ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
「月刊アフタヌーン」(講談社)で連載中の山口つばささんのマンガが原作のテレビアニメ「ブルーピリオド」がMBS・TBS系の深夜アニメ枠「スーパーアニメイズム」ほかで放送されている。「マンガ大賞2020」に選ばれた話題作で、高校生・矢口八虎(やぐち・やとら)が美術大学を目指す姿を描いている。原作は“美術スポ根マンガ”とも呼ばれているが、それだけが魅力ではない。繊細な心の動きを描き、キャラクターを深く深く掘り下げているのも大きな魅力だ。キャラクターが魅力的なのは、矢口八虎役の峯田大夢さん、八虎と同級生の美術部員の鮎川龍二(ユカ)役の花守ゆみりさんら声優陣の演技によるところも大きい。峯田さん、花守さんはストイックにキャラクターと向き合い、掘り下げていった。峯田さん、花守さんに同作への思い、アフレコの裏側について聞いた。
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峯田さん 放送は楽しみでしたが、八虎として受け入れていただけるのか?という不安もありました。友人から「いい意味で峯田を感じない」という声もいただき、うれしかったです。アフレコはがむしゃらにやってきましたが、放送を見ると、自分だけど、自分じゃないように感覚がありました。
花守さん (原作者の)山口さんも現場に来てきくださり、音響監督の菊田(浩巳)さんと共に、キャラクターのすり合わせ、物語の時間の経過の中で彼らの成長をどう表現するかを相談させていただきました。細かくディレクションをしていただいたこともあり、アニメを見た時に、時間の変化の中での違いが分かるようにも感じました。ユカちゃんは、最初は理解できないところも多いかもしれないと思っていました。性別を自分自身で定義せずに、自身を確立しています。受け手によって、どういう子なのかが変わってくるかもしれません。アニメで自分のお芝居を選んでいただいたのは一つの解釈ではありますが、心の在り方、体の在り方を考えると、いろいろなユカちゃんが存在するのかもしれません。改めてそう感じるところがありました。
峯田さん 初めてです。花守さんには「すごいなあ!」という気持ちしかないです。オーディションの時からすごかったでんす。「どんな感じかな?」と思っていたら、めちゃくちゃ格好いい声、独特の言い回しで、びっくりしつつ「なるほど!」となりました。役作りが本当に緻密。バックボーンを掘り下げて、キャラクターをとても大切にしているんです。一緒に収録するシーンも多く、難しいシーンも多いので、おんぶに抱っこです。舛成孝二総監督が「花守さんに助けてもらった!」と言っていたんですよ!
花守さん うれしいけど、恥ずかしいですね(笑い)。
峯田さん 花守さんはどんどん掘り下げていきますよね。アフレコ現場で、山口さんと花守さんが、龍二の生い立ちなどについて細かく話をしているのを見ていました。僕らは聞いていない話です。呼吸感を含めて本当にそこに生きているかのように演じられているんです。
花守さん 男女のどちらが演じても難しいキャラクターだと思います。オーディションの時から男女どちらも受けていたようです。テンプレートではなく、個としてのユカちゃんを求められていると感じていました。
花守さん 私は男の子だったら八虎をやりたいです! 峯田君は八虎の目線で演じられていて、すごくマッチしているんです。八虎は変化していくので、芯がありすぎてもダメですし。
峯田さん 「お芝居に芯がない」と言われたことがありました。
花守さん だからハマっているんです。峯田君は芯の位置を変えられるんです。聞いた時に「ズルいな!」と思いました。私にはないものなので、悔しかったんです。
峯田さん 一つのことに対して数え切れないほどの逡巡(しゅんじゅん)をして、悩んで、喜んで、挑戦する……とアニメで描かれていないところでも動き続けています。毎日コツコツやることは簡単そうで、すごく難しい。彼のようにありたいと思うところが多いです。「自分は凡人」と言っているけど、ある種の才能を持っています。努力で才能をねじ伏せるんですよね。これ、花守さんがさっき言っていたことなんですけど(笑い)。
花守さん それ、私の言葉(笑い)。
