ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
国内最大級のアニメイベント「AnimeJapan(アニメジャパン)2021」が3月27~30日にオンラインで開催される。アニメジャパン2020は、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた措置で中止となったため、約2年ぶりの開催となる。アニメジャパンは、人気声優が登場するステージイベントが目玉の一つになっている。開催期間中、会場には大御所から新人まで声優が集結するのだが、その中で“ミスターアニメジャパン”とも呼ばれるのが梶裕貴さんだ。梶さんにコロナ禍で開催される同イベントへの思いを聞いた。
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アニメジャパンは、2014年から開催されており、2019年は約14万6000人が来場した大型イベント。各メーカーのブースやメインステージでさまざまなイベントが開催され、人気声優が登場する。梶さんは「進撃の巨人」「七つの大罪」「僕のヒーローアカデミア」「ワールドトリガー」など数々の人気作に出演し、ミュージカルやテレビ番組にも出演するなど幅広い活躍で知られている。梶さんが“ミスターアニメジャパン”と呼ばれるようになったきっかけは、2018年のアニメジャパンのステージイベントだった。イベントでの梶さんの活躍ぶりに、共演者の平田広明さんが「ミスターアニメジャパンだね!」と発言したのだ。
梶さんのメインステージの出演歴を見ると、2017年が3回、2018年が5回、2019年が4回で、計12回だった。3年間で最多の記録で、二桁出演したのは梶さんだけだ。梶さんが人気声優であることは言わずもがなだが、数字を見ると、そのすさまじい人気に改めて驚かされる。“ミスターアニメジャパン”は、アニメジャパンの魅力をどのように感じているのだろうか?
「アニメは日本が世界に誇る文化です。アニメジャパンは、その名の通り、そんなアニメーションを盛り上げるための大きなイベントで、日本のみならず、海外の方も大勢参加されています。さまざまな作品が一堂に会する機会なので、自分が元々、興味を持っていた作品以外にもご縁がつながる場所になるわけです。まさに、アニメのお祭りですよね。本当にすてきなイベントだと思います」
メインステージだけでなく、各ブースのイベントにも出演するのだから、期間中、とんでもなく多忙なはずだ。分刻みのスケジュールになるというが、「楽しいんですよね」と笑顔で語る。
「ステージが終わって、次のステージへ移動しながら打ち合わせをしたり。こういったイベントならではのライブ感があるんですよね。みんなで作って、みんなで盛り上がるという“学園祭”のようなドタバタ感やスリルがあって(笑い)。それも含めて楽しいんです。決められた時間の中で、次々と脳を切り替えていくのも面白い。どのステージも、常に『全力で!』という気持ちです」
昨年3月に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催予定だったアニメジャパン2020は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となった。今年のアニメジャパンは当初、リアルとオンラインで開催予定だったが、緊急事態宣言の発令を受け、オンラインのみの開催となった。
「この一年、どのイベントもそうですが、コロナ禍による影響で延期や中止を余儀なくされてきました。出演者、スタッフ、ファン。関係するすべての人がつらく、やるせない気持ちでいっぱいだったはず。予測できないことが積み重なり、僕自身、とても大きなショックを受けました。今年こそは収束し、例年通りの開催ができることを願っていたのですが……。それでも、オンラインでの開催を決断してくださった事実には、誰もが勇気づけられたのではないかと思います」
昨年は、アニメジャパン以外にもさまざまな大型イベントが中止、もしくはオンラインでの開催になった。
「昨年は、あらゆる意味でオンラインの利便性を強く感じる一年でした。僕自身もYouTubeチャンネルを開設し、オンラインでの新たな挑戦をスタートさせました。とはいえ、機材や配信方法の知識などまったくない完全なる素人。お世話になっているスタッフさんや友人に教えてもらいつつ、なんとか番組作りを行ってきました。慣れるまでの試行錯誤の日々は、今思い出しても本当に大変でしたね……(笑い)。だからこそ、その道を極めたスペシャリストの方々の巧みさを再確認する機会にもなりました。まさにプロフェッショナルだな、と。改めて、自分もプロの声優として、その時にできる最善のパフォーマンスしていかなければなと感じましたね」
コロナ禍で新しい生活様式が検討、提案される中で、梶さんは「自分に何ができるだろうか?」と考えたという。
「今でこそ、スタジオさんや音響スタッフの方々の工夫と努力のおかげで、感染症対策を徹底した上でのアフレコというものが、ある程度の形になってきましたが、昨年の4~5月は、緊急事態宣言による影響で、収録作業のほぼすべてが中断。何をどうすればいいのか分からないといった不安な状況の中、誰もが必死にもがいていました。役者は、役をいただいて、そして演じる場所があって初めてできる仕事です。それが目の前から急になくなってしまった時には、本当に絶望を感じましたね。もしかしたら、芝居=エンターテインメントというものは、極端な話、なくなったとしても世の中は成り立ってしまうのかもしれない……。そんな中で『声優である自分にできることは?』と悩み続け、その結果、『自ら、ゼロから何かを生み出す必要がある』と感じ、YouTubeを始めたんです」
確かに社会に大きな壁が立ちふさがる状況では、エンターテインメントの力は微力かもしれない。でも、梶さんは、強い思いを持って、立ち上がった。
「ステイホームの時間を窮屈に感じるお子さんやその親御さん、そして、特に負担の大きいであろう医療に携わる方々が、自分の作品や活動を楽しみに、励みにしてくださっているという話を聞いて、たとえ間接的にでも、自分も何かお役に立てることがあるかもしれないと、少しずつ意識が変化していったのです。実際に、朗読やゲームプレイ動画の配信を始めてみて『つらかったけど笑えた』『我慢していた涙があふれた』といったコメントをいただけた時には、心の底から、トライしてみてよかったと感じましたね。エンタメにも間違いなく、人を癒やし、元気にする力があるのだと確信しました。さらに言えば、自分の声優としての存在意義、プロ意識を改めて考え、見つめ直す機会にもなりました」
アニメジャパン2021もいろいろな人に勇気を与えるイベントになるはずだ。
「コロナ禍による苦しい状況から、なかなか抜け出せない今。でも同時に、だからこその“人間の不屈の精神”のようなものを強く感じています。これまでのイベントは、開催地への移動にかかる時間、費用の問題や抽選による人数制限などで、参加する上でのハードルが高い部分もあったかもしれません。ですがオンラインでは、そういった制約を気にすることなく、安心、安全に、それぞれのスタイルでステージをご覧いただくことができます。むしろ、楽しみの幅が広がったと言えるかもしれませんし、より多くの方にご覧いただけるのは、僕らとしても大きな喜びに違いありません。同じ空間、時間を共有する“リアルイベント”を開催できる日が、またいつか必ずくると信じて、今できる最大限のエンタメを、ぜひ一緒に楽しみましょう!」
リアルイベントが開催されないのは正直寂しい……と感じる人もいるかもしれない。しかし、梶さんの言葉の通り、楽しみの幅が広がったところもある。“ミスターアニメジャパン”の熱量は、きっと画面からでも伝わるはず。ステージで輝く梶さんの活躍をぜひ見てほしい。
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