ルパン三世:ルパン随一のシリアス「ワルサーP38」放送 栗田貫一「いっぱいいっぱいだった」

「ルパン三世 ワルサーP38」の一場面 原作:モンキー・パンチ(C)TMS
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「ルパン三世 ワルサーP38」の一場面 原作:モンキー・パンチ(C)TMS

 人気アニメ「ルパン三世」の企画「みんなが選んだルパン三世」で、テレビスペシャルの人気投票1位に選ばれた第9作「ルパン三世 ワルサーP38」(1997年)が、金曜ロードショー(日本テレビ系)で10月22日午後9時に放送されることを受けて、ルパン三世役の栗田貫一さんがコメントを寄せた。栗田さんは、「この頃は(ルパンを演じるのが)年に1回のペースだったし、ちょっとやり直させてよって思ってしまう(笑い)」と話し、「とにかくしゃべるのでいっぱいいっぱいだし、そういう意味では緊張っていうか、余裕ないですよ」と当時を振り返った。

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 「ワルサーP38」は、故・山田康雄さんから栗田さんにルパン役が引き継がれて、3作目のテレビスペシャル。栗田さんは、当時を振り返り「そもそもやりようが分かってないから。だってさ、横をみたら(銭形警部役の)納谷(悟朗)さんや(次元大介役の小林)清志さんが立ってしゃべってる、どうしたらいいんだみたいな。山田さんがやっているところ見たことないんだから」とプレッシャーの中、収録に挑んでいたことを明かした。

 「あの頃は、アフレコの前に一回山田さんになって、山田さんからルパンになって、それでやっていた感じ。自分っていうのはないわけだよね。山田さんにならないとできない。実は今でも、毎週アフレコの時は、家を出る前に『カリ城』(『ルパン三世 カリオストロの城』)の名シーンをまとめたのを見て、“山田さんの音”を入れていくんです。この頃は声優の皆さんも一番艶が出ていると思うし、どこをとってもルパン三世みたいな作品だからね」とコメントを寄せた。

 日本テレビの中谷敏夫プロデューサーは、「ワルサーP38」について「『ルパン三世』という作品のすごいところは、いろいろなクリエーターが『ルパン』という題材で自分の『ルパン』を表現できるということ。この作品も、監督・ライターを中心としたアイデアの塊でした。テレビスペシャルや劇場映画は、『壮大なお話にしたい』『盗むものもデカいものを』という流れになりがちですが、本作では、企画の当初から『一番大切なもの』ってなんだっけ?と考え、ワルサーP38で何か考えようとなったように記憶しています」とコメント。

 当時の栗田さんについて「この頃の栗田さんは、『亡くなった山田康雄さんのピンチヒッター』として自分がやっている、というスタンスで参加してくれていたように思います。山田さんがまだご存命の時に、親交のあった栗田さんが、山田さんの留守番電話にふざけてルパンのモノマネで吹き込んだのが何かのご縁。山田さんご本人から『俺の次は栗ちゃんだな~』とシャレっぽく『任命』されたという裏話があるんです。この作品に限らず、キャストの変更は、スタッフ一同すごいプレッシャーです。そんな中、テレビスペシャル3本目となった栗田さんは、この作品も一生懸命研究して臨んでくれていました。頭が下がります」と話している。

 放送を受けて、同局の公式ツイッターでは、ルパン三世から届いた“犯行予告”が紹介された。放送当日の10月22日は、同局の12の人気番組のロゴの一部が盗まれ、それらを組み合わせた「NEW ルパン三世 見テネ」というメッセージが表示されている。

 「ワルサーP38」は、歴代テレビスペシャルの中でも随一シリアスと言われる作品。暗殺集団・タランチュラのアジトに潜入したルパンは、組織の一員であるヒロイン・エレンが抱えるかなしみと、ルパン自身の“忌まわしい過去”と向きあい、決死の戦いを挑む。

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