スター・ウォーズ:ビジョンズ:サイエンス SARU制作「赤霧」「T0-B1」 ジェダイを目指すドロイド 大野松雄がサウンドデザイン

「スター・ウォーズ:ビジョンズ」の「T0-B1」の一場面(C)2021 TM & (C)Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
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「スター・ウォーズ:ビジョンズ」の「T0-B1」の一場面(C)2021 TM & (C)Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 人気SF映画「スター・ウォーズ」シリーズのアニメプロジェクト「スター・ウォーズ:ビジョンズ」の「赤霧」「T0-B1」のカットが公開された。日本のアニメ制作会社が全9作のオリジナル短編アニメを制作するプロジェクトで、「赤霧」「T0-B1」はサイエンス SARUが制作した。「赤霧」には、ローブのようなものをまとうジェダイの主人公・ツバキ、「T0-B1」には、青いライトセーバーを持つ少年型ドロイドのT0-B1が描かれている。

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 「T0-B1」は、ジェダイになることを夢見る少年型のドロイド・T0-B1が、共に暮らす人間のミタカ博士に、ライトセーバーの核となるカイバークリスタルを見つけ出す試練を与えられ、星中を探し回る……というストーリー。

 「T0-B1」は、テレビアニメ「鉄腕アトム」の音響デザインを担当した大野松雄さんがサウンドデザインを担当する。同作を手がけたアベル・ゴンゴラ監督は、1960年代の日本のマンガやアニメに影響を受けたといい「ものすごく光栄なこと」と喜び、「今日の世界中の子供たちや大人たちが、彼のサウンドを聴くことになるのは、ものすごく素晴らしいことだし、皆さんに楽しんでもらいたいと思っています」と語った。

 ゴンゴラ監督は、「引退したジェダイの科学者が、研究室にいるドロイドのアシスタントがフォースの適合者だということを発見する」というアイデアと「1960年代の日本の名作アニメやマンガ家の作品をオマージュしたい」という思いがあったといい、「もしも小さなドロイドのアシスタントが、少年のような見た目で、若きヒーローとなるようなドロイドだったら面白いんじゃないかと考えたんです。ヒューマノイド(人間の見た目をしたドロイド)の方がきっと観客も身近に感じることができるだろうし、ストーリーもより冒険的になるのではないかと思いました」と語った。

 同作は、「エピソード3/シスの復讐」と「エピソード4/新たなる希望」の間のストーリーになる。ゴンゴラ監督は「このキャラクターのストーリーをオリジナル3部作(エピソード4~6)に近いところに位置付けたいと思っていました。この作品にはあのビンテージ的な美学につながるものがあると感じていたからです」と話し、「フォースの適合者のドロイドのT0-B1は、ジェダイになることや、オーダー66に続くバトルを夢見ていることになるでしょう。僕らには敵役が必要でしたが、帝国軍の司令官なら邪悪でシンプルな悪役として最高じゃないかとも思ったんです」と過去のシリーズとのつながりを明かした。
 
 声優の野沢雅子さんがT0-B1を演じることも話題となっており、野沢さんは「とってもうれしいです、役者として最高です」と喜びを語り、T0-B1について「子供らしさの中に“???”というところを持っているキャラクター。いい意味での裏切りもあり大好きでした。T0-B1と一体です」と話した。

 「赤霧」は、ある星の危機に導かれるように駆けつけたツバキが、かつて親交があった王女ミサと再会。王国奪還のため宮殿に向かったツバキが、戦いの中で究極の選択を迫られる……というストーリー。

 同作を手がけるチェ・ウニョン監督は、「スター・ウォーズ」シリーズについて「初めて“宇宙”の存在を意識した作品であり、宇宙を舞台に繰り広げられる冒険の様子に子供ながらにワクワクし、宇宙への憧れと好奇心を引き出してくれた作品」とコメント。「お姫様や騎士であるジェダイが繰り広げる冒険活劇の要素を大事に『ロードムービー』にしよう、と決めていました。『スター・ウォーズ』の持つ童話的要素の魅力を踏まえつつ、日本の古い映画も参考にしています。運命に逆らおうとする主人公・ツバキがどのような選択をするのか構想を進めるうちに“ラブストーリー”の要素も加わっていきました」と話している。

 「スター・ウォーズ:ビジョンズ」は、神風動画、キネマシトラス、サイエンス SARU、ジェノスタジオ、スタジオコロリド、トリガー、プロダクション I.Gが参加するアニメプロジェクト。9月22日から動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」で配信される。

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