「第44回日本アカデミー賞」で最優秀作品賞などを受賞した「ミッドナイトスワン」のチームが再集結した映画「異動辞令は音楽隊!」(内田英治監督、8月26日公開)。俳優の阿部寛さんを主演に迎え、警察音楽隊を舞台に主人公の奮闘を描く同作で、音楽隊のサックス担当・北村裕司を演じたのが高杉真宙さんだ。高杉さんは阿部さんの背中を見て、「自分が(今の阿部さんと)同じくらいの年齢になったとき、ちゃんとそうなっていなくちゃいけない」と思わされたと明かす。痛感した先輩俳優のすごさや、初挑戦したサックス演奏など映画のことをはじめ、環境ががらりと変わった1年についても語ってもらった。
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映画は、内田さんが原案、脚本、監督を手がけたオリジナル作品。主人公の刑事・成瀬司(阿部さん)は犯罪撲滅に人生の全てを懸けてきたが、時代に反した高圧的な振る舞いで、周囲から完全に浮いていた。ついに看過できなくなった上司は、成瀬に警察音楽隊への異動を命じる。失意の成瀬に手を差し伸べたのは、“はぐれ者集団”の音楽隊の隊員たちで……と展開する。
高杉さん扮(ふん)する北村裕司は、自動車警ら隊の巡査部長。音楽隊との兼務隊員で、ぶっきらぼうな一面がありながらも、内には熱い思いも秘めている。当初、成瀬とは相いれなかったが、次第に心を通わせていく。
北村の担当楽器はサックスで、高杉さんは準備期間が少ない中、練習に励んだ。というのも、本作の練習期間と同時期に連続ドラマ「ホメられたい僕の 妄想ごはん」(テレビ大阪・BSテレ東)に出演。ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のベーシスト・休日課長さんの役で、ベースにも挑戦していたのだ。
高杉さんは「サックスの練習は、ベースの練習をはさみながらで、期間はクランクイン前の2週間くらいだったと思います。あまり時間が取れなかったので不安でしたが、ありがたいことに撮影中にも練習の時間を設けていただいて、何とか形にできたかなという感じです」と振り返る。
音はすぐに出たが、「どの場所を押すと何の音が出るのか、楽譜で自分がどこのパートを担当するのか、覚えることがたくさんあって大変でした」と吐露。
クランクイン前には3日ほど、音楽隊のメンバーで全体練習も行われたが、「僕はそのときもまだ全く手応えがなくて、他の皆さんはすごいなと思いながら……」と高杉さん。音楽を担当した小林洋平さんに直接指導を受け、「それからやっと少し自信が持てるようになった」といい、「クランクインは不安が残ったままでしたが、撮影期間中にようやく楽しめるようになりました」と変化を語った。
高杉さんは、今作で内田組に初参加。オファーを受けて「内田監督は、いつかご一緒できたらいいなと思っていたので、うれしかったですね。きっかけは『ミッドナイトスワン』を見たことでしたが、それからすぐお話をいただいたのでありがたかったです」と話す。
撮影では「スタッフの皆さんは内田監督とよくご一緒されているメンバーだったので、意思疎通がやはりきれいだなと思いました」とチームワークを実感。「キャスト、スタッフの方も含めてとてもスマートというか。監督もニコニコしているイメージが強く、マイルドで大人な現場でした」と印象を明かした。
そんな現場になったのは、座長の阿部さんの力も大きかった。「阿部さんがいらっしゃるだけで、みんなの士気が上がるイメージがあります。最近、阿部さん世代の方たちとご一緒することが多いのですが、皆さん本当にストイックで。自分が同じくらいの年齢になったときに、ちゃんとそうなっていなくちゃいけないな」と高杉さん。
「自分が今、どれくらい努力できているのか、考えさせられる。だからこそ、先輩方はずっと演じ続けられているんだろうなって。本当にカッコいい人たちばかりです」と尊敬のまなざしを向けた。
高杉さんは、昨年4月に個人事務所「POSTERS」を設立し、新たな道を歩み始めた。この1年での変化を尋ねると、「会社って大変だなあと(笑い)」と打ち明けつつ、「でも、会社がどうやって成り立っているのかとか、僕が知りたかったことを知れた」と話す。やるべきことは増えたものの、苦労とは感じておらず、充実感のほうが大きいのだという。
今年1月からは、バラエティー番組「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ系)の人気コーナー「グルメチキンレース ゴチになります!」(ゴチバトル)のレギュラーメンバーに仲間入り。これまであまりバラエティーのイメージがなかっただけに、高杉さんにとって大きな変化だったように思うが、出演を決めた裏にはこんな理由があった。
「個人的に、俳優がどこまで素を見せるかという難しさはあると思っていて。そう考えるとバラエティーに出るか出ないかって、結構大きな分かれ目だと感じているんですよね。そこも含めて、今回は出ることを決めたので、全力で楽しもうと臨んでいます」
さらに「出演する少し前から、バラエティーに対するこわさみたいなものは薄れてきていましたが、実際に作っている裏側を知ってからは、割と楽しんで出られるようになってきました」と告白。
「ゴチに出て『もっと面白いことを言いたい!』と思っています。実は元からそうだし、面白い人間になりたくて。収録の日には、1回は面白いことを言いたいって思いながら現場にいます」といい、「まだ今のところ、成功した記憶がないですけど……。これから著しく成長を見せていきたいと思います(笑い)」と話していた。
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