からかい上手の高木さん3:高橋李依×梶裕貴 アフレコの“高木感覚”とは? 卓球と将棋を同時に!?

「からかい上手の高木さん3」に出演する高橋李依さん(左)と梶裕貴さん
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「からかい上手の高木さん3」に出演する高橋李依さん(左)と梶裕貴さん

 「ゲッサン」(小学館)で連載中の山本崇一朗さんの人気マンガ「からかい上手の高木さん」のテレビアニメ第3期「からかい上手の高木さん3」が1月7日から放送される。テレビアニメ第1期が2018年1~3月、第2期が2019年7~9月に放送された人気作。劇場版アニメの制作も発表されている。「高木さん」は、恋愛に奥手な中学生の西片が、学校で隣の席の高木さんにからかわれる日常を描いたアニメで、二人の絶妙な関係、甘酸っぱいやり取りが魅力だ。二人が魅力的なのは、高木さん役の高橋李依さん、西片役の梶裕貴さんのコンビネーションによるところも大きい。第3期の放送を前に、高橋さん、梶さんに独特の“高木感覚”があるというアフレコの裏側を聞いた。

ウナギノボリ

 ◇第3期で高木さんと西片に変化が!? 

 --第3期が決まり、率直な感想は? 第3期の発表と同時に劇場版の制作も発表されましたが。

 高橋さん マネジャーさんから「第3期が決まった」とフワッと聞いていたので「やったー!」と喜ぶ間もなく「どうやって高木さんファンの皆さんに伝えるんだ……」と仕掛ける側のような気持ちになりました。いろいろな現場で「高木さん、見たよ」と言っていただいていたのですが「まだ言えない!」と隠し続けました(笑い)。

 梶さん アニメ「高木さん」で西片を演じることが、僕の声優人生のライフワークみたいになっていってくれたらすてきだなと思っていたので、第3期決定のご連絡をいただいた時は、やはりとてもうれしかったですね。劇場版については、本当に驚きました……! どんなドラマが用意されるのかドキドキしつつ、僕自身楽しみに新情報を待っているところです。

 --お互いのキャラクターの魅力は?

 高橋さん 魅力しかない!

 梶さん そうだね! あらゆる面で魅力的な作品だと感じています。高木さんの一番好きなところは、そのいちずさ。基本、西片以外には塩対応な気がしています(笑い)。大人からすると、「中学生にして、なんて上手に異性を転がすんだろう!?」なんて思う部分もありますが(笑い)。西片のクリティカルヒットに対して、ほんの一瞬だけ素を見せてしまうあたりが本当に可愛らしいし、ほほ笑ましいんですよね。“西片だけに”というのがポイントかと。

 高橋さん 西片の魅力はたくさんありますが、一つ挙げるとしたら、一生懸命なところが大好きです。何をするにしても一生懸命考え抜くというか。いつもの勝負は当然一生懸命ですし、高木さんの状況も常に一生懸命考えて行動していて。全部の行動がいとおしいです。

 --第3期でキャラクターの変化は?

 梶さん 変わらないところがこの作品のよさかなと。とはいえ、西片と高木さんの距離感が少しずつ近づいていることは、シナリオや演出からも明らか。第3期では、さらにもう少しだけ近づく描写もあるので、楽しみにお待ちいただければと。演じる上では最初から変わらず、いかに“上手にからかわれるか”につきますね。誰からも愛される西片を演じられればと意識しています。

 高橋さん 心の距離が近づいている瞬間もあるのですが、声のお芝居まで攻めてしまうと過剰に見えてしまうので、いつもの高木さんを演じようと心掛けています。

 --第1、2期で特に印象的なエピソードは?

 高橋さん 第2期の「お悩み」というエピソード。高木さんの調子がいつもと違うことに西片が気付くんです。

 梶さん ああ、分かる! 彼の中で高木さんという存在が特別になっているからこそ気付けた部分。たしかに印象的だね。僕は、第2期最終話の「夏祭り」も好きです。物語として美しく、原作よりも一歩進んだ関係性に感動しました。西片が男として一歩踏み出す瞬間に、僕もグッときましたね。

 高橋さん 分かります!

 ◇二人のコンビネーション

 --演じる中で大切にしていることは?

 梶さん 技術的な面でいうと、西片はけっこう難しい役だなと感じています。まず、せりふとモノローグ、つまりは、表面的な部分と内面的な部分の切り替えが入り乱れていて。加えて、テンションの高低、喜怒哀楽がものすごいスピードで変化する子なんですよ。それに対応しながら瞬時に頭と心を動かしていくのが、かなりハード(笑い)。僕、声優の仕事って、どこか短距離走に似ている気がしていて。一つの作品につきAパート、Bパートそれぞれを全力で走って、少しの休憩と移動を挟んで、次のレースがある。その現場ごとにリセットして、新しく勝負をはじめる感覚があるので、持久力以上に瞬発力が大事な気がするんです。と同時に、アフレコって、卓球と将棋も一緒にやっているようなイメージもあって(笑い)。お芝居のラリーを続ける中で、当然、自分が思った球とは違うものがきたりもするわけです。でも、それをただ返すだけじゃなく、瞬時にどの方向に攻めようかなとコースを狙って駆け引きをしなくちゃ面白くないんですよね。そして、そこからさらに、次の戦術を組み立てていく必要があるので、先の手を自分で予想しておかなきゃいけない。ほかの作品と比べて「高木さん」では、それを2、3倍速でやっているみたいな印象なので……。そこに割くべき集中力やエネルギーは、相当なものがあると思います。

