放課後カルテ
第6話 そんな状態では見えるもんも見えないぞ
11月16日(土)放送分
俳優の堺雅人さん主演ドラマの続編「半沢直樹」(TBS系、日曜午後9時)の初回が7月19日に放送され、平均視聴率は22.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録と、20%の大台に乗せて好スタートを切った。続編には、2013年放送の前シリーズに続いて、香川照之さん、片岡愛之助さんが出演。さらに、市川猿之助さん、尾上松也さんが加わり、一つの作品に4人の歌舞伎俳優が集結したことで“時代劇っぽさ”が倍増した。原作の池井戸潤さんも「経済を使った時代劇」と説明する同作の魅力を、改めて探ってみた。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
「半沢直樹」は、池井戸さんの「半沢直樹」シリーズが原作。2013年7月期放送の前作は「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」、今作は「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」を実写化。
池井戸さんは元銀行マンという異色の経歴の持ち主で、同シリーズのように銀行を舞台とした作品が多く、他にも直木賞受賞作で下町の工場を舞台とした「下町ロケット」シリーズ、大手自動車メーカーを舞台にした「空飛ぶタイヤ」、足袋製造会社の再生を描いた「陸王」、左遷された主人公が自身と低迷中のラグビーチームを再起させる「ノーサイド・ゲーム」などの企業・経済小説を手がけてきた。一見すると社会派という内容に見えるが、苦境に立たされながらも志を曲げず奮闘するという人間ストーリーが描かれており、作品に共感できるのが魅力となっている。
一方、王道の時代劇といえば「水戸黄門」「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」をはじめ、勧善懲悪の展開でカタルシスを得られるのが魅力だ。半沢直樹シリーズも、銀行マン・半沢が、銀行の内外に現れる敵と戦い、組織と格闘していくさまを描いた。苦境に立たされた半沢が最終的に敵に「倍返し」する痛快さや爽快感が魅力となっており、半沢の決めぜりふ「倍返し」は「2013年ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞を受賞。かつて、池井戸さん自身が、同シリーズについて「経済小説という面」もあるが、「経済を使った時代劇」「チャンバラ活劇」だと、説明した。
前作では、愛之助さん演じる“因縁の相手”金融庁検査局主任検査官・黒崎駿一や、香川さん演じる“父の敵”東京中央銀行の大和田暁が、これでもかと半沢を追い詰めたが、半沢による「倍返し」の反撃が炸裂(さくれつ)。大和田が土下座に追い込まれたシーンは物語を代表する名場面となり、後々まで語り継がれるほどの印象を視聴者に与えた。
今作では、猿之助さん扮(ふん)する同行の証券営業部長で大和田派の伊佐山泰二が敵として登場。ファーストシーンから半沢に対する恨みを吐き出した伊佐山は、不良案件を押しつけて嫌がらせしたほか、半沢と対峙(たいじ)すると憎まれ口をたたいた。子会社の東京セントラル証券に出向させられている半沢は、それらを耐え忍ぶが、大手IT企業「電脳雑伎集団」が新興IT会社「スパイラル」を買収する案件を、東京中央銀行に横取りされたのを機に逆襲へ。ラストで伊佐山に「倍返しだ!」とたんかを切ったシーンでは、伊佐山のこれまでの態度に腹を立ててきた視聴者も、これからの展開への期待感とともに、一定の高揚感を得ただろう。
ドラマ「半沢直樹」といえば、テレビ画面いっぱいにキャストの顔を映し、キャラクターの激情を伝える演出が有名だ。人気、実力を兼ね備えた歌舞伎俳優たちが同シリーズで演じる悪役は、憎たらしい表情を見せ、口をゆがめてせりふを吐くなど、視聴者の敵愾心(てきがいしん)をあおる演出で、半沢に感情移入させる効果を倍増している。さながら歌舞伎の「みえ」を思わせる圧巻の表情は“本職”だからこその迫力だ。ここまでパワフルな悪役たちに半沢はどうやって立ち向かうのか。そしてきっちり「倍返し」してくれるのか……。1話たりとも見逃せない。第2話は26日午後9時から15分拡大版で放送される。
草なぎ剛さんが、明石家さんまさんの知られざる一面を掘り起こす日本テレビ系の特番「誰も知らない明石家さんま」の第10弾(12月1日午後7時~同9時54分)内のスペシャルドラマで、さ…
1週間の主なドラマのニュースをまとめて紹介する「ドラマ1週間」。今回(11月9~15日)は、橋本環奈さんが主演する朝ドラ「おむすび」(総合、月~土曜午前8時ほか)の新たなキャスト…
俳優の神木隆之介さん主演のTBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(日曜午後9時)の第4話「沈黙」が11月17日に放送された。
俳優の神木隆之介さん主演のTBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(日曜午後9時)の11月24日に放送される第5話「一島一家」のあらすじが公開された。