機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島:マ・クベの壺、安彦爆発、CGのMS戦 スタッフの裏話

「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」のスタッフトークイベント(C)創通・サンライズ
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「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」のスタッフトークイベント(C)創通・サンライズ

 アニメ「機動戦士ガンダム(ファーストガンダム)」のアニメーションディレクターやキャラクターデザインなどを担当した安彦良和さんが監督を務める劇場版アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」のスタッフによるトークイベントが7月14日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催された。スタッフが「マ・クベの壺(つぼ)」「安彦爆発」「CGで表現されたモビルスーツ(MS)戦」などの裏話を披露した。

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 全パートの演出、サザンクロス隊の市街地戦、子供たちの食事シーンの絵コンテなどを担当したイム ガヒ副監督は「実はマ・クベの部屋によいものがあったと思うんですけど、あれは(美術監督の)金子(雄司)さんのアイデアなんです。最初の原図で、壺にするか悩みつつ、マ・クベが好きそうなアンティークものにしたんですけど、金子さんに『やっぱりここは壺だよ』とアドバイスをいただいて、結果満場一致で壺でした」と明かした。

 総作画監督・キャラクターデザインの田村篤さんは「子供の頃に見たガンダムに対して、違和感がないようにしたいということが大前提にありました。色の問題やキャラクターのニュアンス、また今回はモビルスーツがCGなので、安彦監督のニュアンスを、立体としての正確な形と画(え)にしたときの調整の折り合いが難しかったですね」とコメント。

 エフェクト作画監督の桝田浩史さんは“安彦爆発”を再現し、安彦監督から「クオリティーが高すぎる」と絶賛されたといい、「安彦監督のエフェクト(爆発)はフォルムやデザインが美しいんですよね。有機的に混ざって動く感じが気持ちよくて」と話した。

 同作はCGで描かれたMS戦も魅力の一つになっている。3D演出の森田修平さんは「今回のアクションシーンはほとんどCGをメインにさせていただいて、ディテールアップを重視する場合は作画の方に協力をいただいていたんですけど、ただ1カットだけ、撮影チェック時に僕らが納品したはずのものが作画になっていたんですよ(笑い)。その理由を後日聞いたら、安彦監督にエフェクトを描いてほしいと発注したら、そのついでにCGで仕上げるはずのザクも描かれた状態で納品されたと……」と明かした。

 「ククルス・ドアンの島」は、1979年に放送されたファーストガンダムのテレビアニメ第15話のエピソードで、主人公のアムロ、敵対するジオン軍の脱走兵ククルス・ドアンの交流を通じて、戦争の哀愁が描かれた。劇場版では第15話を改めて描く。

 第15話は“鼻”が長いなど異形のザクが登場するエピソードとしても知られており、劇場版では、異形のザクをリファインしたMS-06F ドアン専用ザクが登場したことも話題になっている。

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