関水渚:縁深い野球でドラマ初主演 「全部がまだまだ」も成長誓う

「八月は夜のバッティングセンターで。」でドラマ初主演を飾る関水渚さん
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「八月は夜のバッティングセンターで。」でドラマ初主演を飾る関水渚さん

 2019年に安藤ゆきさんの同名マンガを実写化した映画「町田くんの世界」(石井裕也監督)で女優デビューを果たした関水渚さん。今年1月期にテレビ東京で放送された連続ドラマ「アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」(テレビ東京系)の演技も話題となったが、7月7日スタートの「八月は夜のバッティングセンターで。」(テレビ東京ほか)では、ついにドラマ初主演を飾る。本作や野球、女優業について関水さんに語ってもらった。

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 ◇プレッシャーはステーキで払いのける? 制服姿「高校生に見えるように」

 ドラマは、関水さんと俳優の仲村トオルさんのダブル主演。2019年にテレビアニメ化もされた、青春×女子高生×高校野球がテーマのスマートフォン向けゲーム「八月のシンデレラナイン」(アカツキ)が原案。バッティングセンターで、夏休みにアルバイトをすることになった17歳の高校生と、「バットのスイングだけで、その人がどんな悩みを抱えているかわかる」と豪語する47歳の謎の元プロ野球選手の男性が、バッティングセンターに現れる悩める女性たちを、「野球論」で例えた独自の「人生論」で解決へと導いていく……。

 高校時代、野球部のマネジャーを経験し、スコアブックもつけられるという関水さん。初主演ドラマは縁深い野球にちなんだ作品となった。

 「主演はとてもうれしいです。このお仕事を始めさせていただいてから、野球にたずさわることは難しいかなと思っていました。今回、こうやって作品でたずさわれてうれしいです」

 また、主演のプレッシャーを乗り越えるため「ステーキを食べた」という関水さん。「自分が楽しんでやらないと、見ている方は絶対楽しくないはず。でもクランクインの2、3日前から『楽しんでやりたい。けど大きなプレッシャーもある』と思って『どうしよう、どうしよう』と焦って……とりあえずステーキ食べました(笑い)。前の作品で撮影に入る前にステーキを食べたら、何か楽しくできたんです。願掛けみたいなものです」と明かす。

 そんな関水さんは本作で、バッティングセンターでアルバイトをする17歳の高校生・夏葉舞を演じる。制服をしっかり着るのは、映画「町田くんの世界」以来だ。

 「年齢は上がって20代になりましたけど、気持ち的には高校生のころの自分が(心の)どこかにいて、『自分はまだ子供だ』と思っているので抵抗感はないです。ちゃんと高校生に見えるように頑張りたいと思います(笑い)」

 ◇仲村トオルとの共演に充実感「毎日楽しくてワクワク」

 関水さんは、野球部のマネジャーこそやっていたものの、プレー経験は乏しいという。「撮影のために今回初めてキャッチボールとかちゃんとやってみて、それだけでもすごい楽しくて、『言葉を交わさなくても心で通じる』ではないですけど、すごくいいスポーツだと思いました。これを早く知っていればよかったです。知っていたらハマったと思います」と目を輝かす。
 
 本作では、バッティングセンターから球場へワープし、プロ野球界のレジェンドたちが悩める女性たちを勇気づけていく。野球好きにはたまらない名前が続々登場する。

 「野球場にワープするのは面白いですし、レジェンド選手が待っているのは野球ファンにとっては激アツ。悩んでいる人にすてきな言葉をかけてくれるシーンは、世の子供たちが見たら大喜びすると思います。大人の私が目の前で見ても夢を与えられるし、頑張ろうと思いました。野球がさらに大好きになりました」

 もう一つ、関水さんの刺激になっているのは、共に主演を務める仲村さんの存在だ。「仲村さんは優しくて、(演技上で)いろいろなボールを投げてくださる。一個一個が丁寧で、心に響きました。仲村さん、大ベテランなのに、始まる前にストレッチとか運動とかしているんです。声もすごく通る。こういう方と一緒にお芝居ができるだけで毎日楽しくて、『明日はどんな日になるんだろう』とワクワク感が大きいです」とほほ笑んだ。

 ◇「私じゃないとダメだ」と思われる女優になりたい

 関水さんは、香取慎吾さん主演の1月期のドラマ「アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」でヒロイン・碓氷咲良を好演したばかり。

 「アノニマス」では、スピンオフ「アノニマチュ!~恋の指相撲対策室~」(Paravi)も撮影。「大変でしたけど、香取さんは毎日明るく優しく接してくださって楽しかったです。勝村(政信)さんやMEGUMIさんなど楽しくてお芝居も素晴らしい方々とご一緒できて、さらに、年下の清水(尋也)君はお芝居がすごくて見ているだけで楽しかったです。『アノニマス』はすてきな人たちに囲まれた時間でした。スピンオフは素でめちゃくちゃ皆笑っていて、楽しかったです。懐かしい、いい思い出です」と撮影の日々を思い返す。

 今回は、「アノニマス」からほとんど間を空けずに、主演の一人としてテレビ東京に舞い戻ってきた。女優として評価された証しであるはずだが……関水さんは「(実績などは)まだぜんぜん何もないです」と謙遜する。「『私じゃないとダメだ』と思われる女優さんになりたいと常日ごろ思っています。あと私、ガッツリした恋愛ドラマを全然経験していないので、今後チャレンジしていきたいです」と力を込める。

 若手女優として成長著しい関水さん。もし、香取さんとの「再共演が実現したら」と聞くと、「全体的に成長していたいです。本当に、全部がまだまだなんです(笑い)。香取さんにちょっとでも『変わったな、この子』と思ってもらえたらいいですね」と笑顔で答えた。

 ドラマはテレビ東京で毎週水曜深夜1時10分に放送。テレビ北海道、テレビ愛知、テレビ大阪、TVQ九州放送でも放送される。(取材・文・撮影:桜井恒ニ)

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