神月柚莉愛:「崖の上のポニョ」以来14年ぶり声優挑戦 「ちみも」収録でドキドキ 成長も

「ちみも」に声優として出演する神月柚莉愛さん
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「ちみも」に声優として出演する神月柚莉愛さん

 人気イラストレーターのカナヘイさんと「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」などのアニメ制作会社・シンエイ動画がタッグを組むオリジナルテレビアニメ「ちみも」が、7月7日深夜からテレビ東京、BS朝日で順次放送される。地獄の使者と変幻自在に動き回る魑魅魍魎(ちみもうりょう)・ちみもが登場する地獄系ハートフルコメディー。地獄の使者を名乗る地獄さんと12匹のちみもが、人間界に現れ、人間界地獄化計画を実行するため、むつみ、はづき、めいの三姉妹が暮らす鬼神家に居候することになる。2008年公開の劇場版アニメ「崖の上のポニョ」(宮崎駿監督)で主人公・ポニョの声優を務めたことでも知られる神月柚莉愛(こうづき・ゆりあ)さんが、鬼神家の三女・めいを演じる。神月さんが声優に挑戦するのは「ポニョ」以来、約14年ぶり。久しぶりの収録は「ドキドキでした」と話す神月さんに、声優としての活動について聞いた。

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 ◇一度は声優を諦めたが

 神月さんは、1999年12月21日生まれの22歳で、松竹芸能所属。子役として活動した後、舞台などで活躍してきた。子役時代に「崖の上のポニョ」に出演した後、声優を辞めてしまったわけではなく、声優として活動する夢があったが、なかなかうまくいかなかった。

 「松竹芸能に所属させていただいて1年半くらいたつのですが、それまでは声優のオーディションを全然受けていなかったんです。『ポニョ』以降、オーディションを受けさせていただいたことはあったのですが、『ポニョの声がどうしても浮かんでしまう……』と言われてしまうこともあって、なかなかうまくいかず、声優を諦めていたんです。でも、どうしても声優になる夢を捨てられなくて、今は、声優として頑張っていこうとしています。声優としてのトレーニングはしていませんでしたが、舞台をやっていたこともあって、滑舌、発声、とかをやってたので、滑舌とかそういう発声などのトレーニングはしてきました」

 念願の声優としての仕事ということもあり「ちみも」への出演が決まり、喜びが大きかったという。

 「合格の連絡をいただいた時は、夢なんじゃないか!?とほっぺをつねってしまいました。何回かつねりました。ちょうどお昼寝をしていた時に電話をいただいたので、これは夢なのかな!?となってしまって(笑い)。心臓が止まるかも!?となるくらい驚きました。30分の予定のオーディションが10分くらいで終わってしまったので、ダメだったのかな……と思っていたんです。だから、とにかくうれしかったんです」

 ◇14年前から成長できたのかな?

 「ちみも」は、可愛いキャラクターが魅力のアニメではあるが、キャッチコピーは「地獄系ハートフルコメディー」で、神月さんは「絵が可愛いくて、癒やされるんですけど、“地獄味”にもあふれています(笑い)。心がぽわっとして、笑って、泣けて、ジーンと温かくもなるお話です」と話す。

 神月さんが演じるめいは、鬼神家の三女で中学生。家族に内緒でSNSアカウントを持っていて、SNSにちみもの写真をこっそり投稿している。アカウント名はエメラル。控えめな性格でおっとりしている。

 「めいちゃんは、ほわほわしています。SNSを駆使して、インフルエンサーになりたいという夢を持っていたり、可愛いらしいですね。ほんわかしたイメージですし、どうやって声を当てようかな?と一生懸命考えました。私の普段の声よりも、少し低め、落ち着いた雰囲気にして、少しだけ滑舌を甘くするといいのかな?と練習していました。舌足らずとまではいかないんですけど、少したどたどしいイメージです」

 久しぶりの収録はとにかく緊張したという。

 「『ポニョ』の時は私一人で収録していたんです。今回は、久しぶりの収録ですし、大先輩たちと一緒に収録させていただいたので、とにかく緊張しました。スタジオに入っていいのかな?と分からなくなるくらいドキドキしていました。皆さんが温かくお話していただいて、落ち着いてできました。皆さん優しく、すてきな方ばかり。地獄味が全くない現場です。『ポニョ』の時は、隣にお姉さんがいて、せりふを言う時にポンと肩をたたいてくださっていたんです。今回は自分一人でやらなきゃいけないという緊張感はあったのですが、徐々に感覚を思い出し、懐かしいなと思いつつも頑張れました。いかにこの作品に溶け込めるか?を考えながら演じさせていただきました。毎回、終わるとどっと疲れるのですが、やっぱりすごく楽しくて、本当に声優っていいな!と感じていました」

 地獄さん役の諏訪部順一さんをはじめ、共演者に助けられながら、収録に臨んだ。

 「私のイメージでは、直立不動で収録するイメージがあったのですが、力を込める時は、拳を握ったり、ノイズにならないように身ぶり手ぶりで演じている姿を見て、だから豊かなお芝居ができるんだ!と私も取り入れました。最初はガチガチだったんです。段々、肩の力が抜けて、自然にできるようになりました。台本のメモの書き方とかも全く分からなかったんです。台本は、神聖なものなので、書き込んでいいのかな?と思っていたんです。別のメモ帳とかを用意して、そっちに書いていたんです。うれしすぎて、台本をなるべく汚したくない……と思っていましたし。台本のメモの書き方などいろいろなことを教えていただきました。こんなすてきな方々とご一緒させていただき、私は本当に幸せ者です」

 約14年ぶりの収録で、成長も実感した。

 「アクビの芝居が苦手だったんです。全然できなくて『ポニョ』の時は眠くなるまで待っていただいたんです。『ちみも』の第1話の第一声はあくびなんです。まだまだですけど、14年前から成長できたのかな? 収録が進む中で、めいちゃんのことをさらに知ることができて、成長できたと思います。皆さんに助けられ、感謝の気持ちでいっぱいです」

 今後の活動について「声優として頑張りたいですし、お芝居がとにかく大好きなので、舞台もやっていきたいです。もっともっと引き出しを増やして、そんな声も出せるんだね!と言っていただけるような声優になりたいです。皆さんに元気、勇気、笑顔を届けられる声優を目指していきたいです」と話す神月さん。さらなる活躍が期待される。

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