今週の激推シネマ:「罪の声」 小栗旬&星野源が映画初共演 野木亜紀子による見事な脚本

映画「罪の声」の場面写真(C)2020 映画「罪の声」製作委員会
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映画「罪の声」の場面写真(C)2020 映画「罪の声」製作委員会

 今週公開される映画からMANTANWEB編集部の“激推し”作品を紹介する「今週の激推シネマ」。今回は、10月30日に公開された、俳優の小栗旬さんと星野源さんの映画初共演作「罪の声」(土井裕泰監督)を“激推し”する。

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 映画は、18万部を超える塩田武士さんの同名ベストセラー小説が原作。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」などの野木亜紀子さんが脚本を手がけた。平成も終わりを告げようとするとき、昭和最大の未解決事件に翻弄(ほんろう)される2人の男がいた。新聞記者の阿久津英士(小栗さん)は、昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、残された証拠を基に取材を重ねる毎日を過ごしていた。事件の真相を追い求める中で、なぜ犯人グループは、脅迫テープに男児の声を吹き込んだのかが気になっていた。

 一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野さん)は、父の遺品の中にカセットテープを見つける。何となく気になって再生すると、聞こえてきたのは、幼いころの自分の声。それは30年以上前に複数の企業を脅迫して、日本中を震撼させた昭和最大の未解決事件で犯行グループが使用した脅迫テープと全く同じ声だった。やがて運命に導かれるように2人は出会い、ある大きな決断へと向かい……というストーリー。

 日本中を震撼(しんかん)させた未解決事件が題材であるため、社会派なストーリーとなっているが、謎解きや登場人物たちの心理描写といったエッセンスを加え、エンターテインメントとしての完成度を高めた、野木さんの手腕は見事だ。小栗さんが事件を追う記者として圧倒的な存在感を示し、星野さんが知らぬ間に事件に関わってしまっていた男性を繊細に演じる。対比する2人の演技にも注目してもらいたい。

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