小澤亮太:「今の僕とマーベラスが共に歩いている」 10周年も派手に行く「ゴーカイジャー」への熱き思い

Vシネマ「テン・ゴーカイジャー」に出演しているゴーカイレッド/マーベラス役の小澤亮太さん
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Vシネマ「テン・ゴーカイジャー」に出演しているゴーカイレッド/マーベラス役の小澤亮太さん

 スーパー戦隊シリーズ「海賊戦隊ゴーカイジャー」の約10年ぶりの新作となるVシネマ「テン・ゴーカイジャー」(中澤祥次郎監督)が、11月12日から期間限定で上映され、2022年3月9日にブルーレイディスク(BD)、DVDが発売される。スーパー戦隊シリーズ第35作は「海賊」がテーマで、過去34作品のスーパー戦隊に変身することなどが話題となった。完全新作となる今作でも引き続きゴーカイレッド/マーベラスを演じる小澤亮太さんに、10周年を迎えての心境やマーベラス役を演じ続けていること、久しぶりに再会したゴーカイジャーの“仲間”たちについて聞いた。

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 ◇“あっという間”だった10周年

 10周年を迎えての心境を、小澤さんは「あっという間ですね。『いつの間に!?』と思う部分はあります。僕の場合3年ごとぐらいに(マーベラスを)やっていたので『きたか』と思いました」とコメント。一方で、「サラッとあっという間だったなと思いましたが、よくよく考えると早くないなと思いました」と10年という月日の長さに思いをはせる。

 記念作となる「テン・ゴーカイジャー」について、「10周年をやれたことにまずびっくり。やるかわからなかったので、それがとてもうれしかった」と笑顔を見せ、「まずやるかやらないか早く決めてほしいなと思っていた(笑い)。多分やるだろうなとは思っていましたが、単独でできるということ、そのために動いている皆さんがいたということに感謝の気持ちでいっぱいで、頑張ろうと思いました」と制作決定時の心境を振り返る。

 山田裕貴さん、市道真央さん、清水一希さん、小池唯さん、池田純矢さんらゴーカイジャーの“仲間”たちとの再会では、「(ほかのみんなも)『やっぱりやるか』という感じで、『久しぶり』みたいなくだりはあっさりしていて、やっぱり(みんな)変わらないなって(笑い)」と小澤さん。続けて、「昔もそんな感じだったし、久しぶり感はあっという間に終えて、そこからまた(当時と同じような)“いつも通り”の感じになる。そういうほどよいドライ感がいいなと、改めて思わせてくれました」と変わらぬ関係性かつ距離感だったことを語る。

 ◇まったく変わらない“仲間”たちとの再会

 再会したメンバーの印象について「全然変わらなかったですね」と評する小澤さん。「外見はみんな大人になってちょっとだけ変わっていましたし、自分も多分そうだと思いますが、中身はまったく変わっていない。相変わらずだなという(笑い)。そこはすてきだなって思いました」と自身も含めた“変わらない良さ”を口にする。

 キャスト同士は思い出話で盛り上がったといい、「ドラマの撮影をやってシアターGロッソに行って映画の撮影をして、またドラマの撮影みたいな、あまり寝られない期間があり『あの時大変だったね』とか、プロデューサーも含めて話しました。今では良い思い出ですね」と小澤さん。さらに放送終了後に開催された「海賊戦隊ゴーカイジャー ファイナルライブツアー2012」の話題も出たと話し、「北海道公演に遅刻したことも言われました(苦笑い)。その時スライディング土下座した記憶があります」と楽しそうに振り返った。

 ◇マーベラス役で心がける「予想外の“間の長さ”」

 自身が演じるマーベラスについて、小澤さんは「キャプテンと言われるし、船長なので、どっしりとした役と思っていて、それは10年前からずっと心がけています」と話す。「マーベラスって意外と周りを見ていることが多いし、知らないふりばかりしているので、そういうところも含めながら演じるのがすごく楽しい。知っているけど伝わらないように、でも知っているみたいな感じがマーベラスの魅力。ちょっとニヒルでヒールな感じが好きですね」と思い入れたっぷりに“マーベラス愛”を語る。

