放課後カルテ
第7話 お前が学校に来ようが来まいがどうでもいい
11月23日(土)放送分
松本潤さん主演の連続ドラマ「となりのチカラ」(テレビ朝日系、木曜午後9時)に出演中の女優のソニンさん。地上波の連ドラにレギュラー出演するのは、2012年の「はつ恋」(NHK)以来、約10年ぶりだという。2月10日放送の第3話では、ソニンさん演じる、ベトナムから技能実習生として日本にやって来たマリアに焦点が当たるが、同話の見どころや、久々の地上波連ドラレギュラーへの思いなどを聞いた。
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「となりのチカラ」は、「女王の教室」(日本テレビ系、2005年)、「家政婦のミタ」(同、2011年)、「過保護のカホコ」(同、2017年)などで知られる遊川和彦さんのオリジナル作。思いやりと人間愛にあふれていながらも、何をしても中途半端な主人公・中越チカラ(松本さん)が、問題を抱えた同じマンション内の住人たちの悩みを解決していく姿を描く社会派ホームコメディーだ。
ソニンさん演じるマリアは、中越家の真下の303号室で、ベトナム式のエステ店を営みながら、数人の女性同士でルームシェアをして暮らしている人物。第3話では、チカラはマリアが外国人技能実習生として介護関係の会社に勤めていたものの、妊娠を理由に解雇されたことを知る。そしてマリアから「子供の父親は、妊娠した途端に会ってくれなくなった」と明かされ……と展開する。
ソニンさんは今回、読み合わせして候補から選ばれるオーディション形式でマリア役をつかんだといい、「遊川さんの脚本で豪華なキャストの皆さんと共演できますし、久しぶりにお茶の間で私を見る方もいらっしゃるだろうと思って、『このチャンスは絶対につかみたい』と思って臨みました」と明かす。
また、オーディション時、数日前に渡された台本と概要から、できる限りの情報をかき集めて挑んだというソニンさんは、「遊川さんからは『笑ったと思ったら、泣いたり、感情の浮き沈みが激しい役だから、メリハリのある感情表現をしてくれ』と言われたので、思い切り演じてみました」と告白。
「そうしたら、すごい面白がってくれて、『次はこうしてみてよ!』みたいな。手応えがあったというよりかは、私を面白がってくれたという印象でしたね」と笑顔で振り返った。
そうして手にしたマリア役。合格の喜びもひとしおだったという。また、マリアと同じベトナム人に、全てのセリフを読んでもらった音源を“完コピ”するなどの熱の入れようで撮影に臨んだ。
それは、マリアの物語が「遠い話には感じない」という思いがあるから。
「私は、日本での永住権を持っているので、マリアのように在留期間とかを気にしたことがないのですが、ニューヨークでの生活やハーフの友人たちの話を聞くと、在留資格の問題など、結構マリアの話がリアルに響いて、マリアが遠い人だとは感じなかったですね」
第3話も、そうした外国人技能実習生の苦労が登場するが、第1話の家庭内暴力の問題や、第2話のヤングケアラーの問題より、「少し明るめに描かれている」という。
「本読みのときから一貫して『感情の起伏を激しめに演じてほしい』と言われていたので、私は『ちょっとポップに、重すぎないように描きたいのかな』とくみ取って演じました」
一方で、「結構、オーバーな感じで演じた箇所もあるので、コントになっていないか、ずっと心配でした」と不安も。それでも、「私はまだ第3話を見ることができていないのですが、先に見た遊川さんから『コントになっていなかったよ。悲しみもあり、希望も見える物語になっていたので、すごい良かったよ』と感想が聞けたので、とても安心できました!」とうれしそうに語った。
舞台を中心に活躍するソニンさんは、今回のドラマの現場で「悔しい思いもいっぱいしています」といい、「舞台とは演技の技法も別物ですし、何より、とにかく時間との闘いの中でやっているので、帰ったら『ああすれば良かったな』って反省点がいっぱいでてきて……」と葛藤する日々を送る。
そんな中、励みになったというのが遊川さんからかけてもらった言葉。
「どこが使われるか分からないので、基本、カメラの前では、少しの登場シーンでも集中してやっているのですが、そしたら遊川さんから『毎シーンを全力でやってくれているね』と言われたんです。私は久々のドラマのレギュラーで集中配分が分からないだけだったのですが、ちゃんと見てくれているんだって! あと、第3話の撮影後には『ソニンさんにマリアを演じてもらえて良かった。僕が書いた人物だけど、ソニンさん以外に誰が演じられたんだろうって思う』とおっしゃっていただいて。その言葉がすごくうれしかったです」
今作への出演で、新たな目標も生まれた。
「私は映像作品からデビューしていることもあるので、成長した“大人の私”として、また新たに映像作品でステータスを築きたいなと思いました。やっぱり、松本さんはじめ、共演する映像作品のプロフェッショナルな方たちを近くで見ていると刺激されますね。舞台では、10年ぐらいやってきたので、演じるだけじゃなくて、演出の方と相談して、自分でクリエートしたり、アプローチすることもあるのですが、映像でもそういうステージに行ってみたいですね!」と力を込めた。