楠木ともり:自分を見つけるために アーティスト活動への思い こだわり抜いた新作「Forced Shutdown」

4月28日に2枚目のEP「Forced Shutdown」を発売する楠木ともりさん
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4月28日に2枚目のEP「Forced Shutdown」を発売する楠木ともりさん

 声優でシンガー・ソングライターの楠木ともりさんの2枚目のEP「Forced Shutdown」が4月28日に発売される。“歌手”ではなく“シンガー・ソングライター”なのは、自ら作詞作曲を手がけるからで、新作では自ら収録曲全てを手がけた。音楽という表現を「自分を見つけるために曲を書いている」と考えている楠木さん。こだわり抜いた新作、アーティスト活動について聞いた。

 ◇全てに携わりたい マスタリングまで参加  

 楠木さんは、1999年12月22日生まれの21歳。声優として「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の優木せつ菜役や「魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~」のミーシャ・ネクロン役、「ワンダーエッグ・プライオリティ」の青沼ねいる役などで活躍する。2020年に発売された1枚目のEP「ハミダシモノ」でも全4曲の作詞、カップリング3曲の作曲を手がけた。

 「Forced Shutdown」は、タイトル曲を含めてさまざまな楽曲が収録されている。一見、バラバラのようで、一貫しているようにも感じる。「自由に、やりたいことを表現したかったんです」と思いを込めた。

 「1枚目のEPは、楠木ともりを知ってもらうというコンセプトで幅広い楽曲を収録しました。こんな人なのかな?というものが、いい意味で壊れたり、更新されるといいなと思っていました。2枚目は、そこをさらに広げたくて、前作以上に制作に携わらせていただきました。曲がバラバラのようですが、1~4曲を通して聴いていただくと、展開があって、一本の映画のように物語がつながっているんです。一人の人物を、順を追って見ているようでもあります」

 作詞作曲だけでなく、アレンジやミュージックビデオ(MV)について積極的に提案した。さらに、楽器のレコーディング、マスタリングまで参加したというから驚きだ。

 「マスタリングまで参加するのは珍しい……と言われました(笑)。メジャーデビュー前の楽曲もあり、思い入れが強いので、ちゃんとこだわったものを自信を持って届けたかったんです。全てに携わりたいと思っていました。こうしたい!という欲がどんどん強くなって」

 そのこだわりは細部にまでわたる。「どうしたら自分がやりたい音の質感になるか?」を考え、アレンジャーにイメージを伝え、楽器編成などについて相談しながら、曲を作った。例えば「sketchbook」は「空気感を大事にしたかったので、もしMVを作るなら……と視覚的なイメージをお伝えしました」と曲によって制作方法はバラバラだった。「どれも自分の想像を超える楽曲に仕上げていただき、本当に幸せ!」と自信を見せる。

 ◇抱えているものに向き合う

 楠木さんは、3歳でピアノを始めた。高校生の時は軽音楽でバンドのボーカルとして活動していたが、「作曲の勉強をちゃんとしたことがない」という。試行錯誤しながら、その才能を開花させていった。

 「歌詞から書き始めることが多いですね。歌詞を書き、鼻歌で歌いながら作曲しています。リラックスして、ベッドで横になって、スマホでボイスメモを録(と)ったり。『Forced Shutdown』は、ほかの曲とちょっと違って、作ろうと思ってできた曲ではなく、書きためていたメモを曲としてまとめました」

 楠木さんが生み出す楽曲は、言葉の強さも魅力だ。楽曲を通して、赤裸々に心境を吐露することもある。

 「自分が好きなのは、明るすぎる曲よりも、感情があらわになっている曲が多い。明るすぎる曲は、まぶしすぎて、距離を感じてしまい……。頑張りましょう!と言われるよりも、つらいよね……と言われる曲が好き。共感できる曲を自分でも歌いたいんです。幸せな時よりも、失敗したり、思うことがある時の方が筆が乗ります。ただ暗いのではなく、抱えているものに向き合い、小さな一歩でも踏み出せる。そんな前向きになる曲を作りたいですね」

 ◇声優、アーティスト活動の互いに影響が

 曲を生み出す原動力はどこから生まれているのだろうか? 楠木さんは曲を作ることで「自分の気持ちを整理」しようとしているという。

 「元々、思っていることや考えを自分の中で煮詰めていくタイプなんです。どこかでそれを出さないと、壊れちゃう。モヤモヤしていることや苦しいことがあって、日々過ごしていると、いろいろなことが分からなくなったり。でも、頭を整理すると、どうしようもないと思っていたことでも、解決策が見つかることがあります。自分を見つけるために曲を書いているので、発見もたくさんあります。それに、お世話になった方、大好きな方に恩返しをしたいという思いもあります。誰かに何かを伝えたい!という思いがいっぱいあるんです」

 「小さい頃から表現が発散する方法だったんです。自分と向き合うことが表現することでした。小さい頃、親とけんかをしたら、絵を描いたりしていました。落ち着くんですよね」とも話す楠木さん。声優、シンガー・ソングライターは天職なのかもしれない。

 声優として、シンガー・ソングライターの活動から刺激を受けることもあり、また、その逆もある。

 「声優として活動している時は、キャラクターになって演技をします。他人になる感覚なんです。そうすると、自分が普段考えないことも自然に入ってきます。こんな感情があるんだ……と役に向き合っていくうちに発見があります。アーティスト活動で、いろいろな感情を整理して、また役に向き合うことができるんです。普段演じているからできる歌のニュアンスもあります。声優、歌手の両方にいい影響を与えています」

 楠木さんはまだ21歳。これからどんなアーティストになっていくのだろうか?

 「今はまだ次のビジョンを立てられていないのですが、声優、アーティスト活動の互いにいい影響を受けつつ、よりよいものを作ることが目標です。今は、自分が考えていることを曲にしていますが、違う方法もやってみたいです。先日、ラジオで土岐麻子さんとご一緒させていただいた時、自分ではない人物像を曲にする……というお話をしていただきました。挑戦してみたいですね。自分ではない人物について歌っても、自分らしさが出てくるかもしれませんし。それに、曲も増えてきましたし、ライブをやりたいです!」

 あくなき探究心で突き進む楠木さん。今後のさらなる活躍も期待される。

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