8月8日のコンサートをもってアイドルグループ「STU48」を卒業し、芸能界からも引退する薮下楓さんが、7月30日に最初で最後の写真集「STU48 薮下楓写真集 さよならの余韻」(玄光社)を発売した。写真集は“みんなで作る”を合言葉に、SNS投票で薮下さんに着てほしい衣装や訪れてほしいロケ地、シチュエーションを募集するなど、ファンの声を反映して作り上げた。「4年半のアイドル活動が全て詰まっています」という写真集や今後について話を聞いた。
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写真集について、「たくさん、お声をいただきました。それが形になった写真集になっているし、私にとっても大切な思い出の場所などがすごく詰まってます」と話す薮下さん。
ファンの声が反映されたものの一つがヘアアレンジ。
「髪形のアンケートを取ったらポニーテールとツインテールが同率くらいで多かったです。『あ、みんな見たかったんだな!』と知ることができて、ここへ来て新しい発見ができました。もちろん、写真集の中ではどちらも披露しています。ぜひチェックしてほしいです!」
今回は、水着撮影にも初挑戦。「砂浜をめちゃくちゃ走り回りました。自然体の姿を撮ることができました。海に入ったのが中学生以来6~7年ぶりで、瀬戸内海に入れたのもうれしかったです。楽しかったです」と振り返った。
薮下さんは、元NMB48の薮下柊さんを姉に持ち、2017年にSTU48の第1期生としてデビュー。高校1年で加入して「右も左も分からなかった」という。
「でもファンの方と触れ合ってお話ししていろいろなことが学べました。自分の人生の中でこんなにたくさんの方に出会えることがまずないだろうと。本当にそこは財産だと思います。4年半の活動でつらいことや苦しいこともあったけど、それ以上に喜びとか対価もありました。努力することの大切さも分かって、人間的に成長できました」
STU48メンバーとしては、瀬戸内7県を拠点に活動し、「いろいろな県に行くことができました。STU48で活動していなかったら行かなかったかもしれない場所にも行けてうれしかったです。何よりも、ファンの方が瀬戸内に遊びに来てくれるのがうれしかったです」と笑みをこぼす。
最も苦労を感じたのは、「AKB48」のU17選抜に選出されたときだ。
「AKB48さんのカップリング曲を歌うことになって『なんで私なんだろう? どうしよう。できるかな? 怖いな』という気持ちばっかりで、なかなか楽しめませんでした。でも去年AKB48さんのシングル曲に選ばれたときは『STU48を代表して行くんだ!』と自覚が芽生えました。『応援してくださるファンの方のためにしっかりパフォーマンスを見せよう!』と考えが変わって成長を実感しました」
アイドル活動を通じて、感謝や尊敬の念を抱くメンバーは、「一番仲がいい(STU48の)石田千穂ちゃんです」と明かすと、「彼女は本当に努力家で、自分自身のことをよく分かっている。自己プロデュース能力があるところもすごく尊敬しています。自分がすごくつらいときに支えてくれたし、うれしいことがあったときに真っ先に話していたメンバーです。すごくお世話になりました。彼女には『愛してるよ!』と言いたいです」と満面の笑顔を見せた。
薮下さんは、グループ卒業と同時に芸能界も引退する。
「自分の未来といいますか、『まだ何者にでもなれる』という言葉をいただいて、それがすごく自分の胸に刺さっています。いろいろんなことにチャレンジしたいです」
また「私は、もともとSTU48に入ったときから『アイドルの次は女優!』とかそういうことを考えていませんでした。アイドルで区切りをつけるのは、自分の中で自然な流れかなと思っています。一緒にお仕事させていただいているラジオの方などは『すごくもったいない!』と言ってくださってうれしかったです」と打ち明ける薮下さん。
改めて芸能界について「人とのつながりだな、と思いました。本当にいろいろな人とつながってお仕事できました。ファンの方ともつながってどんどん上に行けました。いろいろな人と関わることができる場所です。こんなにたくさんの人と関わることはそうそうないと思います。いろいろな職業の方にも出会えて面白かったです!」と笑顔で振り返った。
取材中も終始笑顔の花を咲かせていた薮下さん。ファンとのお別れの日まであとわずか。8月8日のラストコンサートで、表舞台にさよならを告げる彼女の最後の勇姿に注目だ。(取材・文・撮影:桜井恒ニ)