俳優の大泉洋さんが、2024年6月に公開の映画「ディア・ファミリー」に主演し、病身の娘のため心臓カテーテルを開発した父親を演じることが分かった。実話に基づく作品で、菅野美穂さん、福本莉子さん、川栄李奈さん、新井美羽さんらが共演。大泉さんは「ある家族が起こす奇跡の実話をどうか、劇場でご覧になっていただければと思います」と話している。
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原作は、ノンフィクション作家・清武英利さんの「アトムの心臓『ディア・ファミリー』22年間の記録」 。監督は「君の膵臓をたべたい』(2017年)や「君は月夜に光り輝く」「劇場版 そして、生きる』(ともに2019年)など、死生観の描写を得意とする月川翔さん。
小さな町工場を経営する坪井宣政(大泉さん)の幼い娘・佳美(福本さん)は、生まれつき心臓に重い病を抱え「余命10年」と宣告されていた。手術は難しく、どこの医療機関でも治すことが出来ないという。宣政は娘の命を救いたい一心で「じゃあ俺が造ってやる」と、人工心臓の開発に取りかかる。
知識のない中で始めた人工心臓の開発は、不可能に近いことが分かり、宣政は妻・陽子(菅野さん)と、心臓に血液を送りやすくするカテーテルの開発に着手する。しかし、あらゆる医療関係者にそっぽを向かれ、資金繰りや時間との闘いにも迫られる中、佳美の命のリミットは刻一刻と迫っていく。
坪井家の長女・奈美を川栄さん、三女・寿美を新井さんが演じる。
主人公のモデルとなった東海メディカルプロダクツ(愛知県春日井市)の前社長、筒井宣政さんはその後、IABP(大動脈内バルーンパンピング)と呼ばれるカテーテルを実際に開発し、世界で16万人の命を救った。
大泉さんは「脚本を読んだ時『私の命はもう大丈夫だから、その知識を苦しんでいる人のために使って』という台詞に心を突き動かされました。娘の命を救いたいという一心で立ち上がり、絶対に諦めないこの家族の強さが観た人を必ずや勇気づけてくれると信じて、出演を決めさせていただきました」とコメント。
菅野さんも「愛する娘さんのために力を尽くした筒井さんと、ご家族の歩んでこられた道は、決して平坦ではなかったはずだと拝察します。 何度上手く行かなくても、諦めずに、その度に工夫して再び挑戦する姿勢に、父の娘への強い思いが、諦めきれない愛情が浮かび上がって、胸をつかまれたような気持ちになりました」と語る。
福元さんは「佳美さんは20歳まで生きられないと、医師に宣告されていました。それでもいつも前向きで、一家の太陽みたいな存在だった佳美さん。撮影前、ご家族にお会いさせていただき、当時のお話をうかがい、佳美さんが何故こんなにも強く優しいのか分かりました。ご家族や佳美さんの想いを胸に、精一杯演じさせて頂きました 」と話している。
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