峯田さん すみません(笑い)。周りのことを気にしつつ、自分を追い込めるところがすごいんですよね。僕も日々、コツコツ積み上げている最中です。僕は元々、特徴のある声ではないのですが、一生懸命鍛えて、声の質を上げている途中で、八虎には到底及ばないですが、共通しているところがあるかもしれません。早朝の渋谷が好きなところも似ています(笑い)。この作品を読む前から、早朝が好きだったのですが、彼が経験したことを経験したいと思い、実際に見てきました。やっぱり青かったです。
花守さん 八虎は、相手が敵対心をどうやって解いてもらえるかを考え、ほしい答えを出せる子ですよね。“好き”を手に入れ、本当は自分がどんな顔をしたいのか、どんな絵を描きたいか……と自分の感情通りの行動をしようとします。変化していく彼の表情には、楽しいだけじゃなくて、苦しみも交ざっていて、個人的にそこにひかれます。ほかの人が考える優等生を演じている部分もあったと思うのですが、自分でやりたいと思ったことを見つけ、いかに自分がワガママを言わずに生きてきたのか……と気付き、葛藤し、苦しみます。その顔も好きです。別の自己を作ろうとあがく生きざまが格好いいですね。
花守さん 理解できないところが魅力だと思っています。ユカちゃんは、理解できないことを分かっているんですよね。自分の“好き”を守り、“好き”が自分を肯定してくれる。個性の確立に“好き”が9割くらい占めている。理解してくれない人は排除していきます。“好き”を貫くユカちゃんはなかなかマネできません。“好き”を否定した時に個性がなくなることも分かっています。その危うさも魅力なのかもしれません。理解されないというある種の諦めもあります。「みんな独りぼっちなんだ」と知り、改めて“好き”を見つめ直す。成長というよりも変化していくところがあります。成長というと、成長前を否定しているようでイヤなので、変化なんです。ユカちゃんは変化をあまり好まないけど、八虎たちと出会うことで、少し変化し、それによって人生が変わっていくんだと思います。
花守さん 私も“好き”を仕事にしているので「この仕事がなくなったら、私の個性は何だろう?」と2、3年くらい前に考えたことがありました。“好き”に支配されている人間なので、仕事がなくならないことが、“好き”の証明だと思っていて。“好き”だけが守ってくれる……という気持ちはよく分かります。
峯田さん 龍二は“好き”を貫きますよね。八虎、龍二が小田原の海に行くエピソードで、お互い吹っ切れたとも感じました。二人は似ている部分はあまりないけど、根っこの部分で似ているのかもしれません。人には言えないことを吐露できるし、すてきな関係性なんです。
峯田さん 八虎自身も試験のことでいっぱいいっぱいになっているけど、龍二のことを放っておけない。気になっているけど、どうにもできない。何かを変えようと踏み込んでいく。葛藤がある中で。踏み出した結果、心を素っ裸にして、言えなかったことを言い合います。八虎自身も悩んでいたことが吹っ切れるところがあるんですよね。
花守さん ユカちゃんは、ほかの人には飛び込んでもらえない海を抱えていて、それを自分自身でも分かっています。「一緒に飛び込もう」とは絶対に言わないけど、「飛び込んでほしい」という気持ちもあるんです。家族も飛び込めないから、どんどん孤独になっていきます。八虎は望まれた自分を演じているところがあり、ユカちゃんと似ているところもあります。付きまとってくるから、突き放すけど、それでも付いてくる。ユカちゃんにとって、無視はできない存在です。飛び込めないことを証明しようとして、一緒に海に行ったと思うんです。一緒に飛び込まなかったけど、八虎もみんなが理解できない深い海を抱えていて、みんなそれぞれ独りぼっちなんだ……と気付かせてくれたのかもしれません。自分以外にも海があったと気付き、「みんな苦しんでいる。じゃあ、もうちょっと頑張るか!」となれたのかな? 二人がヌードデッサンをしますが、あそこで腹を割って話したのではなく、柔らかい部分を「一つ見せてもいいかな?」と思ったきっかけになったと感じています。お互い裸だけど、仕切りがあるんですよね。
八虎とユカは“好き”を大切にしながら、変化していく。その先にあるものとは? 峯田さん、花守さんの熱演、今後の展開が注目される。
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