鎌倉殿の13人:声色一つでコントにもホラーにも振れる “亀”江口のりこの演技巧者ぶり

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で亀を演じる江口のりこさん (C)NHK
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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で亀を演じる江口のりこさん (C)NHK

 俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)で、源頼朝(大泉洋さん)の愛妾(あいしょう)の亀を演じている女優・江口のりこさんが話題だ。八重(新垣結衣さん)、政子(小池栄子さん)に続く、頼朝“第三の女”として、2月20日放送の第7回「敵か、あるいは」で初登場。決して出番は多くないものの、表情や声色一つでコントにもホラーにも振れることができる演技巧者ぶりで、存在感を随所で発揮している。

 ◇「ついでにうちの人も討ち取って」 亀として鮮烈デビュー

 江口さんといえば、ドラマ「海月姫」(フジテレビ系、2018年)でのインド人、「これは経費で落ちません!」(NHK、2019年)での我の強い新入り、「半沢直樹」(TBS系、2020年)での政治家など、幅広い役柄を巧みに演じ分け、視聴者に強い印象を残すことができる名バイプレーヤーだ。

 「鎌倉殿の13人」でも例に漏れず、第7回で亀として鮮烈デビューを果たす。

 第7回では、頼朝に見初められ、部屋へと招かれるが、実は亀は人妻で、怒った夫の権三(竹内まなぶさん)が仲間を引き連れ、宿へ乗り込んでくる。側近の安達盛長(野添義弘さん)からの知らせで、修羅場を回避する頼朝だったが、そこへ、大庭景親(國村隼さん)が差し向けた長狭常伴(黒澤光司さん)らが押し入り、権三と常伴の大乱闘へと発展。常伴を討ち果たそうと、刀を抜いた三浦義村(山本耕史さん)に、亀は「だったら、ついでにうちの人も討ち取って」と言い放つ……。

 まるでコントのようなドタバタ劇の中、「権三が?」「(人妻だって)言ってなかった?」「だったら、ついでにうちの人も討ち取って」と、ほとんど表情を変えずに話す江口さんの姿に視聴者は即反応。

 SNSでは「亀さん、お前ww」「江口のりこさんじゃなきゃ言えないよ、このセリフwww」「亀の『ついでにうちの人も討ち取って』噴いた」「江口亀さんの『ついでにうちの人も討ち取って』が好きすぎた」「亀さん本当、しょっぱなからすごいキャラっぷりwww」と爆笑を誘った。

 ◇名状しがたい恐怖が含まれていたマウンティングシーン

 亀は、2月27日放送の第8回「いざ、鎌倉」で早くも再登場。同回では頼朝との再びの逢瀬(おうせ)が描かれ、笑顔の江口さんが「会いたかった~佐殿(頼朝)」と艶っぽい声で抱きつくシーンでは、甘酸っぱさやエロスよりも、やはり“笑い”が勝っていた。

 一方、「ホラーだ」と話題となったのが、3月13日放送の第10回「根拠なき自信」。亀が“愛しの佐殿”の前妻・八重にマウントを取りにきたシーンだ。

 侍女として頼朝のそばで働き始めた八重。そんな八重に対して亀は、頼朝の部屋に酒肴を運ぶように指示する。夜、言いつけ通り八重は頼朝の部屋へ。そこで目にしたものは、亀と頼朝の“情事”で……。唖然(あぜん)とする頼朝の横で、自分の優位性を示すように放った「ありがとう、八重さん」ににじむ情念。一見、コントチックでありながら、名状しがたい恐怖が含まれていた。

 ◇名バイプレーヤーとしての調和と対応力 “こだわりのなさ”も

 コントにもホラーにも振れることができる江口さんだが、亀として過剰な表現は皆無。そこには名バイプレーヤーとしての調和を重んじる姿勢と、数々の役を演じてきたからこその対応力がうかがえる。

 また、以前のインタビューで、演じる上でのこだわりは「ない」と言い切っていた江口さん。さらには「(こだわりが)ないからこそ、楽しくやれると思う。変に自分がこだわりを持ってしまうと、みんなと一緒に作ってやるものだから、邪魔になるんじゃないか」と持論を展開し、「楽しくやれたらいいなと思っているので、『絶対私はこうしたいんだ』というこだわりみたいなものはほとんどない」と語っていたが、この“こだわりのなさ”が、女優としての振れ幅を生み出している気がしてならない。

 ここから先も江口さんは亀として、「鎌倉殿の13人」の視聴者を時に笑わせ、時に怖がらせてくれるのだろう。

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