梶原岳人:等身大の自分を表現 大人になるとは? ミニアルバム「ロードムービー」語る

2枚目のミニアルバム「ロードムービー」が9月28日に発売する梶原岳人さん
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2枚目のミニアルバム「ロードムービー」が9月28日に発売する梶原岳人さん

 声優で歌手の梶原岳人さんの2枚目のミニアルバム「ロードムービー」が9月28日に発売される。ミニアルバムは「一人一人が主人公で、人生という旅をしていく中で起こるいろいろなシチュエーションに寄り添える楽曲」がコンセプトで、梶原さん自身が作詞、作曲をした「わすれないように」「ぼくらのメロディ」を含む全5曲を収録。“等身大の自分”を表現しようとした。リード曲のタイトルは「otona」。声優デビューから約5年、アーティストデビューから約2年たち、どんな“大人”の姿を見せてくれるのだろうか? 梶原さんに聞いた。

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 ◇なかなか大人になりきれていない?

 梶原さんは、2017年に「ブラッククローバー」のアスタ役で声優デビュー。テレビアニメ「炎炎ノ消防隊」の森羅日下部役などでも知られている。2020年に「ブラッククローバー」のエンディングテーマ「A Walk」でアーティストデビューした。今回のミニアルバムでは、等身大の自分を表現しようとした。

 「前回のミニアルバムの時からそうだったんですけど、自分ではない世界を描いたり、自分の枠からはみ出たりはしたくないと思っていました。できる限り自分の人生経験に基づいたものや自分が普段考えてることから外れないようにしたかったんです。普段、音楽を聴く時も自分とかけ離れた曲はあまり聴かないんです。より感情移入できますし、自分に身近な曲の方が刺さるんですね」

 梶原さんの等身大とは? 普段は落ち着いて見えるが、素顔はそうでもないようで……。

 「物静かな人だと思われることもありますが、我が強くて、言いたいことをはっきり言うタイプではありますね。好きなことに対してのこだわりが強いけど、興味のないことに対しては本当に無頓着でして(笑い)。そこがはっきりしているかもしれないです。音楽制作の時もこだわりが強いですし、仕事のこともそうです。趣味で音楽を聴いたり、映画、ドラマを見たり、ドライブする時とか、こだわりが強いのですが、それ以外はダメなところも多くて」

 リード曲は「otona」。梶原さんの考える大人とは? この曲で何を表現しようとしたのだろうか?

 「自分の中で子供っぽいと思うところがあって、なかなか大人になりきれていないのかもしれません。大人にならなきゃいけない部分がありますし、なろうとしていますが、学生時代に感じていたこと、考え方は今でも変わらずにずっと持ち続けたいとも思うんです。中学生くらいの頃からやっていることが変わっていなかったりもしますし。大人になっても子供っぽい部分がたくさんあると思うけど、自分としてはそこも大事にしたい。だけど、社会で生きていく中で、大人として見られるし、大人として生きていかなきゃいけない。そのせめぎ合いを感じていて、『otona』では、大人になりたい部分、なりたくない部分があることを歌っています。そうも言ってられない年齢になってきているのですが、最近、すごく感じていることなんです」

 ◇学生時代に作った曲への思い

 「わすれないように」「ぼくらのメロディ」は自身で作詞、作曲を手がけた。梶原さんは学生時代からバンド経験があり、曲作りを続けてきた。「ぼくらのメロディ」ではラブソングに挑戦した。

 「ラブソングが好きで、自分でも作ってみたいと思っていました。フィクションではありますが、表現がくらいのものを作ってみたかったので、日常に近い言葉で表現して、よりリアルにしようとしたところはあります。これから作るぞ!とやってもできないですし、じっくりじっくり作りました。だから時間がかかってしまったのですが。大人っぽく、今風のアレンジにしたいところもあって、環境音の雨の音を入れるなど細かいところも相談させていただいています。アレンジを担当していただいた佐藤(厚仁)さんとは年も近く、いろいろ相談させていただいて、すごく楽しかったです」

 「わすれないように」は、学生時代の卒業制作の映画制作時に手がけた楽曲をアレンジした。

 「学生時代に課題で、映画を作ることになり、出演したのですが、曲も作れる?となり、作った曲です。今回のミニアルバムにこの曲を入れたい!と提案させていただきました。どこかでやりたいなとずっと思っていましたし、思い入れが強かったこともあって、いつか日の目を見せてあげたいと思っていたんです。元々、1番の歌詞があって、それ以降はなかったので、2番以降に今思ってることを書き足していきました。学生時代とは環境が変わったけど、当時、作った時の気持ちなどを思い出しながら作りました。当時は不真面目な学生でしたね。学生時代から『ブラッククローバー』にも出演させていただいて、スタッフの方に『ちゃんと卒業できるの?』とよく言われていました(笑い)」

 ◇言葉の一つ一つを大切に

 学生時代からの変化を「音楽の考え方を含めて自分が大きく変わったとはあまり思っていないですね」と語る梶原さん。一方、アーティストデビューから約2年がたち、変化、成長したこともある。

 「大きなステージも経験させていただいて、度胸が付いたと思います。アフレコには毎回ドキドキしながら行くんですけど、それが恐怖じゃなくて、大丈夫だ!という自信になり、心を落ち着かせられるようになってきました。緊張しすぎると、パフォーマンスに影響しますし」

 声優、アーティストとして活動する中で感じていること、変化していることもある。アーティストの活動が、声優としての演技に影響を与え、その逆もあるという。

 「どちらにもフィードバックされていると感じています。演じることは、言葉の一つ一つを大切にして、役として生きて、キャラクターの言葉として表現することが大事になってきます。歌詞も言葉ですし、言葉に対して感情を乗せられるアプローチを考えないといけません。歌として表現する中で身に付いた感覚、経験が、お芝居をする時にも生きています」

 11月26、27日に竹芝ニューピアホール(東京都港区)でワンマンライブを開催することも発表されている。梶原さんの誕生日の前日となる27日はアコースティックライブ、バースデーイベントとして開催される。

 「自分で作詞作曲した曲もありますし、曲数も増えています。前回のライブではアレンジを変えたのですが、今回もライブならではのアレンジで、そこでしか見られない特別感を表現していくことにこだわっていきたいです。せっかくなのでギターも演奏できたらいいなと思っています」

 「音楽としてよりいいものを作っていきたいですし、自分を表現することを大切にしていきたいです。今、模索中です。やりたいことをやらせていただいていて、かなりわがままも言っているんですけど(笑い)。ありがたいことですね」と語る梶原さん。さらなる活躍も期待される。

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