呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変
第36話「鈍刀」
11月14日(木)放送分
迫稔雄さんの人気マンガを実写化した映画「嘘喰い(うそぐい)」(中田秀夫監督、2月11日公開)。本作で実写映画初出演を果たしたのが俳優の櫻井海音さんだ。櫻井さんは2021年から本格的に俳優業をスタート。昨年は「嘘喰い」の撮影に参加したほか、4本のドラマに出演し、自身にとって「濃密な1年だった」と振り返る。本作での役作りをはじめ、数々の現場を経て得たもの、経験不足を痛感しながらも「どれだけはい上がっていけるか」と臨む役者業への思いを聞いた。
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映画は迫稔雄さんの人気同名マンガ(集英社)が原作。「嘘喰い」と呼ばれる正体不明の天才ギャンブラー・斑目貘(横浜流星さん)が、日本の闇社会を牛耳る組織「倶楽部賭郎(くらぶかげろう)」の頂点を目指し、巨額の金と命を懸けたギャンブル、ゲームに興じる姿を描く。
櫻井さんが演じたのは、「賭郎」のトップで「お屋形様」と呼ばれる切間創一。貘を「賭郎」から追放した男であり、その正体は謎に包まれている。櫻井さんは「お屋形様として賭郎のトップに君臨する自身と重圧は、演技の経験が少ない中でもしっかり見せたいと思っていました」と語る。
「お屋形様の場面では見ている方に『何だこいつは』と思わせたくて。せりふが少なく、表情や仕草だけで表現しなければならなかったですが、その分、不敵さが引き立ったような気がします」
切間はカリスマ性があり、原作でも人気を誇るキャラクターだ。「プレッシャーも大きかった」と話す櫻井さんだが、ビジュアル面では前髪の長さ、ハネ具合など、中田監督と細かな部分までこだわり、スタッフから声が上がるほどの再現度に。「安心しました。中田監督と一緒に作り込んだかいがありました」と振り返る。
また、切間といえばルービックキューブを片手で操る姿も印象的だ。櫻井さんは撮影前から練習を重ね、「とにかく移動中も反復練習。ノールックで指の動きもきれいに見せつつ、スピード感も出さないといけないので、『もうルービックキューブを見たくない!』ってくらいやりこみました」と告白。そのかいもあり、本番では見事一発OKを成し遂げた。
「まだ演技経験が全然なくて、右も左も分からない状況で現場に飛び込んでいきました」と撮影当時を振り返る櫻井さん。冒頭では貘との対決シーンも描かれるが、「流星さんが演じる貘は本当にパワフルで、力強くて、自信がみなぎっている感じがしました。お屋形様として負けちゃいけないと思いつつも、経験の少ない僕が流星さんに挑んでいくのは、とてもプレッシャーでしたし、今でも不安なくらいです」と素直な気持ちを明かす。
本作の撮影を終えた後、櫻井さんは「ナイト・ドクター」(フジテレビ系)、「つまり好きって言いたいんだけど、」(テレビ東京)、「顔だけ先生」(東海テレビ・フジテレビ系)と立て続けにドラマ出演を果たした。
「当初は何も分からないからこそ、あまり緊張もせず、怖い物知らずな部分もありました。でも、それからさまざまな作品に出演し、経験を積んだ今考えると、あのときに映画に出演していたのはものすごいこと。映画に出演したいという気持ちも高まっていて、そう感じられるものに参加できた“すごみ”を今になってやっと実感しています」
役者業において「プレッシャーは常に感じています」と語る櫻井さん。「昨年は原作がある作品に出演する機会も多く、プレッシャーも大きかったですが、だからこそやらなきゃと踏み出すことができた。プレッシャーでへこむタイプではないので、うまくバネにできたというか、プラスに作用したのかもしれません」と力強さものぞかせる。
「今の自分の位置からどれだけはい上がっていけるかは、僕自身も楽しみです。お芝居を楽しみつつ、経験を積んで、実力をつけて、いろいろな作品、役に携わりたい。明確にこうなりたいという理想像はないのですが、経験を経た先にどんな自分がいるのか、という意識でやっていきたい。一つ一つ得たものを次のステップにつなげていけたらいいなと思っています」
<プロフィル>
さくらい・かいと 2001年4月13日生まれ、東京都出身。20歳。映画やドラマのほか、情報バラエティー番組「王様のブランチ」(TBS系、土曜午前9時半)のレギュラーメンバーも務めるなど、幅広い分野で活躍している。Kaitoとしてバンド「インナージャーニー」のドラマーとしても活動。2020年5月に「俳優として前に進んでいくため」という理由から、個人での活動名を「櫻井海音」に改めた。