俳優の吉沢亮さんと女優の杉咲花さんのダブル主演映画「青くて痛くて脆(もろ)い」(狩山俊輔監督)に出演している茅島みずきさん(16)。昨年、大塚製薬「ポカリスエット」CMヒロインに抜てきされ、注目を集めた茅島さんにとっての映画デビュー作で、撮影当時15歳ながら、吉沢さん扮(ふん)する田端楓のバイト先の後輩の大学1年生・川原理沙を演じた。ポカリスエットのCMといえば、これまで綾瀬はるかさん、川口春奈さん、中条あやみさんらを輩出するなど、若手女優の登竜門と言われているが、彼女たちを追いかけるように演技の世界に飛び込んだ茅島さんに話を聞いた。
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映画は、「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」などで知られる住野よるさんの小説(KADOKAWA)が原作。大学生の田端楓(吉沢さん)と、秋好寿乃(杉咲さん)の独りぼっち同士の2人が、「世界を変える」という目標を掲げて秘密結社サークル「モアイ」を作るが、秋好は“この世界”からいなくなる。秋好の存在なき後、「モアイ」は“意識高い系就活サークル”に成り下がってしまい、取り残された楓は、秋好がかなえたかった夢を取り戻そうと「モアイ奪還計画」をたくらむ……という青春サスペンスだ。
完成した映画について茅島さんは、「展開が衝撃的で。原作や台本を読んだ段階で衝撃を受けてはいたのですが、映像で見るとその衝撃がさらに増していて、仕上がりに驚きました。スクリーンで自分の演技を見ては、『もっとこうすればよかった』という反省もありましたが、当時の自分なりに最大限にできていたかなと思うので、皆さんに見ていただきたいです」と話す。
時にモデルとしてファッションイベントのランウエーを歩くなど、すらりとした長い手足(身長は170センチ)や大人びたルックスが目を引く茅島さんだが、実年齢で四つほど上の大学1年生を演じるのは未知の世界であった。「大学のことや、サークルのことは、よく分からなくて。自分の親や身近な人に話を聞いてみたり、実際に自分でキャンパスに足を運んでみたりして、大学ってこういうところなんだと見て感じて、役作りに生かしました」と明かしている。
演じた川原理沙は「とても真っすぐな女の子」といい、「芯がブレなくて、自分の思ったことは口にしないと気が済まない頑固さもある」との印象だ。また「不器用で、人付き合いが苦手ではあるのですが、自分の悩みもに真っすぐに向き合うし、何事にも全力でかっこいいなと思いました」と共感を寄せ、「私も頑固な部分があって、人見知りで人付き合いが苦手だったりもするので、やりやすい部分はたくさんありました」と振り返る。
一方で「お芝居は本当に難しくて、自分の思い通りにはならないことばかり。悔しい思いをたくさんしました」と自身の力不足を痛感。それでも「できないこと、分からないことがたくさんあって、うれしさよりも悔しさの方が多いのですが、『今、私うまくできたかも』と思える瞬間もあって。あとは完成した作品を見たとき、頑張ってきてよかったなと達成感を感じます」と女優業への魅力を語っていた。
そんな茅島さんは、この春に中学を卒業したばかりの“可能性しかない”16歳。今回、役作りで大学生活を見聞きし、「中学、高校に比べて校則もなく、服も自由で、とてもキラキラしていて、純粋に楽しそうだなって思えて、私も大学に行ってみたいなっていう気持ちが出てきました」とキャンパスライフに憧れを抱きつつも、「今はお芝居することがとても楽しいので、今後もいろいろな作品に携わらせていただけるよう、もっともっと頑張っていきたいと思っています」と目を輝かせていた。
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