポッキーCMと前後して女優業も活発化。「ドラゴン桜」(TBS系、2005年)、「ギャルサー」(日本テレビ系、2006年)、「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」(同、2006年)、「パパとムスメの7日間」(TBS系、2007年)といったドラマに立て続けに出演。期待の若手女優の一人として頭角を現していく。
当初は10代という年齢もあってか学生役が多かったが、後にテレビドラマがシーズン3まで制作され、劇場版も公開された「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」(フジテレビ系、2008年)以降は、役の幅も広がっていく。“月9”主演作「全開ガール」(同、2011年)や実写「らんま1/2」(日本テレビ系、2011年)などを経て出演した「リーガル・ハイ」(フジテレビ系、2012年)では、新米弁護士・黛真知子として、堺雅人さん扮(ふん)する主人公・古美門研介と丁々発止のやりとりを繰り広げた。同作を「コード・ブルー」や「逃げ恥」と並んで、新垣さんの代表作に挙げるファンも多いのではないだろうか。
「『逃げるは恥だが役に立つムズキュン!特別編』未公開全部見せますSP!!」の名で5月半ばから再放送された「逃げ恥」ブームを改めて語るまでもなく、新垣さんはこれまで、その時々、年齢に見合った役どころで、視聴者を魅了してきた。
一方で、新垣さんが面白いのは、「若手女優の登竜門」と呼ばれて久しい朝ドラ(NHK連続テレビ小説)、または同局のもう一つの看板である大河ドラマと無縁のキャリアを送ってきたことだ。新垣さんの同年代(1988年4月2日~1989年4月1日生まれ)には戸田恵梨香さん、吉高由里子さん、多部未華子さんに、芸能界から引退してしまったが堀北真希さんがいて、「花の88年組」などとくくられてきたが、ここに挙げた新垣さんをのぞく4人は全員朝ドラヒロイン経験者という共通点がある。
もちろん、朝ドラヒロインを経験したからと言って、即「国民的女優」のポジションが確立できるなどという単純な話ではないが、新垣さんの現在の人気の高さを考えるとなおさら不思議な点ではある。
いわゆるネットの声を拾うと、新垣さんに対して圧倒的に多いのが、今でも(いや、これまでに増して)「可愛い」である。これは各出演作の役柄に負う部分も大きいが、ポッキーCMから15年近くがたとうとも変わることのない、何とも言えない、癒やしを含んだ可愛さこそが、新垣さんの最大の魅力であることは間違いない。
「ガッキー」の愛称と笑顔ともに、不変的に、そこに可愛くい続ける、これも女優としての一つの才能。男女問わず憧れる、本来の意味での「アイドル(偶像)」に近いからこその国民的人気。この先も新垣さんは、「ガッキー」とみんなに呼ばれながら、ドラマや映画で輝きを放ち続けるのではないだろうか。