福本莉子:「ふりふら」で声のトーンを高めにして役作り 撮休の日に浜辺美波と見に行った映画は…

映画「思い、思われ、ふり、ふられ」に市原由奈役で出演した福本莉子さん
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映画「思い、思われ、ふり、ふられ」に市原由奈役で出演した福本莉子さん

 女優の福本莉子さんが出演している映画「思い、思われ、ふり、ふられ(ふりふら)」(三木孝浩監督)が8月14日に公開された。同作は、マンガ誌「別冊マーガレット」(集英社)で連載された咲坂伊緒さんのマンガが原作で、4人の高校生男女の恋模様が描かれている。福本さんは今作で、自分に自信がなく、恋に消極的で一目ぼれした男子に告白できずにいる夢見がちな女子高生を演じている。声のトーンを高めにして役作りをしたという福本さんに、撮影中のエピソードや青春の思い出、ステイホーム期間中の過ごし方などについて聞いた。

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 ◇由奈役をオーディションで勝ち取る「うれしかったと同時にプレッシャー」

 「思い、思われ、ふり、ふられ」は、山本朱里(浜辺美波さん)、山本理央(北村匠海さん)、市原由奈(福本さん)、乾和臣(赤楚衛二さん)という4人の高校生男女の恋模様が描かれる。原作のマンガをアニメ化した劇場版「思い、思われ、ふり、ふられ」(黒柳トシマサ監督)も9月18日に公開される。

 福本さんは今回の役をオーディションで勝ち取った。「本当に自信がなくて、絶対に受かっていないだろうなと思っていたんですけど、3カ月後くらいに決まったよというお話をいただきました。まさか自分が、咲坂先生の実写化の映画に出させていただき、三木監督とご一緒できるなんて、すごくうれしかったです。それと同時に、たくさんファンの方もいらっしゃる人気の作品なので、プレッシャーもありました」と率直に語る。

 由奈は恋に奥手な女の子だが、福本さん自身は「恋愛観的には朱里の方が共感できます」という。「由奈は夢見がちで人見知りな女の子ですけど、朱里は正反対。私自身は結構人と話すのが好きなタイプで、かつリアリストなので、そういうところは朱里と似ているなと思います。朱里のように先読みしてしまうところもあり、どこか一歩引いて見ているところもあります。また、『サバサバしているね』と言われるタイプですし」と自己分析する。

 ただ、「由奈が持っている芯の強さ、うそをつけないところとか、ちょっと頑固なところは自分自身ともリンクしていて、すごく共感できました」とも語る。

 福本さんは、由奈の役作りのために声のトーンを普段より高めに出すように心がけたという。「私、基本的には声が低めなので、(台)本読みの段階で監督と4人集まって、声のチューニングをして、由奈を演じていたときは、通常の声よりも高めにしゃべっていて、朱里役の浜辺さんは普段よりワントーンくらい下げたりして、4人の声のバランスを取ったんです。なので、劇中では結構高めに声を出すように意識していました」と明かす。

 高い声を出すことには、「ここまで高く出しても変じゃないのかなというところまで上げていたので、違和感は確かにありましたね。でも、撮影中は極力普段しゃべるときも声を高めに出すようにしようと努力していました」と苦労を明かす。

 ◇4人共血液型がB型「すごく居心地が良かった」

 4人は同じ高校の同級生という設定だが、撮影中はどんな様子だったのだろうか。「赤楚さんが一番年上(26歳)で、北村さんもお兄さん(23歳)。浜辺さんが同い年(19歳)で、4人が仲が良いという作品なので、最初に敬語はやめようという話になって、グループLINEを作ったりしました」といい、「全員、(血液型が)B型なので、みんなそれぞれ自由でしたね。誰かが先導するというわけでもなく……。だからある意味、すごく居心地が良かったです」と現場の雰囲気を語る。

 神戸ロケの撮休の日は浜辺さんと映画を見に行った。「そのときは(劇場版アニメの)『名探偵コナン』を見ました(笑い)。私、出身が大阪で、30分もあれば神戸に行けてしまえたので、地元という感覚はありました」と明かす。

 神戸ロケで印象に残っている場面は「クリスマスのシーンで、撮影したのが3月か4月だったんですが、神戸の方に協力していただいてイルミネーションをその期間に点灯していただきました。冬じゃないけど、イルミネーションってすてきだなって思いました。神戸の街並みのおしゃれな雰囲気と合っていました」と語る。

 映画は青春の切ない物語を描いているが、福本さんにとって青春とは? 「私、女子校だったので、皆さんとはちょっと違う青春を送っているように思うんです(笑い)。でも、女子校は体育祭とかも本気なんですよ。男子がいない分、みんな必死で、顔も怖い(笑い)。そういうふうに顔とかを気にせずに一生懸命、優勝に向かってみんなでワーッとやるのは、すごく青春だったなって思いますね」としみじみ語る。

 ◇小さな頃の夢は「パン屋さんかドーナツ屋さん」 夢が女優に変わったのは…

 映画では夢をかなえるというテーマも描かれているが、福本さん自身の小さい頃の夢は? 「いい匂いがするのでパン屋さんとか。あとは、ドーナツ屋さんかな。ドーナツがすごく好きで、小さい頃によく母に連れて行ってもらいました。ドーナツ屋さんでバイトして、ドーナツを食べたいなって思っていました。今でも思います(笑い)」と笑顔で明かす。

 その夢が女優に変わったのは、「(女優になりたいという)意識はあまりなくて。テレビっ子で、『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(2007年)とか『メイちゃんの執事』(2009年)など、毎日何かしらのドラマを見ているような子供で、漠然と『芸能界ってどんなところなんだろう』という興味はありましたけど、そこから一歩踏み出すことはなかったんですね。でも、友達に『“東宝シンデレラ”のオーディションがあるけど受けてみたら』と言われて、『人生、一度きりだしな』と思って受けたのがきっかけですね」と語る。

 ◇ステイホーム期間は「いろんなものを吸収できた」

 新型コロナウイルスの感染拡大によるステイホーム期間中はどのように過ごしたのか。「寝ているか、映像を見ているかでしたね。映画は洋画、邦画関係なく、いろいろと見ました。(動画配信サービスの)Netflix(ネットフリックス)で配信されている3シーズンまであるドラマを毎日見て。見終わっちゃいました」と明かす。

 その期間に考えたことは「普段こうやってお仕事させていただけることはやっぱりありがたいことだなと改めて感じました。また、良い意味で、いろんなものを吸収できたと思います。準備期間だととらえて映画を見たり、本を読んだり、お芝居のことを考えたりしていました」という。

 今年、20歳を迎える。10年後に30歳になったときのことを想像してもらうと、「10年後の自分は、ちょっと顔が大人っぽくなっていると思います(笑い)。私、顔が童顔なので、あまり(外見は)年を取らないと思うんですけど、もうちょっと大人っぽくなってくれていたらいいですね」と思いをはせていた。

 最後に、映画について「中高生はもちろん、大人の方でも絶対に共感するものがあるんじゃないかなと思っています。少女マンガの実写化ですけど、胸キュンだけじゃなくて、4人がそれぞれ抱えている悩みや思いが繊細に描かれている作品なので、ああ私、学生のときにああいうことで悩んでいたなとか、これだけ夢中になれたことがあったなと思い出させてくれるような作品になっていると思います。親子で見に行っても、すごく楽しめるんじゃないかな」とメッセージを送り、「七つ上の姉も予告を見て、早く見たいって言っていました」と公開を楽しみにしていた。

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