水瀬いのり:劇場版「ダーウィンが来た!」で“寄り添う”ナレーション 動物にロックオンされがち?

「驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」でナレーションを務める水瀬いのりさん
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「驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」でナレーションを務める水瀬いのりさん

 NHKの人気自然番組「ダーウィンが来た!」(NHK総合、日曜午後7時半)の劇場版第3弾「驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」(田所勇樹監督)が、6月11日に公開される。同作のナレーションを務めるのが、「ダーウィンが来た!」の次回予告アニメ「マヌ~ルのゆうべ」でツノゼミのツノミンを演じる声優の水瀬いのりさんだ。水瀬さんは、動物たちのリアルに「寄り添う」ナレーションを心がけたといい、収録を終えて「すごく自信につながるお仕事になりました」と感じたという。「ダーウィンが来た!」への思いやナレーションのこだわりについて聞いた。

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 ◇「ダーウィンが来た!」で動物たちがつないでくれたもの

 「ダーウィンが来た!」は、最新の撮影機材を活用して世界中の生きものたちに密着し、驚きと感動の物語を紹介する番組。劇場版第3弾の舞台は「海」で、番組取材班がこれまで撮影してきた約200本にも及ぶ映像素材を厳選し、NHKエンタープライズが独自開発した高画質化処理を施した。水瀬さんと共に、タレントで東京海洋大学名誉博士のさかなクンもナレーターとして参加する。

 水瀬さんは、アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」のレム役、「ご注文はうさぎですか?」のチノ役などで知られる声優で、2018年から「ダーウィンが来た!」の次回予告アニメ「マヌ~ルのゆうべ」に出演している。「マヌ~ルのゆうべ」に出演するようになり、「私が普段活動している場所とは、また違った世界の皆さんに自分の声が届けられている」と感じているという。

 「周囲の方々から『日曜の夜にNHK大河ドラマを見る前に家族で見ています』『子供がツノミンを大好きなんです』という声をいただくことが増えました。それは動物たちがつないでくれたことというか、リアルな世界を描いている番組だからこそ、皆さんの日曜のお茶の間にお邪魔しているような気持ちになれます」

 ◇全編が挑戦 読み聞かせのように言葉を大事に

 劇場版では、生き物たちの生態を伝えるナレーションに初めて挑戦することになった。水瀬さんは、生き物たちに「寄り添う」ナレーションを意識した。

 「ほかのテレビ番組のナレーションもそうですけど、目立ちすぎもよくないし、かといって聞き流されてしまうのもよくない。ナレーションは、番組を構成する上ですごく大きな存在で、難しいポジションだと思います。劇場版では、人間の視点で生き物たちに寄り添う声って、どんなふうにアプローチしたらいいのかなと、すごくドキドキしながら本番を迎えました」

 劇中には、約60種もの生き物たちが登場し、求愛や子育てなどそれぞれのドラマが紹介される。

 「それぞれのチャプターでどんどん主人公が変わっていくので、次は明るく、次は厳しくと、それぞれ感情を切り替えてメリハリを大事にしました。映像を見ていて、ウミガメの産卵シーンで命の尊さを学んだり、動物たちのドラマに感情を揺さぶられる部分が大きかったので、私自身の感動をナレーションでも伝えられたらいいなと。お子さんと一緒に家族で劇場版を見る方も多いと思うので、読み聞かせのような気持ちで、言葉を一つ一つ大事に読むことをすごく意識しました」

 生き物たちに寄り添い、自身の感動も声に乗せる。劇場版のナレーションは「全編挑戦だった」と振り返る。

 「自分の声質がマッチするのか、すごく不安でもあったんです。だから、収録を終えてスタッフの方から『よかったです』というお声をいただけた時は本当に安心して、すごくうれしかったです。リアルな生き物たちの姿に寄り添えたことが、すごく自信につながりました」

 ◇水瀬いのりが語るクラゲ愛 動物にはなめられがち?

 劇場版で生き物たちのドラマに心を揺さぶられたという水瀬さんは、幼いころから動物が大好きという。「声のお仕事でお世話になっているスタジオに生後6カ月ぐらいのワンちゃんがいるんですけど、乳歯が抜けるのを勝手に親気分で見守ったり。空き時間はいつも一緒に駆け回って遊んでいます」と笑顔を見せる。

 劇場版の舞台となる「海」の生き物の中では、「クラゲが大好き」という。

 「クラゲの全てが好きです。漢字で書くと『海月』というのもロマンチックだし、英語にしても『ジェリーフィッシュ』ってめちゃくちゃ可愛いじゃないですか。水族館にクラゲを見に行くこともあるんですけど、ライティングを変えればその色を透過して何色にもなれる。それでみんなからキレイと言われても、本人はそれすら気にしていないんだろうなと想像したり(笑い)。生態が謎に包まれているところも魅力的です」

 ただ、子供時代の動物とのエピソードを振り返ると、「動物に懐かれるタイプではなくて、結構なめられちゃう」と感じているという。

 「動物園に行っても、放し飼いされているヤギにスカートをめちゃくちゃ食べられたり、小学校の時にカラスに帽子をとられて巣作りに使われたり、夏はセミにボディーアタックを食らったり。私が緊張しているのが動物に伝わってしまうのか、結構ロックオンされがちですね(笑い)」

 水瀬さんが生き物たちへの愛をもって臨んだ「驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」のナレーション。水瀬さんが「誰しもが見終わった後に優しい気持ちになれる」というように、さまざまな感情を揺さぶられるはずだ。

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