鈴木愛理:NHK番組MCで「おばあちゃん孝行ができました」 「クラシックTV」は「ぜいたくな講義」

NHK・Eテレのクラシック音楽番組「クラシックTV」で清塚信也さんとMCを務めている鈴木愛理さん
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NHK・Eテレのクラシック音楽番組「クラシックTV」で清塚信也さんとMCを務めている鈴木愛理さん

 NHK・Eテレのクラシック音楽番組「クラシックTV」で、ピアニストの清塚信也さんとMCを務めている鈴木愛理さん。番組は今年4月にレギュラー放送がスタートし、鈴木さんは、「出演を一番、喜んでくれたのが岐阜にいるおばあちゃん。『毎週、愛理ちゃんが見られて、うれしいわ』って言ってくれて、おばあちゃん孝行できて私もうれしいです」と笑顔を見せる。また自らを「クラシック初心者」とし、番組を「MCの私にとってもぜいたくな講義」と位置づける鈴木さんに話を聞いた。

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 ◇気がつけば家でもクラシック? MCとして心がけていること 

 「クラシックTV」は、クラシックビギナー向けの音楽教養エンターテインメント番組。清塚さんと鈴木さんが、ゲストとともに幅広い音楽の魅力を「クラシック音楽の視点」でひもといていく。

 元「℃-ute(キュート)」のメンバーで、現在はソロとして歌手、モデルとしても活躍している鈴木さんは、番組が始まった頃はクラシックについて「1ミリも知らなかった」という。

 「本当に初心者中の初心者でした。今も初心者ではあるのですが、番組に携わらせていただく中で、以前に聞いたことのある名前が出てきたり、歴史や、この人とこの人がつながっているんだとか、たくさんのことを知ることができて、ぜいたくな授業を受けているような感覚で、気がつけば家でクラシックを流してみたり(笑い)、そのくらい影響を受けています」

 MCとして心がけていることは、台本をもらって目にしたときに感じた疑問をそのままにして収録にのぞまないことだとか。

 「例えばクラシックに詳しい方が当たり前のように使っている言葉でも、私みたいな初心者にはまったく通じなかったりするので、きちんと自分は分からないってことを意思表示するようにはしています。どの分野でもあるじゃないですか。そもそもそれが何なのかという疑問。そこを素直に聞くことによって、私も毎回疑問を残さず収録を終えることができますし、自分の中で勝手に分かったふりをして、ただただ収録を重ねるだけでは、私がこの番組にいる意味がなくなってしまうので、常に初心でいるってことは心がけています」

 番組は清塚さんの軽妙なトークも魅力の一つで、鈴木さんも「気がつけばクラシックが詳しくなっていたみたいな感覚。私自身の勘違いかもしれないのですが(笑い)、そういうふうにしていられるのは、清塚さんの話術のおかげだなって思います」としみじみとし、「パートナーなんて畏れ多いのですが、お互いの“畑違いなところ”を良さと思って、トークできたらと思っています」と番組MCとしての思いを口にした。

 ◇番組は「すてきな出会い」の宝庫 「新しい扉が開く」みたいな感覚

 鈴木さんは番組に携わることで、クラシック音楽に対しての考えが「変わった」とも話す。

 「ベートーベンをはじめ、今まで教科書の中だけの歴史上の人物だった作曲家の方たちが、音楽以外の面を知ることで『人間だったんだ』って感じることが多くて。その上で改めて曲を聴いてみると、彼らの心の叫びであるとか、より感情を身近に感じることができて、入ってきやすくなったり、現代の歌と同じ感覚で楽しめるので、今までの人生で『私は損していたな』と思うくらいすてきな出会いが多い番組だと思います」

 また番組はクラシックに限らず、ジャズやアニメ、ミュージカル、ディズニーから歌舞伎にいたるまで、それこそ「すてきな出会い」の宝庫。

 「こんなにも私の中に深さがあったんだって、『新しい扉が開く』みたいな感覚があって。大人になってから新しい出会いというか、大学を卒業してもまだまだ学べるんだって、本当にぜいたくな講義です」と楽しそうな笑顔を見せた。

 ◇衣装は「品の良さ」を意識 学んだことが歌手活動にもフィードバック

 女性ファッション誌「Ray(レイ)」(DONUTS)専属モデルとしての顔を持つ鈴木さんは、番組衣装について「このままクラシックのコンサートに行っても大丈夫」というくらいの「品の良さ」を意識。

 「テーマに沿って、リクエストされることも多いのですが、何となくのイメージとして『クラシックってこういう感じかな』というのは私の中にもあって。めちゃくちゃ短いスカートははかないとか、おなかは出さないとか、露出加減も歌をやっているときや、モデルとして雑誌に出ているときとは違います。この衣装がおばあちゃんに好評で、『愛理ちゃん、クラシックTVのお衣装はすてきね』と、見る度に連絡をもらいます」

 また、番組で学んだことが普段の歌手活動にフィードバックされることもあるといい、「本当に分かりやすくフィードバックされたのが“余韻”で。レギュラー放送の前にベートーベンを取り上げた回で、清塚さんがベートーベンは弾き終わりのときに余韻を大事にすると言っていたのが、すごく印象的だったんです。実際に演奏してくださったのですが、それが頭にすごく残っていたからなのか、自分が歌うときも、表情とかマイクを下ろすスピードだったりとか、無意識で余韻を大事にするようになっちゃいました(笑い)」と語った。

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 清塚さんと鈴木さんがMCを務める「クラシックTV」は、12月16日午後10時から、お笑いコンビ「ぺこぱ」をゲストに迎え、「ぺこぱの漫才、それは“第9”だった!?」を放送する。

 ベートーベンの最高傑作といわれ、年末の風物詩として親しまれている「交響曲第9番」(通称『第9』)。実はクラシックの古いスタイルを破った斬新で型破りな作品だったといい、ぺこぱの漫才と紐付けて、今までにない視点で楽しむ。再放送は23日午前10時25分から。

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