ニッポン放送の人気ラジオ番組「オールナイトニッポン」55周年記念公演「あの夜を覚えてる」に出演する女優の鳴海唯さん。求人情報サイト「レバテック」CMなどで「可愛い」などと話題となっている23歳が演じるのは、千葉雄大さん扮(ふん)するラジオパーソナリティー・藤尾涼太の担当マネジャー・小園真由美で、オーディションによって選出された。同公演は配信型の演劇作品で、3月20、27日に上演される2公演は共に生配信される。今回、新たな挑戦に臨む鳴海さんに、本番に向けての意気込みや役作りを通して感じたことを語ってもらった。
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「あの夜を覚えてる」は、ニッポン放送の館内を舞台に描かれる配信型の演劇作品。千葉さんと高橋ひかるさんのダブル主演で、総合演出をテレビプロデューサーの佐久間宣行さんが手掛ける。パーソナリティーやAD、ディレクター、放送作家、サブ作家、マネジャー、ミキサー、プロデューサーが登場する。
千葉さん、高橋さんと共演を果たすメインキャストは、鳴海さんのほか、吉田悟郎さん、山口森広さん、工藤遥さん、入江甚儀さん、山川ありそさん、「三四郎」の相田周二さんで、約1500人のラジオ好き・演劇好きの中からオーディションによって選出された。
鳴海さんは「メインキャストの方と本読みでお会いしたら、自分の想像を超えていて、『この作品、絶対に面白くなるだろうな』と感じました。私は舞台の稽古(けいこ)をしたこともない新参者ではあるのですが、先輩方、ラジオが好きな方々の背中を見ながら頑張っていきたいなって、今はすごくワクワクしています」と話す。
鳴海さんが演じる小園真由美はタレントの現場マネジャー。役作りは、一番、身近にいる自身の担当マネジャーに「マネジャーとはどうあるべきか」を取材するところから始まった。
「動き回って、ひたすら電話対応に追われている、という役なのですが、形だけでは入りたくなかったので。普段、自分が取材のときにしてもらってるように、実際に音声を録音して話を聞いたのですが、いろいろと話を聞く中で、一番大切なのはタレントへの愛、それがど真ん中にあるということが分かって。それは自分がマネジャー役をやる上で、大切にしたいなって思いました。藤尾涼太という俳優のことを心から応援して、守りたいという熱い思いを静かに燃やしながら働いている、そういう気持ちで自分も小園真由美というキャラクターを演じることができれば」
それ以外にも、自身のマネジャーの動きを目で追い、いつも以上に観察して、役作りに取り入れたという鳴海さん。結果として感じたのは“ありがたみ”で、「絶対に立ち回りのうまさは必要ですし、私のマネジャーさんはとても上手な方で、すぐにメークさんやスタッフさんと仲良くなってしまう。距離の詰め方が本当にうまいんです。それっていろいろな人と対面して、一緒にお仕事をするマネジャーという仕事には必要なことだと思いますし、最高のお手本が近くにいてよかったなって」としみじみ。その上で「スケジュール管理や、それこそギャラの交渉とか、私には絶対できないので、本当にありがたいですね」と痛感していた。
舞台経験のない鳴海さんにとって、生配信される今回の作品への出演は、女優として新たな領域への挑戦となる。
「“役として生きる”ことは大前提ではあるのですが、いつもと違うのは、館内を動き回り、そこにカメラが付いてくる、しかも生配信の一発勝負というところ。舞台でいう上手下手のお芝居の、さらに上を行く難しさがあって、そういった立ち回りや、技術的なものを含めて、役者として一つ成長できるんじゃないかという期待は自分の中にはあります。今後は舞台にも挑戦したいと思っていて、そういった意味でも貴重な体験なので、勉強しながら、楽しみながら、小園というマネジャーと一緒に、役者として成長していけたらなって思っています」
演じる上で心がけているのは“テンション”だという。
「舞台のお芝居と映像のお芝居って、全く別物だったりもするのですが、今回は生配信の演劇作品という、その中間にあるものと感じていて。人と会話をしている場面でも、普段のテンションだと伝わらないだろうし、かといってやりすぎてもダメだったりする。そういった“いい案配”を出すのが難しくて、乗り越えないといけないポイントではあるのかなって」
改めて、演じる側からしても「一体どうなっていくか想像がつかない」と明かす鳴海さんだが、今は視聴者にも「ワクワクしてほしい」という思いでいっぱいだとか。
「オールナイトニッポン55周年記念公演で、ある秘密を抱えたパーソナリティーの周りで巻き起こる一夜のお話でもあるので、ラジオ好きにはたまらない内容になっていると思いますし、プラスして、皆さんが見たことないような生配信の演劇作品を提供できることに私自身がワクワクしているので、皆さんも一緒に『どうなるんだろう』とワクワクしてほしいです」と視聴者に呼びかけた。