ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
人気アニメ「ドラえもん」(テレビ朝日系)の41作目となる劇場版最新作「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021」(山口晋監督)が、3月4日に公開された。ドラえもん役の水田わさびさん、のび太役の大原めぐみさん、しずか役のかかずゆみさん、ジャイアン役の木村昴さん、スネ夫役の関智一さんのレギュラーキャストにとっては、「のび太の恐竜 2006」から16作目の劇場版となった。テレビアニメ「ドラえもん」の収録は、週に1回、同じスタジオで行われているといい、声優陣は現場を「ホーム」、レギュラーキャストを「家族のような存在」と感じているという。国民的キャラクターを演じ続ける声優陣に、作品への思い、演技のこだわりを聞いた。
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関さん 実家みたいなね。とりあえずここに帰ってくれば安心感がある、というのはあります。多くの番組はいつか終わってしまうじゃないですか。「ドラえもん」も、いつかはそういう時が来るかもしれないですけど、長く続いてますから、とりあえず「自分にはここがある」という“おうち感”がありますよね。僕は特に、「ドラえもん」に携わっている音響制作会社・APU(オーディオ・プランニング・ユー)の作品でデビューしたので、ここから生まれて、ここで育ったみたいな感覚もあります。
木村さん たしかに、“実家感”って間違いないなと。僕もAPUデビューなんです。
かかずさん 私もAPU。
大原さん 私もです。
水田さん やばい、違う(笑い)。私はアバコスタジオデビューです。
木村さん 1週間に一度必ずみんなと会うし、季節の行事でもみんなと一緒にいたりする。僕の場合は、人生の中でジャイアンを演じていない時期よりも、演じている時期が長くなっている。ジャイアンが完全に自分の人生の一部になっている感じがしますね。
水田さん すごいね! 人生の半分以上ジャイアンってすごい。
木村さん そうなんですよ。だから、「ドラえもん」やジャイアンについて、改めて考えたことがない。当たり前すぎちゃって。みんな等しく歳を重ねて、一緒に歩んでいる感じも家族っぽいし。皆さんから学んだことで僕ができているから、実家っていう感じなんですかね。
かかずさん いい距離感ですよね。本当の家族のように生い立ちから何からって知っているわけじゃないんだけれども、いい距離感でお互いのことを見ていて、お互いの性格もなんとなく分かっていて。定期的に会うから、いい距離感の家族という感じですね。何かあったら、叱咤激励することもできるし、悩み相談もできるし、褒め合うこともできる。すごく居心地がいいです。
木村さん 僕はかかずさんに監視されてますから(笑い)。僕が何か食べるたびに写真を撮ってくる。
かかずさん 見守りです(笑い)。
関さん これ以上育たないように(笑い)。
木村さん 身内にパパラッチがいるんですよ。気が抜けないです。
かかずさん 関さんも昴くんも、活躍がすごいから。とくに昴くんはちっちゃい時から見守っていたけど、「もう見守りやめたほうがいいかな」と。本人に相談したら「続けてください!」といってくれたんですよ。
木村さん 見守ってくれるおかげで、僕も食べ物に伸びた手を引っ込められるようになったので、ありがとうございます。
大原さん ものすごく成長をさせていただきました。今も現在進行形なんですけど。
関さん もうベテランだよね。間違いなくのび太のベテランではある。
大原さん 太鼓判をいただき、うれしいです。いろいろな意味でたくさん学ばせてもらえる場ではありますね。自分の内側とも向き合いましたし、もちろん作品とも向き合って、その中でたくさん学んで、それを自分のものにしていく。人間を磨く場をたくさん作ってもらえました。
水田さん 私もスポーツのアウェーの試合とホームの試合に例えるなら、「ドラえもん」はホームの試合。どの現場も真剣にプレーしているんだけれど、やっぱりホームのユニホームを着て戦えるというか。これだけやっていると、役者同士も、スタッフさんとも密な関係になれていますし。週1回のあの日のあの時間、あの建物にいるみんなが許される空気なんですよね。
水田さん それはたしかにあります。ほかの現場では、台本の自分の役の部分に集中するけど、「ドラえもん」の時はゲスト声優の方に原作のシーンについて説明したり、情報を皆さんに共有したり、ホームだからこそ役目は多いです。でも超楽しいです! いろいろな人と会えるから。こんなにいろいろな人と共演できる作品ってない。
関さん なかなかないですね。
