半沢直樹:今夜、ついに最終回! 続編を彩った“新名言” 珠玉のシーン生んだスタッフとキャストの心意気

連続ドラマ「半沢直樹」のワンシーン(C)TBS
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連続ドラマ「半沢直樹」のワンシーン(C)TBS

 初回から9話連続で視聴率が20%台を突破している俳優の堺雅人さん主演の連続ドラマ「半沢直樹」(TBS系、日曜午後9時)が9月27日、ついに最終回を迎える。2013年に放送された前シリーズでは、半沢(堺さん)の名ぜりふ「倍返し」が「2013年ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞を受賞し、大きく話題となった。7年ぶりの続編では、「倍返し」以外にも「恩返しです!」「お、し、ま、い……DEATH!」「死んでも嫌だね!」「おねしゃす」「わびろ」といった“新名言”が、毎回登場。SNSでも「今週の流行語!」「まねして言いたくなる!」「バズワードいただきました!」といった声で盛り上がりを見せているほどだ。視聴者を引きつけてきた“バズワード”と共に続編の魅力を振り返る。

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 ◇「お、し、ま、い……DEATH!」「わびろ」… 

 ドラマは、池井戸潤さんの小説「半沢直樹」シリーズが原作。「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」を原作とした前シリーズでは、銀行員としての正義感あふれる半沢が銀行内外の敵と戦いながら、父を自殺に追い込んだ張本人の大和田(香川照之さん)に「100倍返し」する様を描いた。半沢によって不正が暴かれ、大和田が苦悶(くもん)の表情とともに土下座をした前シリーズの最終回は42.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という高視聴率を記録した。

 「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」を原作とした今回の続編では、7年ぶりの半沢の「やられたらやり返す。倍返しだ!」に視聴者は歓喜。さらに、その名ぜりふをもじった大和田の「やられたらやり返す。施されたら施し返す。恩返しです!」に興奮した。その後も、「電脳雑伎集団」による「スパイラル」の買収案件をめぐり、大和田が半沢に「君はもうおしまいです。お、し、ま、い……DEATH!」と首をかき切るポーズで言い放ち、視聴者に大きなインパクトを与えた。

 その後も、半沢の「あなたからは腐った肉の臭いがする。うんでただれた肉の臭いです」「どの口が言う!」といった“半沢節”や、大和田の「死んでも嫌だね!」「おねしゃす」などが登場。ほかにも、伊佐山(市川猿之助さん)の「わびろ」「お前の負けえええー!」「土下座野郎」、“オネエ口調”の黒崎(片岡愛之助さん)の「直樹」「私がお仕置きしてあげる」「ファイト・まん・まんよ!!」「あなたしかいないのよ!」など、毎回、視聴者の心に大きく残る“パワーワード”が登場し、楽しませてきてくれた。

 ◇“顔芸”、仲間の存在、“宿敵”たちとの共闘、小ネタも

 「半沢直樹」といえば、テレビ画面いっぱいにキャストの顔を映し、キャラクターの激情を伝える演出が有名で、視聴者からは“顔芸”として親しまれている。続編でも、その演出は健在。半沢の前に敵として立ち塞がった伊佐山をはじめ、三笠副頭取(古田新太さん)、永田(山西惇さん)、曾根崎(佃典彦さん)、紀本(段田安則さん)、そして今まさに戦いを繰り広げている乃原(筒井道隆さん)、白井(江口のりこさん)、箕部(柄本明さん)たちが、これでもかと憎々しい表情やせりふで視聴者の感情を逆なでし、半沢への感情移入を誘ってきた。

 また、同期の渡真利(及川光博さん)をはじめ、森山(賀来賢人さん)、瀬名(尾上松也さん)、富岡(浅野和之さん)といった半沢を支える仲間たちの活躍や絆が描かれたほか、“巨悪”の箕部を倒すために、前シリーズでは敵だった“タブレット福山”こと福山(山田純大さん)、しのぎを削ってきた黒崎、そして“宿敵”大和田と共闘するという、“努力・友情・勝利”を含む少年マンガさながらのストーリー展開に、胸を熱くさせられている。

 スピンオフドラマの主人公・高坂圭(吉沢亮さん)、前シリーズに登場した花(上戸彩さん)のフラワーアレンジメントの仕事の先輩(吉田羊さん)、メールで伊勢島ホテルの社長・湯浅の名前が登場するなど、小ネタも満載。本作だけでも十分面白いが、知れば知るほどより楽しめるのが今回の続編ならではの魅力だ。ほかに、池井戸さんの小説を原作としたドラマ「下町ロケット」「ルーズヴェルト・ゲーム」「陸王」「ノーサイド・ゲーム」、映画「七つの会議」に登場した企業の名前が劇中に次々と飛び出し、ファンを沸かせた。

 ◇人気支えたスタッフとキャストの心意気

 続編では、毎回、登場する“新名言”と共に、仲間との絆、“宿敵”たちとの共闘、そして“小ネタ”に視聴者は熱い視線を送り、結果として高視聴率につながっているのだろう。その裏では、半沢が銀行内外の敵に「倍返し」をするストーリーの本筋に加え、9月6日に放送された「生放送!!半沢直樹の恩返し」で明かされたように、「大事な7文字」のやり取り、「さあさあ」といった“名シーン”を生み出すために、主演の堺さんをはじめ、共演者、スタッフが一つ一つのシーンやせりふにアイデアを凝らしてきた努力が支えにもなっている。

 中でも驚かされたのは、大和田役の香川さんから明かされた「お、し、ま、い……DEATH!」誕生の経緯だった。香川さんは、せりふがアドリブであることを明かすと共に、1回目のテークからアドリブを入れるのではなく、出しどころまで考えてアドリブを盛り込んでいることを告白。一つのシーンを撮影するために、スタッフはリハーサルから何度も何度もカメラを回し、出演者もそれに応えて何パターンも演技の引き出しを用意する。そうした心意気で、厳選に厳選を重ねて出来上がった珠玉のシーンだからこそ、視聴者に強いインパクトを与えるのだ。

 第9話では、前シリーズの大和田の土下座シーンをほうふつさせる、大和田が半沢に「やるんだ、やれー、半沢ーっ!」と土下座を強要するシーンが登場。9月27日午後9時から15分拡大で放送の最終第10話の予告映像では、前シリーズでも話題となった大和田の「やれるもんなら、やってみ…な!」と吐き捨てる姿が収められており、前シリーズのファンが胸を打たれる演出でたたみかけてきている。

 最終回では、半沢の「1000倍返し」の戦いの結末と同時に、どんな名言やシーンが誕生するのか、そして“バズワード”に昇華されるのか。泣いても笑っても、今夜が最後。ワンシーン、一つのせりふも見逃せない!

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