超速パラヒーロー ガンディーン:作品支える2人のスーツアクター 求められる繊細さ、“表情”にもこだわり

NHKの特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」を支えるスーツアクターの稲庭渉さん(左)と大久保洸成さん
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NHKの特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」を支えるスーツアクターの稲庭渉さん(左)と大久保洸成さん

 「仮面ライダージオウ」などで知られる奥野壮さん主演で6月26日にスタートしたNHKの特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」が話題だ。初回からツイッターのトレンドで「#ガンディーン」が1位を獲得。ヒーローや怪獣の造形からカメラアングルに至るまで、「期待以上の出来」とファンをうならせている。そんな作品を、奥野さんらキャスト陣や辻本貴則監督ら撮影スタッフと共に支えているのが、2人のスーツアクターだ。正義のヒーロー「ガンディーン」役の稲庭渉さん、地球侵略の先兵怪獣「ラゲルト」役の大久保洸成さんに撮影に参加しての感想やスーツアクターとしてのこだわりを聞いた。

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 「超速パラヒーロー ガンディーン」のテーマは「パラスポーツ×スーパーヒーロー」。大きな夢を持ち、パラ陸上の練習に打ち込む17歳の高校生・森宮大志(奥野さん)が仲間が作るサポート・ギアを駆使して侵略者から地球を守る……という内容で、正義のヒーロー「ガンディーン」は、空から落ちてきたイケメン宇宙人「グー」から授かったパワーにより、大志が特殊なプロテクターをまとって変身した姿となる。

 稲庭さんは車いすに乗った全く新しいスーパーヒーロー「ガンディーン」を“演じる”にあたって、「パラ陸上や車いすバスケ、車いすラグビーの映像を見たり、選手のインタビューを読んで、自分の中に落とし込む作業から始めた」という。

 「脚を動かせないというのはこれまでの作品とは全く違う感覚。体の重心をとるのに、どうしても脚を使ってしまうので、まずはそこが難しかったです。車いすに乗ったヒーローをどう表現したらいいのか、手探りというか、模索しながらで、最初は『大丈夫かな』という一抹の不安もありました」と振り返る。

 こだわったのは“表情”だ。演技中は当然、スーツに覆われて顔が出てない状態。だからこそ、体の動き一つで表情(または心理状態)を伝えなくてはならない。スーツアクターとして腕の見せどころの一つとも言える。

 稲庭さんも「どれだけ体を使って喜怒哀楽を表現できるか。体全体はもちろん、指先の動き一つで、少しでも細かい表情ができたら」と話すように、アクションシーンのダイナミックさに加え、繊細さも求められる。

 その上で、「『ガンディーン』って意外にいろいろなものを出すんですね。胸のデザインが左右対称じゃないのも特徴で、僕は右胸の赤い部分にパワーを宿しているというイメージを持っている。なるべく右側から力を出すような動きを取り入れているつもりなので、そういった細かい動きも見てもらえたら」とアピールした。

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 作品から「生きる強さみたいなものを感じました」と話すのが、「ラゲルト」役の大久保さんだ。演じる「ラゲルト」は身長12メートルで、初回から羽を広げて飛ぶ姿や四足歩行する姿が描かれるなど、形態が変わるのも特徴。なお、大久保さんによると「ラゲルト」の“着ぐるみ”は「軽くて、快適。視界もクリア」だとか。

 怪獣役は今回の「ラゲルト」が初めて。「自分にとっても挑戦でした」と話す大久保さんは、「演じていて一番、面白かったのは四足歩行です。すごくトカゲっぽくて、しっぽをクネクネするような動きであったり、気持ち悪さを表現できたらなって思いました」と振り返る。

 スーツアクターとしての“こだわり”は稲庭さんと同様「角度や向きを少し変えただけでも微妙に変わる表情」で、「キャラクターのイメージを崩さないよう、例えばヒーローを演じるときは、変身前と変身後で(イメージが)変わらないよう、動きをトレースすること」も心がけている。

 また「小さいころからヒーローに憧れてこの世界に入った」という大久保さんは、撮影現場を「自分にとってのステージ、命を感じる場所」と位置づけ、スーツアクターとして「真剣に生きる様を表現したり、楽しんでやっていることが見ている人たちに伝われば」という思いを抱く。

 一方「ガンディーン」役の稲庭さんは、「僕らに声を届けてくれる人がいるから、頑張れるっていうのはある」とし、「僕らの戦っている姿を見て、子供たちが『かっこいい』『僕もなりたい』と思ってくれるのもすごくうれしいんですけど、ぜひ『ガンディーン』を見ながら『頑張れ!』って声に出して応援してほしいです」と語っていた。

 ドラマは全3回。第2話は7月3日午後6時5分、第3話は7月10日午後6時5分にNHK総合で放送される。

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