緒方恵美:「エヴァンゲリオン」への感謝 長く寄り添い「近い存在」に

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の一場面(C)カラー
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「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の一場面(C)カラー

 アニメ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの最新作にして完結編となる「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(庵野秀明総監督)が3月8日に公開された。1995~96年にテレビシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」が放送され、その後、劇場版が公開。「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は、2007年から公開されている「新劇場版」シリーズの完結編となった。テレビシリーズから25年以上、主人公・碇シンジを演じているのが緒方恵美さんだ。社会現象にもなった「エヴァンゲリオン」、シンジは緒方さんにとってどんな存在になっているのだろうか? 緒方さんに聞いた。

 ◇ありがとうエヴァンゲリオン

 昨年10月4日、「エヴァンゲリオン」誕生(テレビシリーズ放送開始)から25周年を迎えた際、公式SNSなどで庵野総監督らスタッフ、緒方さんら声優陣がメッセージを寄せたことがあった。緒方さんが「ありがとうエヴァンゲリオン。最後まで。どうか」とつづっていたのが印象的だった。

 「いろいろな経験をさせていただいた感謝と、最後までよろしくね的な意味で書きました(笑い)。『エヴァンゲリオン』に限らず、演じさせていただくキャラクターは全て私の一部ではありますが、その中でも現在進行形で長く続いてきた作品ですので、ひとしおと言いますか、自分の一部として生きています。自分の中にないものはできないですし、自分が持っているもので芝居をしていて、最初からそこは変わりません。長く寄り添っているので、より近い存在です。本当にありがたいことです」

 25年は長い。テレビシリーズをリアルタイムで見ていた子供も大人になった。緒方さんは25年にわたって「エヴァンゲリオン」に関わり続ける中で、さまざまな思いがあった。

 「テレビシリーズとその劇場版で一つの区切りが付いていました。その後は、当時の時代背景から生まれた派生作品で、キャラクターを壊さないとできないこともありました。あの時代は今とはまた違った大変さが……。それもあって『新劇場版』シリーズが発表された時も、キャストが変わることもあるので、あまり考えないようにしていました。オファーをいただき、また演じさせていただくことになり、最初の台本が届いた時、これが本物だ!庵野さんだ!と」

 ◇丁寧に長い期間かけた収録

 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」では、プロットの段階で緒方さんの意見を求められることもあった。

 「監督から、壮絶な体験を経て言葉が発せない状態になってしまったシンジが復活する時、『何がきっかけで戻ると思うのか?』と聞かれました。それは監督が思う通りにやっていただくのが正しいので……とお話ししたのですが、監督から『自分は14歳のシンジの気持ちよりゲンドウに近くなってしまった。14歳のシンジの気持ちで考えられるのは、君と(総監督助手の)轟木(一騎)だけだ』と言われ、おこがましくも、自分が思うことを、少し、お話しさせていただきました」

 収録に関しては「『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、『:破』、『:Q』の3作もほかのアニメとは違ったのですが『シン・エヴァンゲリオン劇場版』はさらに特殊で、長い期間をかけていたので、もはや最初の方の記憶がないんです」と丁寧に行われたと語る。「これで終わった」と感じる瞬間もなかったという。

 「『エヴァンゲリオン』は油断がならない作品で、終わったと思ったら、リテークが入ることもあり、いつあるのか?と構えていたから(笑い)。本当の意味で一区切りと思ったのが、初号試写の時です。ただそれも一区切りということであって、本上映の間にもまだ何かあるかもしれないし(笑い)。打ち上げができれば、終わったと感じるかもしれませんが、このご時世なので、できそうもないのが、本当に本当に、残念です」

 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が公開されると、SNSは絶賛の声であふれた。

 「ありがとうございます。ただ、皆さんがネタバレを守ってくれているので、反響があんまり分からないんです。詳しい感想がどこからも聞こえてこなくて(笑い)。関係者の方から『観(み)た!』『よかった!』と連絡をいただけるんですけど、『あと2、3回観てから詳しく話したい!』と言ってくれていたりしていて(笑い)」

 確かにネタバレなしで、同作への思いを語るのは難しい。ただ、「ありがとう、『エヴァンゲリオン』」と感じたファンも多いはず。見る度に発見があるのも「エヴァンゲリオン」の魅力だ。緒方さんの言葉を胸に刻み、何度も見てみたい。 

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