秋田汐梨:“クセ強”役が続いた次世代ヒロイン 初舞台で「等身大」に挑戦!

東京芸術劇場で上演中の舞台「目頭を押さえた」に出演している秋田汐梨さん
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東京芸術劇場で上演中の舞台「目頭を押さえた」に出演している秋田汐梨さん

 東京芸術劇場(東京都豊島区)で6月4日から上演の「目頭を押さえた」で初舞台を踏んだ秋田汐梨さん。秋田さんといえば、ファッション雑誌「nicola(ニコラ)」(新潮社)を経て、現在は女子中高生に絶大な人気を誇る「Seventeen(セブンティーン)」(集英社)の専属モデルを務め、女優としても活躍する期待の次世代ヒロインの一人だ。今回の舞台では、アイドルグループ「乃木坂46」の筒井あやめさんとダブル主演を務め、「等身大の女子高生」役に挑戦した。「今まで少し変わった役を演じさせていただくことが多かったのですが、今回はどこにでもいるような等身大の女の子。いつも以上に共感はできるけど、クセがないので逆に難しいんだって思いましたし、舞台でお芝居をするのも初めてなので、自分にとって大きな挑戦でした」と明かす秋田さんに話を聞いた。

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 ◇舞台上の芝居 身振り手振り「いつもの倍の倍の倍はやらないと」

 秋田さんは2003年3月19日生まれ、京都府出身の18歳。2019年放送の話題のドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)の生徒役を経て、同年公開の映画「惡の華」で、主人公が片思いするクラスのマドンナを演じると、女優としてにわかに注目を集めるようになる。2020年は、山田裕貴さん主演のドラマ「ホームルーム」(MBSほか)で、山田さんから“狂愛”されるヒロイン、ABEMAのオリジナルドラマ「17.3 about a sex」で、メインキャストの一人となる、経験豊富で早熟な女子高生を演じた。

 今年3月からAmazon Prime Videoで独占配信されたドラマ「賭ケグルイ双(ツイン)」にも、家畜同然の扱いを受ける“ミケ”の花手毬つづら役で出演。振り返ってみると、確かにクセが強めの役どころを演じてきた印象が強い。「『惡の華』でも『ホームルーム』でも原作を読んで、自分の中である程度、役のイメージを作ってから作品に入るのですが……。それでも役の子のことは完全には理解できない。でも、その子自身も、どうして自分がそういう行動をとってしまうのか、たぶん分かっていないと思うので、私が演じる意味はあったのかなと思います」と分析する。

 初舞台「パルコ・プロデュース『目頭を押さえた』」で演じる修子は高校3年生という設定で、秋田さんによると「ファッションや写真を撮られるのが好きな、等身大の女の子」。「周りと自分とを比べて、将来について悩んだり、焦ったりと、自分もまさにそういう状況に直面した経験があったので、いろいろな人に共感してもらえるような女の子なのかなと思います」と推し量る。

 その上で「舞台は映像作品でのお芝居とは少し違って、会場全体のお客さんに伝わるよう、声や動きをいつも以上に大きく表現することが多くて。修子はとにかく明るくて、身振り手振りもいつもの倍の倍の倍はやらないといけない(笑い)。感情の高低差も結構あって、テンションが高かったり、悩んだり、焦ったりをうまく演じることができたらいいな」と思いを語った。

 ◇集中力発揮? 演じていて「自分を忘れる瞬間があるというのも楽しい」

 改めて映像作品と舞台との違いについて、「舞台では目の前にお客さんがいて、客席の一番後ろまで声や表情を届けないといけない。ドラマや映画では音はマイクで拾ってもらえるし、表情も寄りで撮ってもらえるので、そこがまず大きな違いだと思います」と印象を明かす秋田さん。

 さらに「舞台に触れる機会が今までなかったので、難しいというイメージがありました。でも、徐々にみんなで一つのものを作り上げていく楽しさが舞台にはあって、最初は個々で持っていた作品や役へのイメージが、みんなでそれぞれの役について話し合ったり、けいこで何度もせりふを交わしていく中で、共通認識を持てるようになる。その変化みたいなものを体感できるのが楽しいです」と充実感をにじませる。

 繰り返しのけいこの中で、「『この子はいま何を思ってこのせりふを口にしたのか』とか、じっくりと役について考えるという経験もしっかりとできました」と手応えを示すと、「この先も演技は続けていきたいですし、演じていて、自分を忘れる瞬間があるというのも楽しいです。さっきどんな感じだったのか、思い返そうとしても、本番中の記憶がなかったりして。そのくらい集中してやれるものがこれまで私にはなかったので、やっぱり演技って楽しいんだなって」としみじみと語る。

 「ほんの少しではありますが、自分のお芝居に納得できるシーンが以前よりも増えて、少しずつ成長できているという思いもあるので、舞台、映像にこだわらず、今後も作品を積み上げていけたらなって思っています」と意欲をのぞかせていた。

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