 高橋さん 確かに技術的に集中するところもたくさんありましたね。パート数も多いので、短距離走に似ているというのは納得。そして、頭だけでなく体力も使うので、とにかく頑張らないと完成しないような。“高木感覚”っていうんでしょうか。第3期のアフレコが始まって「戻ってきた!」と感じていました。

 梶さん そうだね。第2期から少し時間が空いたこともあって、第3期の初回アフレコでは「こんなに疲れるっけ!?」と、思わず声に出してしまいましたし(笑い)。

 高橋さん “高木感覚”ですね! 疲れるといえば、西片はせりふとモノローグを別に録(と)ることがあまりないですよね。

 梶さん 基本的には、流れの中で同時に収録しているね。大変だけど、それが楽しくもあります。

 高橋さん 一緒に収録していると、西片のモノローグが筒抜けになっているように感じて(笑い)。

 梶さん たしかに(笑い)。高木さんは、実際に西片のモノローグを悟っていそうだしね。

 --コロナ禍ということもあり、最少人数で収録することも多いですが、2人で収録できた?

 梶さん 感染症対策を整えた上で、西片と高木さんの2人は一緒に収録することができました。

 高橋さん 距離感があると難しいですよね。

 梶さん 特にこの作品に関しては、別録りだと難しいかも。

 --2人のコンビネーションが大切になるようですが、コンビネーションはいかがですか?

 梶さん 高橋さんとは、ほかの作品でもご一緒させていただいたことがありますが、ここまでガッツリ共演しているのは、実は「高木さん」くらいなんです。なので、僕の中での高橋さんは「高木さん」の現場のイメージ。本当に真面目で、作品のことをすごくよく考えていて、愛情があります。空気を読めるし、同時に信念も強い。自分と似ている部分があるなと感じています。現場では作品に集中しているので、そこまでいろいろな話ができているわけではないですが、とても可愛い後輩です。

 高橋さん うれしいです! スタジオでは「この芝居はこうしよう?」とすり合わせをしないのですが、テストで「ここは違うな?」というポイントをお互い調整して、本番でハマった時はすごくうれしい。梶さんと一緒だと「ここをもっとやりたい!」と自分から生まれてくるのも楽しいです。

 梶さん スタッフの皆さんとの信頼関係もでき上がっているよね。雰囲気がすごくいいんです。

 ◇話題のED 第3期はどうなる!?

 --第1、2期はエンディング(ED)で、高木さん(高橋さん)がさまざまな名曲をカバーしたことも話題になりました。第3期も名曲のカバーがEDになるようです。

 高橋さん 今回も世代が広いです! 高木さんを見てくださる方の年齢層は広いですが、今回も皆さんの記憶にハマる名曲だらけ。フル尺で録音したので、ぜひ2番以降も聴いてほしいですね!

 梶さん 僕もEDが大好きです。エピソードとリンクした選曲がまたすてき。EDでの歌唱イメージは「高木さんがカラオケで歌った」らしく、キャラソンすぎない生っぽい感じがいいですよね。高木さんは表の感情が読み取りにくいところがあるので、歌うのは本当に難しいと思うのですが、絶妙ですよね。すばらしいです。

 --第1、2期のEDでお気に入りは?

 梶さん ……難しい!やっぱり「気まぐれロマンティック」かな。

 高橋さん 作品にぴったりすぎますよね。第1期の第1話で歌えたのも印象深いです。

 梶さん 「自転車」も好きだったな。第3期には、今までになかったような楽曲も用意されているようなので、僕も今からとても楽しみです。

 --第3期を楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします。

 梶さん いよいよ第3期がスタートします! 本当にうれしいですね。これまでと変わらず、原作のテンポ感や雰囲気を大切にしながら作られていますし、アニメならではのオリジナル回もばっちり用意されています。木村や高尾など、クラスメイトたちのエピソードが増えているのも個人的にはうれしいところ。新作をより楽しんでいただくためにも、ぜひアルバムをめくるような感覚で、これまでのシリーズを振り返ってみてください。よろしくお願いします! 劇場版もお楽しみに!

 高橋さん 第1期が最高で、第2期も最高でしたが、第3期もしっかりと走りきります。「全話好き!」となるくらいいいエピソードだらけなので、毎週見ていただけたらうれしいですね。そして今回は、2年生の2学期からのスタートなので、どんな行事がやってくるかにもご注目ください!

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