 「今の僕と、やってきたマーベラスが共に歩いている感じ」と分析する小澤さん。再び演じるにあたり、「中澤監督がよりずっしり感を出してくれて、忘れていたのを思い出させてくれましたので、もう中澤監督に感謝ですね。あと荒川(稔久)さんの脚本にしてもそうですが、2人とも“生みの親”たちなので(撮影は)すんなり入れましたね」とテレビシリーズでも監督と脚本を務めた2人に感謝する。

 マーベラスを演じる上で心がけていることを聞くと、「予想外の“間の長さ”を大事にしている」と回答。続けて、「そんなにためるんだ、みたいなせりふもあって、そこがマーベラスの面白さ。座ってしゃべること、動かずしゃべることが多く、あまり緩急がない部分が多いので、(当時は)そこが苦しかった。目だけで合図を表現しなきゃいけないところも苦しかったけど、楽しかった部分でもあり、今回もそうでしたね」と役の醍醐味(だいごみ)を口にする。

 ◇“パクった”ツーカイザー「俺たちよりカッコいい」

 「ゴーカイジャー」といえば、現在放送中の「機界戦隊ゼンカイジャー」で、ツーカイザーの装備デザインが「並行世界のゴーカイジャーをパクったもの」という設定も話題に。小澤さんに感想を聞いてみると、「ドラマを見たら“パクった”と素直に言っている感じがすごく良かった。俺たちよりカッコいいし、とても良かった」と笑顔を浮かべ、「変身の仕方も独特だし、変身アイテム(ギアダリンガー)の音声が関(智一)さんというところも“パクった”んだみたいな(笑い)」と楽しそうに話す。

 「ゴーカイジャー」シリーズではナレーションを担当していた関さんは、今作に“顔出し”でゲスト出演。小澤さんは、「うれしいです。『あの声の人の素顔だ』みたいなのが見られるのも、また見どころなのかなって」と喜ぶ。

 ◇「10年後も派手に行くぜっ!」 今後の記念イヤーへの“夢”も大きく無限大

 「ゴーカイジャー」という作品の魅力について、小澤さんは「バラバラで常にみんなマイペースに動いているけど、最後にはちゃんと集結して、ちゃんと役割をこなしている」と話し、「それは役者としてもそうだし、ゴーカイジャーとしてもちゃんとやっているなというのが、今回の映画でまた見られてうれしかった。みんなが役として動いているのを見られたのもうれしかった」と充実感をにじませる。

 予告映像で話題となっていたマーベラスの眼帯に関しては、「(台本を読んでの)第一印象は眼帯でした」と言い、「オチそこなのって(笑い)」とちゃめっ気たっぷりにコメント。さらに、「バラバラだけど結局集まるような戦隊だと思っているので、その辺とかもゴーカイジャーらしいというか、さすが荒川さんだなと思いました」とアピール。ほかのメンバーの見どころも、「ジョーが船を壊すあたりの炎の感じがすごくカッコよかったし、純矢のアクションもすごくカッコよかった。みんなすてきだったなって。(作品への)想いがちょっと強すぎるのかもしれないけど」と推しどころが止まらない様子だった。

 「この先15周年や20周年などでも記念イヤーを……」というファンの声について、小澤さん自身も「ここまできたらみんなの年齢経過を見つつやる。歴史を感じながら(自分たちだけでなく)ほかの戦隊をプッシュすることができる戦隊なので、そういうことができたらいいなって改めて思った」と期待を口にした。「今の戦隊にも変身できるし、10年前ぐらいは仮面ライダーにもメタルヒーローにも変身していましたから。もうズルい(笑い)。なのでどんどん使ってもらえれば」と今後の展開を提案。そして、「改めて(ゴーカイジャーの)みんなを確認し合えたところが撮影で一番面白かった。また5年後とか面白そうだなとすごく感じました」と思いをはせる。

 最後に今作の見どころについて、「今の世の中、何が正解か本当わからない。今回の作品も、そういう何が正解なのかが僕自身さえもわからないことがあって、役的にも何が正解なのかみんなが考えさせられる作品になっていると思う」と話し、「このタイミングで撮影できて上映できて良かったし、きっと昔から見ていた人も喜べるような作品になっているし、新しく見ても絶対面白いと思う。これをきっかけに戦隊が好きになってくれて、ゴーカイジャーも好きになってくれたらすごくうれしい。ぜひ何回でも見てください。よろしくお願いします。10年後も派手に行くぜっ!」とマーベラスの決めぜりふで熱く語っていた。(取材・文・撮影:遠藤政樹) 

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