ダンダダン
第6話「ヤベー女がきた」
11月7日(木)放送分
京都アニメーションが手がけるアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が、日本テレビの映画枠「金曜ロードショー」で10月29日、11月5日に2週連続で放送されることを受けて、同局の水卜麻美アナウンサー、中島芽生アナウンサー、伊藤遼アナウンサーがコメントを寄せた。アニメは、自動手記人形として手紙の代筆の仕事をするヴァイオレット・エヴァーガーデンが主人公で、水卜アナは「『言葉にして伝える』ということの大切さを改めて気付かせてくれる作品です」と魅力を語っている。
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金曜ロードショーでは、10月29日午後9時に石立太一監督の監修で「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のテレビシリーズを新たに再構成した「特別編集版」が放送され、11月5日午後9時に2019年に劇場公開された「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-」が本編ノーカットで放送される。「特別編集版」「外伝」は、ともに地上波初放送となる。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、「第5回京都アニメーション大賞」の大賞を受賞した暁佳奈さん作、高瀬亜貴子さんイラストのライトノベルが原作。かつて軍人として戦ったヴァイオレット・エヴァーガーデンが、依頼者の思いをくみ取って言葉にする自動手記人形となり、さまざまな依頼者のさまざまな感情に触れ、人の心を理解していく……というストーリー。テレビアニメが2018年1~4月に放送された。新作劇場版アニメ「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が2020年に公開され、興行収入が約21億3000万円を記録するなどヒットしたことも話題になった。
この作品はアニメが大好きな後輩の伊藤遼アナウンサーに「水卜さん、これは絶対に見たほうがいいです!」とお薦めされて見た作品です。何回泣いただろうというくらい涙無くしては見られない、すてきな作品でした。恥ずかしながら、私は普段あまりアニメーション作品を見るほうではないのですが、大人になってからこんなにどハマりできるアニメがあるんだなと改めて気付かせていただいた作品です。
ヴァイオレットは「手紙の代筆」という仕事を通して、人の心に触れていくのですが、「言葉にして伝える」ということの大切さを改めて気付かせてくれる作品です。アナウンサーは言葉=声を使って伝える仕事ですけれども、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」では手紙=文字という形で気持ちを伝えます。今は、なかなか人とも会えない日々ですが、言わなくても分かるだろうとか伝えなくても気付いているだろうと思ってしまいがちな、「愛してる」とか「ありがとう」といったすてきな言葉の数々を、私はこんなに言わずに過ごしてしまっていたんだなぁと気付かされ、もっと一日一日、思ったことを相手に大切に伝えようと気持ちを変えてくれました。
戦場で育ったヴァイオレットは感情というものがありませんでしたが、人の感情を真っさらの状態から知っていきます。彼女を通して、改めて友達への感情とか、家族への感情、好きな人への感情というのはこんなに素晴らしいものなんだなと、自分も真っさらな気持ちで感じられるところが魅力だと思いました。ヴァイオレット自身の純粋な心にすごく気持ちが洗われます。彼女が出会った人を通じて、改めて人のことも好きになったし、自分自身、ヴァイオレットと一緒にちょっと成長できたような気持ちにもなりました。
私自身、何度見ても同じところで涙してしまうようなすごく心を打つ作品です。普段、あまりアニメを見ないという方にも、ぜひ見ていただきたいと思います。
この作品の中にはたくさんの「愛してる」が出てきます。一つとして同じものはなく、どれも大切な思いで、それがどう手紙となり、心に届くのか。改めて自分の心、相手の心と向き合い言葉にすることの大切さを感じさせられました。そして、簡単に言葉を届けられる今、心無い言葉で傷ついたり傷つけられたりすることが誰しもあるからこそ、誰かを思って「本当に伝えたい心は何か」に向き合うことが大切だと感じさせてくれる作品です。この作品を見た後には、「あの人に手紙、書こうかな」と誰かの顔が思い浮かぶと思います。
・絵画のような美しさ
全作品映画のような映像美。巧みな光・風の使い方・水面(みなも)のきらめき・花の揺らめき、全てが本当に美しい。その景色と心理描写が見事にリンクしていて、より心に迫ってきます。どの瞬間も絵画のような美しさ、さながらルノアールの作品を見ているようで、ただただうっとりしてしまい、本当に一瞬も見逃せません!
・傷を癒やす温かい言葉の数々
舞台は戦争が終わって数年後、まだみんなどこか傷ついている時代。その傷が、手紙の言葉を通して少しずつ癒やされていくのですが、それが今のこのコロナで誰しもが知らない間に我慢したり傷ついている心と重なり、私たちの心も癒やしてくれると思います。
・息をのむほどの瞳の美しさ
少佐の瞳と同じ色のブローチを大切にするヴァイオレットですが、ヴァイオレット自身の瞳は、戦場での苦しみも、子どもならではの純真さも、すべて含まれた不思議な引力を持っています。その瞳が手紙の代筆を通して少しずつ成長していくことで変化していくので、ぜひ表情や動作とともに瞳の変化にも注目してもらいたいです。
人の気持ちが分からない、戦争の道具としてしか自分の価値を見いだせなかったヴァイオレットという少女が、言葉に隠れる人の感情を理解しようと必死な姿に心打たれます。また、各キャラクターが抱える葛藤や隠している本当の気持ちを、周りの人が言葉にし、気付かせてくれる様子からは、人間の心がいかに複雑なのかということを感じました。人の気持ちを理解しようとする尊さ、自分に素直になる難しさ、そして心を伝えることがどれだけ大切なのかを教えてくれる作品です。人との距離が遠くなり、真に自分の気持ちを「伝える」ことが難しくなっている今だからこそ、ヴァイオレット・エヴァーガーデンを見て感じていただきたいです。
・不器用ながらも「愛している」の意味を知るために奔走するヴァイオレットと、彼女と共に歩みだす他のキャラクターたちの心の動きは非常にリアルで、一人一人に感情移入してしまいます。言葉や態度だけが本当の気持ちではない、手紙を通して素直になるキャラクターの姿そのものがこの作品の魅力だと思います。
・京都アニメーションの手がける作画、演出、BGMはどれもキャラクターの心の動きを見ている人が共有できる素晴らしいものになっています。日本最高峰のアニメーションです。また声優の皆様の魂のこもった演技も魅力の一つです。気持ちの変化を、絵だけではなく、息づかいでも感じられます。迫真の演技です。
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