佐藤健:完結は「俳優人生の大きな区切り」 映画「るろうに剣心」シリーズへの思い語る アクションへのこだわりも…

映画「るろうに剣心」シリーズの最終章「るろうに剣心 最終章 The Final」で主人公の緋村剣心を演じた佐藤健さん(C)和月伸宏/集英社(C)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会
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映画「るろうに剣心」シリーズの最終章「るろうに剣心 最終章 The Final」で主人公の緋村剣心を演じた佐藤健さん(C)和月伸宏/集英社(C)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

 数々の話題作で主演を務めるなど活躍を続ける俳優の佐藤健さん。その代表作のひとつが映画「るろうに剣心」(大友啓史監督)シリーズで、佐藤さんが演じるのは人斬りという過去を抱えつつ新時代のために剣を振るう主人公の緋村剣心。佐藤さんは、剣心という役について「今の自分がここに立っているのはこの役と出会ったから。この出会いがなかったら、僕は今、ここに立っていない」としみじみと語る。佐藤さんに剣心役への思いや、公開中の映画「るろうに剣心 最終章 The Final」のアクション秘話などを聞いた。

 ◇余分をそぎ落としたアクション 今回が「一番いい」と自信

 映画の原作は、幕末に人斬り抜刀斎として恐れられた剣心が明治維新後、不殺(ころさず)を誓った流浪人(るろうに)として新たな時代の生き方を模索していく姿を描いた和月伸宏さんの人気マンガ。1994~1999年にマンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、テレビアニメ化もされた。実写映画はこれまで「るろうに剣心」「るろうに剣心 京都大火編」「るろうに剣心 伝説の最期編」の3作が公開されている。最終章は、剣心の“十字傷の謎”に迫る物語と、中国大陸の裏社会を牛耳る謎の武器商人で“シリーズ最恐の敵”雪代縁(新田真剣佑さん)との戦いを、動乱の幕末期と明治維新後の新時代の二つの時代を通して描く。シリーズ最後の作品となる「最終章 The Beginning」は6月4日に公開予定。

 「るろうに剣心」シリーズで、これまでもダイナミックで迫力あるアクションをこなしてきた佐藤さん。「The Final」でも目を奪われるアクションは健在で、佐藤さんも「過去の作品と比べても、今回のアクションが一番いいものである自信はあります」と手ごたえをみせる。

 アクションへの自信は、佐藤さんはじめ俳優陣の成長はもちろん、シリーズとして蓄積があったことが大きいという。「過去のデータがある分、『何をして、何を省くべきか』という取捨選択がクリアになってきた。だらだらアクションをするのはすごく危ないと思っていたんです。アクションシーンは一歩間違えると、お客さんを“待たせる”時間になりかねない。それは絶対に避けたかったんです。待たせることが最大の罪だと思っているので」と佐藤さん。

 密度の濃いアクションを見れば、観客も前のめりになる。今作ではそこを目指し、余分と思われる要素をそぎ落としていった。「(アクションシーンには)“待ちの時間”じゃない瞬間もあるんですよね。その瞬間だけを濃縮したいと思ったんです。そのために『この動きはぬるくなるからカットしましょう』『これはやりましょう』と詰めていった結果、いいものだけが濃縮できたと思っています」と佐藤さんはほほ笑み、「そこに関しては、ひとつの満足感があります」と語る。

 今作では、大多数を相手にした殺陣も披露する。四方八方の敵と戦うアクションは、1対1のときとは「体の疲労感が全然違う」と佐藤さん。「360度を意識しているだけで、筋肉の疲れ方がまったく違った。肉体的に大変だったのはそのシーンですね。体が、どこかでずっと緊張していたんだろうと思います。(1対1と)運動量がそれほど違うわけではないはずなのに、疲労感が全然違いました」と明かす。

 一方、新田さん演じる雪代縁との1対1の戦いのシーンで大切にしたことは、肉体的なアクションよりも感情的な部分だったという。「剣心と縁のシーンは、アクションよりもエモーションが絶対に大切だと思っていました。エモーションを、どうアクションに乗せるか。縁に対して、剣心はどのように存在するのか、どのように向き合って、どんな言葉をかけて、どう振る舞うのか、そこをずっと悩んでいました。現場でも、撮影ぎりぎりまで考え、悩みながら演じていましたね」と佐藤さんは振り返る。

 ◇剣心は大きな存在 「今ここに立っているのは、この役と出会ったから」 

 実写映画「るろうに剣心」シリーズの1作目は2012年8月25日に公開。撮影期間を含めると約10年を剣心と共に歩んできた。改めて、剣心という役を終える今の心境を聞くと、「非常に大きな充実感、満足感と達成感を感じています」とほほ笑む佐藤さん。完結には当然、寂しさもあるが、「一番は満足感、かな。自分がやりたかったことを形としてできたことへの満足感ですね」と晴れやかな表情をみせる。

 佐藤さんにとって、20代を共に走ってきた剣心とはどのような存在なのか。改めてそう聞いてみると、「僕にとって、今の自分がここに立っているのは、この役と出会ったから。この出会いがなかったら、僕は今、ここに立っていない、全然違った場所にいると思うので、大きな存在です」としみじみと語る佐藤さん。そして、最終章が公開された後には「自分の俳優人生にとって、大きな区切りが来るなと思っています」と予想する。

 「1作目で剣心を演じたことで、いろんな作品で主演や大きい役のオファーがもらえるようになったので、あの出会いがひとつの始まりだったと思うんです。今回の『The Final』と『The Beginning』の公開が終わることは、あのときと同じぐらいの大きな区切りだと思っていて……。『The Final』『The Beginning』前の自分の仕事の質と、それ以降の仕事の質、働き方の質は、まったく違ったものにしていきたいです。『ひとつの章の終わりであり、新たな章の幕開け』という位置に、この映画があると思っています」

 最終章の終わりは、佐藤さんにとって新章スタートの号砲でもある。「20代はこの『るろうに剣心』という作品を背負って、剣心と共に歩んできたけど、30代はそうじゃない走り方をして、次の、さらに上のステージで仕事をしていけたらいいなと思っています」と前を見据える佐藤さん。最後に「るろうに剣心」シリーズ、そして「最終章」について、「区切りという意味でも、ものすごく大きな作品で、僕にとってとても特別な作品。『特別だ』という思いを、過去に『るろうに剣心』シリーズを見てくれた人や、自分に少しでも興味を持って応援してくれてきた人たちと、この『特別だ』という思いを今回の『最終章』を通じて共有できたらうれしいですね」と改めて強い思いを語ってくれた。

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