シリーズ累計6600万本以上を販売した人気ゲームが原作のハリウッド実写映画「モンスターハンター」(ポール・W・S・アンダーソン監督)で、ハリウッドデビューを果たした山崎紘菜さん。出演発表から2年の時を経て、ようやく映画は日本でも公開された。2011年に開催された第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞し、芸能界入りしてから、ちょうど10年が経過したが、「年数は数字でしかないので」といい、「作品ごとにそれぞれが節目で、日々の感謝は忘れず、気付いたら何十年やっていましたっていうのが理想なのかな」と明かす山崎さんに話を聞いた。
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映画は、「バイオハザード」シリーズのミラ・ジョボビッチさん主演。ジョボビッチさん扮(ふん)する主人公・アルテミスと共闘し、モンスターに挑むハンター役でトニー・ジャーさんも出演している。山崎さんはゲームの定番キャラクターとして知られる受付嬢役で、劇中ではアルテミスらと強大なモンスターに挑むシーンもある。
撮影は2018年。新型コロナウイルスの影響で当初の予定から約半年遅れでの日本公開に、山崎さんは「私にとっても待ちに待った公開で、やっと日本のファンの皆様にもお届けできるっていうのが、うれしいです」と安堵(あんど)する。
山崎さん自身は完成した映画の字幕版と日本語吹き替え版、MX4D版とそれぞれを観賞。「本当にモンスターのいる世界に自分が迷いこんでしまったかのような、リアリティーがある作品。撮影をしているときも、モンスターがどう見えるのか、想像はしていましたが、完成したものを見たときには、それを上回る恐怖やスリルを味わうことができて、単純に心拍数が上がりました」と声を弾ませる。
また「完成した映画を見て、一番感慨深かったのは、(エンドロールに)自分の名前があったこと」。「『ハリウッドデビュー』をうたっていただいていますけど、本当に実感はなくて。でも、自分の名前を見て『本当にこの作品の一部になれたんだ』という喜びが湧き上がってきました。あとミラをはじめ、キャストやスタッフの方々の名前を見ると、一人一人の顔が浮かんで、またみんなに会いたい気持ちになりましたし、自分にとって宝物のような日々だったんだなって実感しました」と話した。
撮影ではワイヤアクションを初めて挑戦した。「求められるクオリティーはトップレベルで、スタントの方々はすごくていねいに指導してくださったのですが、常にクオリティーのフィジカル要素を求められました。それこそミラが簡単にやってのけてしまうイメージなのですが、その裏には努力があって、日々の鍛錬のたまものなんだなってことも実感しました」と明かした。
さらに「ワイヤアクションはトニーと一緒のシーンが多かったのですが、タイミングを含めて何回もテークを重ねて、OKが出たときは毎回、握手やハグで『やったね!』という気持ちを伝えてくれて、それがとてもうれしかったです」としみじみと思い返すと、「一緒に映像を作っている仲間として認めてくれているんだなっていう、その一回一回が本当にうれしかったです」と笑顔を見せた。
劇中では、ゲーム「モンスターハンター:ワールド」に登場する受付嬢のコスチュームをモデルにした衣装を着用。「再現性が本当に高くて、ミリ単位で丈を詰めたりとか、世界で1着だけの私だけのコスチュームなので、着られることがすごくうれしかったですし、他のキャストの方々よりも小道具が多くて、そのスペシャルな感じからも、衣装スタッフさんの愛情を感じました」と振り返る。
ハリウッドらしいスケール感のある映画にはなっているが、「アンダーソン監督がおっしゃっていたのですが、世界が分断されてしまっている状況の中、異なる種族の人々が助け合うことが大事という、今に通じるメッセージもあるので、見てくださった方に届くといいなって思います」と願いを込めた。
改めて「この作品で世界の方々とお仕事させていただいた経験は、自分の自信にもつながりましたし、ちょっと弱気になったときに、『私はあのミラ・ジョボビッチと一緒に映画を撮影したんだ』『アンダーソン監督に撮っていただいたんだ』と思い返すことで前に進む力にもなります。だからこそ自分を磨き続けなければいけないというプレッシャーにもなりますけど、得難い経験をさせていただいたなって思っています」と語る山崎さん。
キャリア10年も「ここまで続けさせていただけていることは、すごくラッキーなことだとは感じていますし、感謝ももちろんあります。だからといって自分のスタンスは変わらないですし、皆さんの心を動かせることを一番に心がけて、一つ一つのお仕事に向き合っていきたい」と力を込める。
女優としては「今回、世界レベルのアクションに触れさせていただいてすごく刺激を受けましたので、自分もアクションは今後も挑戦し続けていきたいと思っています」と目を輝かせていた。
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