ディズニー/ピクサーの劇場版アニメーション「トイ・ストーリー」シリーズの人気キャラクターであるバズ・ライトイヤーの原点を描く「バズ・ライトイヤー」(アンガス・マクレーン監督)が、7月1日に公開される。「ソウルフル・ワールド」(2020年)、「私ときどきレッサーパンダ」(2022年)など、“監督の実体験”を基に映画が作られることで知られるピクサー作品だが、今作のメガホンをとったマクレーン監督は、ピクサーに勤め、実際に体感した「時間の流れ」を作品に組み込んだという。
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「バズ・ライトイヤー」は、劇場版アニメ「トイ・ストーリー」シリーズに登場する少年アンディのお気に入りのおもちゃ、バズ・ライトイヤーの原点を描いた作品。アンディが人生を変えるほど夢中になった映画という設定で、有能なスペース・レンジャーとして活躍するバズの姿を描く。
今作を手掛けたマクレーン監督は、これまで「トイ・ストーリー」シリーズをはじめ、「ファインディング・ドリー」(2016年)、「モンスターズ・インク」(2001年)などに関わってきた、ピクサー歴25年のベテランだ。マクレーン監督は「ピクサーの監督は、しばしば自分自身の人生からテーマを引っ張ってきます。僕はこの映画を具体的でありつつ、世界中のみんなが共感できるものにしたいと思いました。 そこで『時間』というものを思いついたのです。時間はいつも過ぎていき、それは世界共通です」と語る。
今作でバズは、自分の力を過信し、1200人もの乗組員と共に危険な惑星に不時着してしまう。はるか遠い地球に帰還するため、危険なハイパー航行に挑むバズだったが、彼が降り立ったのは、62年以上の時間がたった世界だった。孤独な世界でバズは、新たな仲間と出会い、共に冒険し、仲間に頼ることの大切さに気づいていく。
“周囲とは違う時間の流れ”をマクレーン監督も実際に感じていたといい、「ここに入社した時、僕は20代でした。今、僕は40代です。アニメーションの制作過程では、時間の流れを特に感じます。これらの映画を作るのには、すごく時間がかかります。『バズ・ライトイヤー』には5年半が費やされています。なので、映画が公開される時、ピクサーの壁の外側の世界は微妙に変わっているのです」と今作につながるエピソードを明かす。
ピクサー作品は監督自身の実体験を物語に取り入れることが多いといわれる。チーフ・クリエーティブオフィサーを務めるピート・ドクターさんは「ピクサー作品は、たとえ物語の主人公が人間ではない何かであったとしても、私たち自身の人生が反映されたものなんです」と語る。ドクターさんが監督を務めた「ソウルフル・ワールド」は、自身の日常生活からヒントを得た作品であり、また、今年2月に配信された「私ときどきレッサーパンダ」も、ドミー・シー監督が実際に体験した思春期の思い出が物語のテーマだった。
世界中で愛されるバズ・ライトイヤーのルーツが明かされる今作。誰もが知る仲間思いなバズになるまでの過程に、果たしてどんな感動の物語があったのか? 実体験した監督がこだわった、世界共通の「時間の流れ」に注目したい。
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