上白石萌音:コロナ禍を癒やした“ベストスマイル” 2020年はマルチな才能を存分に発揮

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上白石萌音さん

 生活様式が一変し、激動の1年となった2020年。暗いニュースも多かった中、世間に光を与えてくれた女優としてすぐに思い浮かぶのが、上白石萌音さんだ。大ヒットした連続ドラマ「恋はつづくよどこまでも(恋つづ)」(TBS系)では、ひたむきな“勇者”を説得力とともに演じ、緊急事態宣言下で制作されたミュージシャンとのセッション動画では、心を込めた歌声で人々を癒した。今年最も笑顔が輝いていた著名人を表彰する「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2020」を受賞した彼女だが、それも大いに納得。マルチに活躍した、上白石さんの今年を振り返ってみたい。

 ◇「恋つづ」の勇者役で大ブレーク!

 1998年生まれで、現在22歳の上白石さん。2011年に行われた第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。同オーディションでは、妹の萌歌さんがグランプリを受賞しており、姉妹そろって芸能界入りした。2014年、周防正行監督の映画「舞妓はレディ」でヒロインを演じ、新海誠監督の2016年の映画「君の名は。」では声優業にトライ。演技力、表現力をこつこつと積み上げ、今年1月期に放送された「恋つづ」で、七瀬という当たり役を得て大ブレーク。男女問わず、国民的女優として幅広い世代からの支持を集めた。 

 超ドSで“魔王”と呼ばれるドクター・天堂(佐藤健さん)と、上白石さん演じる、仕事にも恋にも真っすぐなナース、七瀬との恋をコミカルに描いた同ドラマ。“治療キス”や“ソフトクリームキス”など、天堂役の佐藤さんの繰り出す胸キュン技も視聴者を興奮させたが、同作が単なる胸キュンドラマにとどまらず、感動的な恋愛ストーリーとなったのは、七瀬がとびきりすてきな女性だったからこそ。上白石さん自身の優しく、真心あふれる人柄が見事に投影され、“応援したくなる女性=七瀬”が完成していた。

 「東京ドラマアウォード2020」の授賞式では、佐藤さんが「彼女を見ていると、魅力的な女性だな、可愛いなと自然と思うことができたので、芝居はやりやすかったです」と上白石さんについて語っていた。番宣や配信番組など見せる上白石さんと佐藤さんのコンビネーションも抜群で、「#たけもね」というハッシュタグも誕生。2人の再共演も待ち望まれている。

 ◇コロナ禍を癒やした歌声

 上白石さんは、歌手としての実力も評価されており、4月にはBS-TBSの音楽番組「Sound Inn“S”」が企画した「Sound Inn S@HOME」に参加。アーティストやミュージシャンがそれぞれの自宅などから、コロナ禍で苦しむ人へ向けてリモート演奏を届ける企画で、上白石さんは、ミュージシャンたちの奏でる音楽に乗せて小坂明子さんの「あなた」を熱唱した。

 上白石さんの透き通った歌声、一つ一つの歌詞を大切につむぐ表現力によって、目の前に歌の世界が広がるような一曲となり、コメント欄には「勇気をもらった」「心に響く美しい歌声」「不安と焦燥の中、萌音ちゃんの歌う『あなたにいてほしい』に知らずに涙があふれた」など、続々と感動の声が上がった。エンタメの力とともに、彼女の歌には人々を癒やし、支える特別な力があると実感した。

 また8月には、彼女にとって初のオリジナルフルアルバム「note」が発売となった。大橋トリオさんや野田洋次郎さん、水野良樹さん、YUKIさんなど、そうそうたるミュージシャンが集結し、楽曲を提供。上白石さんが時に軽やかに、時に力強く歌い上げるなど、アルバムからも彼女の表現の幅が伝わるが、同アルバムの特設サイトの中で、水野さんは「上白石さんの歌声は、技術に頼るわけでなく、それでも一言一言に説得力がある」、n-bunaさんは「上白石さんは、僕の価値観的にもすごくいいボーカリスト」と語るなど、お互いに刺激し合って作業した様子。上白石さん自身、かねてより敬愛していたというミュージシャンたちとのタッグは、大きな財産となったはずだ。

 ◇女優、歌、バラエティー… マルチな活躍の裏にサービス精神旺盛な姿を目撃

 シリーズの続編で、成長した姿を見せたことも印象深い。織田裕二さんが敏腕弁護士を演じる「SUITS/スーツ2」(フジテレビ系)では、上白石さんはシーズン1に引き続き、ガツガツ系のクセ者検事、藤嶋春香役に扮(ふん)し、北大路欣也さん主演の刑事ドラマ「記憶捜査2~新宿東署事件ファイル~」(テレビ東京系)では、猪突(ちょとつ)猛進な警察官の遠山咲役を続投。どちらも大先輩との再共演がかなった形だ。

 また誘拐・監禁される女性という役柄に挑戦したのが、中島健人さんと平野紫耀さんがダブル主演を務めたドラマ「未満警察 ミッドナイトランナー」(日本テレビ系)。上白石さんは「恐らく、わたし史上最もハードな内容のストーリー」と明かしていたが、闇の組織から逃れようとする力強さ、事件が解決したときに見せた可憐(かれん)な笑顔は、上白石さんの真骨頂。ゲスト出演でも、しっかりと記憶に残る演技をしていた。

 今年、上白石さんは女優、歌、バラエティやトーク番組、ナレーションの仕事など、とにかく大活躍だった。苦難の1年に、彼女の奮闘や温かな笑顔を見ることで、心にポッとあかりがともったような気持ちになった人も多いのではないだろうか。

 マルチな才能を存分に発揮した上白石さんだが、日本語吹き替えを担当した劇場版アニメ「トロールズ ミュージック☆パワー」の舞台あいさつでは、そのすごみを味わった。劇中では、ポジティブなヒロイン・ポピーに命を吹き込み、歌声もたっぷりと披露した上白石さん。完成披露イベントでは生歌を響かせただけでなく、お笑いコンビのミキと丁々発止のやり取りをし、バラエティー力を振るった。公開記念舞台あいさつでは、ウエンツ瑛士さんのむちゃぶりを受けて、ラップバトルに参戦。戸惑いながらも、音楽がかかるや凛とした表情を見せて、キレキレのラップを実演するなど、瞬発力、歌唱力だけでなく、そのサービス精神旺盛な姿に驚いた。どんな瞬間からも一生懸命さと誠実さが伝わるのが、上白石さんの最大の魅力だろう。もちろん会場は大喜び! コロナ禍で歓声は上げられなかったが、会場の熱気はビシビシと伝わってきた。

 2021年は、「恋つづ」スタッフが再集結したラブコメディー「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」(TBS系)で火曜ドラマ枠に帰還。大河ドラマ「青天を衝(つ)け」に、“篤姫”として知られる徳川家定の正室・篤君(天璋院)役で出演することも決定している。さらに先日、21年度後期の連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」で深津絵里さん、川栄李奈さんと共にヒロイン役を務めることも発表された。息の長い女優として、これからも見る者を楽しませてくれることだろう。(成田おり枝/フリーライター)

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