Official髭男dism:目標は「国民的バンド」 10年後も「この4人で幸せにいい音楽を」

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4人組バンド「Official髭男dism」の(左から)楢崎誠さん、小笹大輔さん、藤原聡さん、松浦匡希さん

 女優の長澤まさみさん主演の劇場版第2弾「コンフィデンスマン JP プリンセス編」(田中亮監督、公開中)の主題歌「Laughter」を手がけた4人組バンド「Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム=ヒゲダン)」。彼らが同シリーズの主題歌を担当するのは、テレビドラマ版、劇場版第1弾に続き3回目となる。2018年のメジャーデビュー当時から縁のある「コンフィデンスマンJP」チームとのエピソードや、劇場版第2弾の主題歌「Laughter」と同曲を収録したEP(ミニアルバム)「HELLO EP」(8月5日発売)の制作秘話、10年後の未来像などについてメンバーに聞いた。

 ◇バンドにとって「コンフィデンスマンJP」チームの存在は…

 ヒゲダンと「コンフィデンスマンJP」のコラボは、2018年4月期にフジテレビ系“月9”枠で放送された連続ドラマの主題歌となったメジャーデビュー曲「ノーダウト」、2019年5月に公開された劇場版第1弾「ロマンス編」の主題歌「Pretender」、そして今回の劇場版第2弾「プリンセス編」の主題歌「Laughter」と3回にわたる。

 3曲の主題歌すべての作詞・作曲を手がけているボーカル&ピアノの藤原聡(ふじはら・さとし)さんは、「いいものを作ろうというチームの思いがどんどん深くなっている。自分たちも歌で応えたいという思いがすごくあって、切磋琢磨(せっさたくま)させていただいています。それでいて、エンターテインメントの深いところ、面白いものを一緒に追求する仲間に入れていただいているような感覚です」とこれまでの“共演”について語る。

 他のタイアップソングの現場では、「『I LOVE...』(上白石萌音さんと佐藤健さんが出演したTBS系連続ドラマ『恋はつづくよどこまでも』主題歌)みたいな曲を」など、バンドの既存曲を例に挙げてオーダーを受けることが比較的多いという。だが「コンフィデンスマンJP」では、「最初の時点で、僕たちからは完成形が見えないような提案をいただくことが多くて。前作の『Pretender』の時は“UKの要素を入れてほしい”とか。『コンフィデンスマンJP』とタッグを組むことで、僕たちだけではできなかったような作品を(一緒に)作ることができるなと思っています。このチームはすごく大事な存在です」とギターの小笹大輔(おざさ・だいすけ)さんも話す。

 ◇「ホール・ニュー・ワールド」の壮大な世界観を参考に

 今回の「プリンセス編」の主題歌「Laughter」を制作するにあたり、チームからリファレンス(参考作品)として挙げられたのは、ディズニー映画「アラジン」の主題歌「ホール・ニュー・ワールド」だったという。「Laughter」は、その壮大な世界観を踏襲しつつ、優美なストリングス(弦楽器)アレンジを配した重厚なロックナンバーに仕上がっている。一方で、「本物も偽物もない。信じればそれが真実」という映画のキャッチコピーや台本の内容から、「自分の信念」「自分に誇れる自分」という主題を感じとったという藤原さん。それが、4人で上京したころの自分たちともリンクしたといい、その思いを歌詞に込めた。「Laughter」=“笑い声”の意味で、曲の中では鳥の名前として描かれている。

 藤原さんは「自分たちがミュージシャンとして本物か偽物か、天才か凡人かっていうのは分からないし、プロになれる器だと確信して東京に出たのかというと、そうではなかった。でも、音楽にしっかり専念できる環境で、4人でいいものを作りたいという思いで、地元から飛び出している。そういった自分たちの心の流れとか、心の底から“いいものができたね”って笑えることが大事なんじゃないかって。この曲が生まれたことで、自分たちがどういうスタンスで活動していけば幸せなのか、ということがすごく分かった気がします」と力をこめる。

 小笹さんも、「たくさんの人に自分たちの音楽が届くようになって、これから曲を作る時に“どこに尺度を置いて物事を決めていったらいいんだろう”って悩むこともあると思うんです。でも、自分たちが誇りを持って音楽を作って、自分が信じる“いいもの”をやるしかない。この曲によってそう思えたので、決意表明じゃないですけど、このタイミングで『Laughter』という楽曲を出せることは、すごく意味があると思います」と熱く語る。

 ◇ヒゲダンの進化を感じさせる新作「HELLO EP」

 8月5日には「Laughter」を含むEP「HELLO EP」をリリースする。フジテレビ系情報番組「めざましテレビ」のテーマソング「HELLO」、2020年の「カルピスウォーター」のCMソング「パラボラ」といったタイアップソングほか全4曲が収録されている。「Laughter」に代表されるように、「“生き方”についてのメッセージが込められた楽曲が連なっている。本当に繊細な作品」と小笹さん。

 リード曲「HELLO」はパワフルなロックナンバーで、上京前からアイデアはあったものの、「当時の自分たちの実力では再現できなかった」(藤原さん)という楽曲。ベース&サックスの楢崎誠(ならざき・まこと)さんが、今回の新作「HELLO EP」では「今の年齢だからこそできるロックというか、大人のグルーブを出せるようになってきた」と語るように、バンドの成長や新たな可能性を、多彩なアプローチで見いだした意欲作に仕上がっている。

 ◇そして10年後は…

 ブラックミュージックとJ-POPの要素をクロスオーバーさせた高い音楽性が支持され、人気を集めているヒゲダン。2019年10月発売のメジャー初アルバム「Traveler」が週間オリコンアルバムランキングで1位を獲得、また同年の大みそかに放送された「第70回NHK紅白歌合戦」に初出場。2020年上半期総合ソングチャート「Billboard JAPAN HOT 100」では、映画「コンフィデンスマンJP ロマンス編」の主題歌「Pretender」と、2020年1月期に放送された連続ドラマ「恋はつづくよどこまでも」の主題歌「I LOVE...」が1、2位に輝くなどヒットチャートを席巻中だ。

 現在の状況について、ドラムの松浦匡希(まつうら・まさき)さんは、「今まで自信を持って曲を作ってきて、それを聴いてくれる人が増えたことは素直にうれしい」と喜びをにじませつつ、「そういうリスナーの方をこれからも増やして、国民的バンドになりたい、というのが僕らの掲げる目標」とさらなる高みを目指す。「『この曲を聴くとあの時代を思い出す』『今の自分の応援歌になっている』といった、聴いてくれる人たちの人生にすり込まれていく曲」を生み出し、「国民的バンドという役割を担いたい」と語る。

 10年後のバンド、また個人としての未来像について藤原さんに聞くと、「自分たちがより笑えるように、より幸せだなと思える方向に共に歩んでいければなって。それが一番大事なことで、それがしっかりできていれば、この4人のまま、ただ10年、幸せにいい音楽を作って年を重ねた先に、このバンドがあると思います。そのためには、僕自身も慢心することなく、自分の心の琴線にグッとくるものをしっかり追い続ける……。そんなふうに10年を過ごしていって、10年後もしっかり胸を張って音楽をやれていたらと思います」と真摯(しんし)に語った。(取材・文/水白京)

 *楢崎誠さんの「崎」は「たつさき」

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