水田さん こんなぜいたくな現場はないですよね。超ベテランの方とも会えるし、すごいスーパースターとも会えるし、いいホームゲームができています。
木村さん ジャイアンはとにかく豪快にやりたいなと思っていつもやっています。なるべく思い切りよくやれたらなと思うんですけど、やりすぎて小学生だったことを忘れそうになる時はありますね。
水田さん やめてよ。おじさんにならないで(笑い)。
大原さん 最近、ジャイアンが怖い時がある。すごみが効いていて。
かかずさん 昴くんがどんどん大人になっていくからね。
木村さん そうなんです。前までは等身大でやれたんですけど、僕のメンタルがちょっとずつおじさんになっているなと思うんです。14歳だった俺が無意識に「これをいっても、最近の若い子はよく分かんないか」とかいっちゃうんですよ。いった瞬間に「うわ!」って。この“メンタルおじい”を抑えて、小学生だということを意識しながらやっています。先輩たちはめちゃくちゃ小学生だったから、すごいですよね。
かかずさん 長くやっているありがたさと、長くやっている大変さというのも、すごく身に染みて感じるところですね。
大原さん 私は年々、体力がなくなってきますね。
関さん 「メンタルおじい」じゃなくて「フィジカルおばあ」だね(笑い)。
大原さん 否定できないです(笑い)。「映画ドラえもん」は数日間でアフレコをやっているんですけど、体力を温存しないとできないんですよ。のび太くんは、視聴者の方がすごく感情移入しやすいキャラクターだと思っています。見ている人がもどかしいと思うことも多いかなと思うんですけど、「でもなんか憎めないんだよね」「なんかほっとけない」「なんか可愛いんだよ」というところをちゃんと持ちつつ、思い切りお芝居したいなというのが根っこにあります。
かかずさん 原作ではヒロイン感のある彼女なので、動いて声が付いたときにぶりぶりになりすぎないように、可愛すぎないようにと意識しています。実は芯が通った男っぽさ、やんちゃなところも持っているので、そういう面は思い切り楽しんで演じる。先日、アニメ「ドラえもん」のメインキャラクター設定を描いてくださっている丸山宏一さんにしずかちゃんについて話をしたら「その捉え方は間違ってないと思います」と。それを聞いた上で、私の最大限の可愛さを今後は乗せていこうと思って。絶妙なバランスを自分の中では頑張っているつもりですね。
関さん 劇場版に関しては、毎年リセットしないといけない。積み重ねてないドラマだから、そこは難しいですよね。木村くんもいってましたけど、演じる側が慣れてきちゃっている部分もある。でも、ストーリー自体は積み重なってはいなくて、スネ夫たちも毎年同じ体験をしているわけではない。
関さん そうなんですよ。そういうところで慣れないようにしないと、ベテラン感みたいなものが出ちゃうので、リセットしなきゃと思って演じています。でも逆に言うと、一つのエピソードの中で、お芝居は積んでいきたい。SFだけど、我々がリアリティーを感じてもらえるような表現をちゃんとやれば、全部本当に見えてくると思うので。
水田さん ドラちゃんは、可愛くしたいなとずっと思っています。オーディションの時からそうです。皆さんが「ドラえもん、可愛いね」といってくださるように、キャラクター的に可愛い存在なので。その可愛さを持ちつつ、お芝居ではメリハリを大事にしています。ロボットだけど「ぎゃー!」といったり、のび太くんを諭したり、どら焼きを食べて「おいしい!」となったり、お子様に分かりやすいように、結構オーバーにやっているような感じがします。収録では、よくスタッフさんに「やりすぎですよ」とディレクションされるんです。ドラちゃんを演じながら、そのさじ加減に向き合っている感じですね。
水田さん めちゃくちゃ模索しています。私、スタッフさんに個人的に「ここはこうですよ」と結構指摘されるので、そのたびに「そうか」とすごく考えながらやっています。あとは、みんながドラちゃんの声を聴いて、元気になってもらえたらいいなと思って。それは、みんなからも「わさびさんの声を聴くと元気になる」といってもらえるので、大事にし続けたいと思っています。
劇場版最新作は、1985年に公開された「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争」のリメークで、新たな脚本でアニメ化。のび太たちが小さな星・ピリカ星の大統領・パピと出会い、ピリカ星の反乱軍に立ち向かおうとする。宇宙船が3DCGで描かれるなど、名作が進化を遂げてよみがえる。「超劇場版ケロロ軍曹3 ケロロ対ケロロ 天空大決戦であります!」の監督で、「映画ドラえもん のび太の月面探査記」で演出を担当した山口晋さんが監督を務め、「交響詩篇エウレカセブン」などの佐藤大さんが脚本を手掛ける。
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