冬ドラマ:最終回の拡大化、特別編制作の理由は 見逃し配信も影響

3月28日に特別編が放送される「ドクターホワイト」=カンテレ提供
1 / 10
3月28日に特別編が放送される「ドクターホワイト」=カンテレ提供

 ミステリーからホームドラマ、ラブコメディーまでさまざまな作品がそろった今年の冬ドラマが最終回を迎えている。中でもよく見られたのが、「最終回」を中心とした編成戦略だった。「最終章」と銘打って拡大し、前後編で放送したり、最終回の翌週に特別編を編成するなど、各ドラマの取り組みとその内側にある意図を探った。

 今期のドラマでよく見られたのが、最終回とその前の回を「最終章」もしくは「最終回」と定義しての前後編編成だ。ゴールデン・プライム帯の作品だけでも「ドクターホワイト」(カンテレ・フジテレビ系)、「相棒」(テレビ朝日系)、「妻、小学生になる。」(TBS系)、「しもべえ」(NHK)と、実に4作品が前後編に分割して放送した。なお、「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)は最終章と銘打ってはいないものの、ラストエピソードを前後編で放送するほか、「DCU」は、最終話を通常の倍の2時間枠で編成した。

 また、「ドクターホワイト」は21日の最終回の翌週となる28日に「特別編」を編成。最終回で自らの出生の秘密を知った白夜(浜辺美波さん)のその後を描くストーリーで、白夜の医学部受験をCDT(総合診断協議チーム)がサポートするという内容。さらに晴汝(岡崎紗絵さん)と淳平(宮田俊哉さん)の関係にも進展があるという。

 こうした最終回に注力した施策は、これまでも行われてきた。昨年の秋ドラマの「ドクターX」(テレビ朝日系)や、夏ドラマの「TOKYO MER」も最終章を前後編の2話仕立てで放送したほか、秋ドラマの「ラジエーションハウスII」(フジテレビ系)も最終回の翌週に特別編を放送している。

 どうして最終回を前後編に“拡大”したり、最終回後に特別編を放送するのか。以前から分かりやすい理由として挙げられているのが、途中で視聴をやめてしまったユーザーの再取り込みだ。一般的に視聴率は第1話を頂点に、次第に下がっていく傾向が強いが、最終回ではある程度持ち直すことも多い。最終回をアナウンスすることで、“離脱者”の取り込みを狙う。

 しかし、最近ではここに見逃し配信も影響を与えている。キー局関係者によると、TVerや各種配信サービスによる見逃し配信は拡大しており、視聴率数%分にも達しているという。そうした“配信層”が気にするのがSNSなどによる“ネタバレ”だ。全ての謎やストーリーが解決される最終回はまさにネタバレの宝庫で、早い段階から“最終章”をアナウンスすることが、結果的にネタバレを忌避するユーザーの嗜好(しこう)にも沿うと考えているという。

 特別編の制作についても、作品のファンに向けたボーナストラック的な位置づけという意味合いが強いといい、これまでの総集編のような作りから、最終回のその後を描いた後日譚として、撮り下ろしが増えてきているという。単発の特番よりも、それまで放送していたドラマの特別編の方が視聴率を読みやすいという編成戦略上の思惑もあるだろう。

 そしてもちろんビジネス的な側面も大きい。リアルタイム視聴による放送収入は、見逃し配信などでの売り上げをはるかに上回っている。リアルタイム視聴を目的とした取り組みとして、今後も最終回を軸とした施策がとられそうだ。

写真を見る全 10 枚

テレビ 最新記事