名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
萩原一至さんのファンタジーマンガが原作の新作シリーズアニメ「BASTARD!! ー暗黒の破壊神-」(以下、BASTARD!!)。1992~93年にOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)が制作されており、約30年ぶりにアニメ化されたことも話題になっている。同作は「伝説」「ダークファンタジーマンガの始祖であり金字塔」とも呼ばれている。連載が始まったのは今から30年以上前にさかのぼるが、当時の衝撃が強烈に印象に残っている人も多い。新作シリーズアニメで、主人公・ダーク・シュナイダーの声優を務める谷山紀章さんもその一人だ。当時、中学生だったという谷山さんに、「BASTARD!!」の衝撃について語ってもらった。
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「BASTARD!!」は、1987年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)に読み切り「WIZARD!!~爆炎の征服者~」が掲載され、1988年に連載をスタート。「ウルトラジャンプ」(同)などでも連載。コミックスの累計発行部数は3000万部以上。近代文明の崩壊から400年後、魔法と剣が支配する混沌(こんとん)の中にあった世界で、かつて世界支配をもくろんだ最強にして最狂、伝説の魔法使いダーク・シュナイダーが復活し、活躍する姿を描いている。新作シリーズアニメは第1~13話がNetflixで配信中。9月15日から第14~24話が配信される。
「連載が始まったのは中学1年生の時でした。多感な時期です。読んだことがないタイプのマンガだったし、『ジャンプ』にこんなマンガがあるんだ!と衝撃を受けました。最初から画力もすごかったですしね。『ジャンプ』というメインストリームの雑誌の連載でしたが、エッチなシーンもあるから、後ろめたさがあったんですよね。同時代に『ジャンプ』で連載されていた作品と比較すると、狭く、濃く語り継がれているようにも感じています。ファンタジー、ダークファンタジー、メタ系……といろいろな原点でもあるのですが、今は一周も二周も回っていますから、若い人は知らないかもしれない。令和の時代に再びハイクオリティーな映像でシリーズアニメ化するという作り手の心意気、執念を感じます」
今は王道になっているファンタジーも当時は珍しかったという。
「『ドラクエ(ドラゴンクエスト)』の1作目が発売されたのが1986年で、1988年は『3』が発売された時期です。もちろんその前から『ウィザードリィ』や『ウルティマ』などはあったけど、剣と魔法の世界の王道ファンタジーが世の中に浸透しつつあった時期でした。そんな中、満を持して出てきた作品だったんです。萩原先生は僕よりも上の世代で、ファンタジーがもっとマニアックだった時代からすごく濃いものを吸収していたんでしょうね。それを『ジャンプ』という超メジャー誌でやるわけですから、それは衝撃を受けますよ。大人になって、そういうことが分かって読んでも、やっぱりすごい!と思いますよね」
「BASTARD!!」は女性キャラクターの可愛さも魅力の一つだ。
「先生は、長い髪の女性が好きなのかな? 僕はアーシェス・ネイが好きです。健康的なんですよ。ダーク・シュナイダーに対して従順ですし、真面目なところにエロスを感じるんですよね。男性キャストに聞くとやっぱり、みんなアーシェス・ネイが好きなんです。なぜかヨーコさんじゃない(笑い)」
ヒロインのヨーコの体にスライムがまとわりつき、服を溶かす……というセクシーなシーンが伝説になっている。ファンタジー以外にもさまざまな作品に影響を与えた。
「美女とスライムはそれまであったのかな? スライムに衣類を溶かされるシーンと言えば、僕にとってはやっぱり『BASTARD!!』なんです。鳥山明先生は『ドラクエ』で、スライムを可愛くデザインして、あれは大英断で、すごいことなんですけど、その前のスライムのイメージと言えば、こっちもあるんですよね」
ダーク・シュナイダー役の谷山さんはまさに“ハマり役”だ。高い声で叫び、低音を響かせる場面もある。すごみを感じる。
「ダーク・シュナイダーもリビドーそのもの、衝動の権化ですよね。容赦なく描いていて、エネルギーが籠もっているんです。中途半端には表現できないので、声帯をフル稼働させています。やりすぎても、やりすぎにならない。フルマックスで挑みました。そうじゃないと太刀打ちできない。僕の中でダーク・シュナイダーと戦っていました」
谷山さんのほか、ティア・ノート・ヨーコ役の楠木ともりさん、ルーシェ・レンレン役の伊藤かな恵さん、ガラ役の安元洋貴さん、アーシェス・ネイ役の日笠陽子さん、アビゲイル役の杉田智和さんら豪華キャストが集結した。
「男性キャストは作品に思い入れがある人ばかりです。杉田も安元も思い入れがそれぞれあるんですよね。安元も杉田もいいなあ……と思っています。現場でも、あの頃は……と話すことが多いですね。子安(武人)さんのダイ=アモンもすごみを感じました。とにかく皆さんがすごいんです!」
「BASTARD!!」の連載が始まった当時、谷山さんはどんな中学生だったのだろうか?
「僕は小学生の時、ヤンチャだったんですね。中学生になった時、先輩に目を付けられないように、おとなしくなろうとしたのですが……。だから、不良じゃないですよ。中学校は、いろいろな小学校から人が集まっていて、僕とは違う小学校でブイブイいわせていた男がいたんですよね。入学式の日にいざこざがあって、またそれを第3の男が止めに入って……とマンガの一コマみたいなことがありました。中学3年生の時に、僕が住んでいた地域に新しい中学校ができ、そこに入って、逃げることができました(笑い)。中3で陸上に開花して、100メートル11秒台で走れるようになりました」
当時からアニメも好きだったというが……。
「でも、アニメが好きというと虐げられる時代だったので、言えなかった。あの頃の劇場版アニメが好きです。『AKIRA』『王立宇宙軍 オネアミスの翼』、OVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)もいっぱいありましたよね。『BASTARD!!』もOVAでした。高校になってからレンタルビデオ屋で借りまくっていました。押井守監督の作品が好きでした。『御先祖様万々歳!』『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』『機動警察パトレイバー』とかね。あの頃は、すごかった。どうしても、あの頃はよかった……という話になりますが、仕方ないですよ! だって、すごかったんだから!」
谷山さんは、1980年代後半~1990年代の後半のアニメの話を熱く語ってくれたが、残念ながらインタビューは時間切れになってしまった……。「BASTARD!!」が生まれた時代の熱い息吹を感じながら、令和の時代によみがえった“新たな伝説”をじっくり楽しんでほしい。
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