ガンダム:「閃光のハサウェイ」「G-レコ」スタッフトーク タイトルカット制作秘話 富野監督の指示は?

「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」と「Gのレコンギスタ」の第3部「宇宙からの遺産」のコラボスタッフトークイベントの様子(C)創通・サンライズ
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「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」と「Gのレコンギスタ」の第3部「宇宙からの遺産」のコラボスタッフトークイベントの様子(C)創通・サンライズ

 人気アニメ「ガンダム」シリーズの劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」(村瀬修功監督)とテレビアニメ「ガンダム Gのレコンギスタ」の劇場版「Gのレコンギスタ(G-レコ)」(富野由悠季総監督)の第3部「宇宙からの遺産」のコラボスタッフトークイベントが8月12日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催され、両作品の撮影監督を務めた脇顯太朗さんとアニメを手がけたサンライズの仲寿和プロデューサーが登場。富野監督に関するエピソード、制作秘話を明かした。

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 脇さんは「宇宙からの遺産」のタイトルカットについて解説。演出の吉沢俊一さんによるタイトルカットの文字がどのように画面に現れるかという指示、富野監督によって追加された指示が画面に映し出された。

 サブタイトルである「宇宙からの遺産」の文字が発光するタイミングを細かく書いた富野監督の指示に対し、脇さんは「ここまで細かく書かれたら、このままやるしかないじゃないですか。これを再現すべく、どうしようかな?」と考え、最終的に「発光する文字のエフェクトを手で描く」ことを選び、7種類ほどの素材を作り、素材が動き、最後は発光する流れを再現した。

 脇さんは「想定していたアナログ感が出たと思います。イメージ的には1980年代後半から1990年代中盤くらいのSFの劇場映画の予告編みたいな雰囲気ですね。『昔、こんなのを見たな』と思ってもらえるようにやりました」と説明。富野監督は、出来上がりに大いに満足したという。

 仲プロデューサーは、富野監督について「最初のフワッとしたオーダーから、各セクションの人がすごく知恵をだして、見せて、監督の確認を取って、みんなで作り上げていくという感じはすごくいいなと思いましたね。最近、映像作家と演出家というのは別の能力なんだということを考えることがあって。富野監督は演出家で、自分では画を描くことはできないし、CGを使うことはできないけど、ほかのセクションのスタッフに自分のやりたいことや思いを伝えて、CGや編集、撮影さんなどの力と技術を集めて作ったものを、再度、監督が演出して完成に至るのはやっぱりすごいなという感じがありますね」とコメント。

 脇さんは「富野監督は、『これはダメだ!』と僕が作った映像に対しても言ってくれるし、よくできた場合は『これはいい!』と言ってくれるんですよね。また、『あまり神経質になって作業をやるな』と言われますね」と語り、仲プロデューサーは「『細かいことを緻密に作りました』というよりも、大きくしっかり見せることを重視していますよね。リテークがでた時も、ちょっとだけ調整した程度だと『何も変わってないじゃないか』と言われますからね」と明かした。

 「富野監督に初めて怒られたこと」「昔はスタッフを怒り、今にも殴りかかりそうなほどだったのが、最近はそうしたことも少なくなった」など富野監督のエピソードを語った。

 「閃光のハサウェイ」は、1989~90年に富野監督が発表した小説が原作。宇宙世紀0105年を舞台に、第二次ネオ・ジオン戦争で苦い別離を経験したブライト・ノアの息子ハサウェイが新型モビルスーツ・Ξ(クスィー)ガンダムを駆って、地球連邦政府に反旗を翻す姿を描く。アニメは「虐殺器官」の村瀬さんが監督を務める。全3部作。

 「ガンダム Gのレコンギスタ」は、テレビアニメ版が2014年10月~15年3月に放送。地球のエネルギー源を宇宙よりもたらすキャピタル・タワーを守るキャピタル・ガード候補生のベルリ・ゼナムの冒険を描いた。劇場版は、テレビアニメ全26話に新たなカットを追加。全5部作として上映される。

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