Lynn：ASMR収録は「自分との戦い」　ASMR甲子園って何！？　アニメ「ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生」

　立体的に音声を収録できるダミーヘッドマイクを題材にしたオリジナルテレビアニメ「ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生」。アニメは、耳に心地よい効果音「ASMR」を分かりやすく伝えるために制作。“俺クン”がダミーヘッドに転生する……という斬新な設定のアニメで、人気声優のLynnさんがASMR部に所属するクールビューティーな3年生部員の鐘ヶ淵つるぎを演じる。ASMRも収録したLynnさんに、収録の裏側を聞いた。

ウナギノボリ

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　◇冷徹なようで可愛さも　つるぎの魅力

　同作は、ASMR甲子園出場を目指す高校生・浅草ゆり、そんな彼女をどこか冷ややかに見守る蔵前ぱんだ、友人たちの日常に、ダミーヘッドマイクに転生した“俺クン”が入り込む……というストーリー。大西沙織さんが主人公・浅草ゆりを演じるほか、ゆりと腐れ縁の親友蔵前ぱんだ役の鬼頭明里さん、ぱんだの中学生時代からの後輩で1年生の虎ノ門うめ役の相良茉優さん、ゆりの妹・とと役の久保田未夢さん、ゆり、ととの母・かおり役の水橋かおりさんが出演。杉田智和さんが“俺クン”を演じる。TOKYO MXで毎週水曜日深夜1時に放送中。

　斬新な設定のアニメで、Lynnさんも「まず、タイトルにすごく驚きました」と話す。

　「最初は、どんなお話なんだろう？と思いました。いろいろな転生ものがある中で、ダミーヘッドマイクに転生するというのが新しいですし、面白いですよね。ダミーヘッドマイクは自分では動けないですし、ASMR部はありそうだけど、ASMR甲子園は何を競うんだろう？　すごいことを考えつきますよね！　今までになかった作品です。出演させていただけて、すごく光栄です」

　Lynnさんが演じるつるぎは、クールビューティーで完璧主義の女子。“鉄の女”とも呼ばれている。

　「いろいろな女の子たちが出てくる中で、つるぎちゃんのビジュアルを見た時、クールな感じの子で、個人的には好きなタイプのキャラクターなので演じるのが楽しみでした。メリハリもあって、エピソードによっては印象が変わるかもしれません。風紀委員長なので、規則を大事にしていて、真面目な子です。突き詰めて行動するので、冷徹に思われるんです。真面目が故に、自分の想定していなかったことが起きた時、あたふたする可愛らしさもあります。心を開いた人には、ちょっと乙女な部分を見せるのかな？と意識しながら演じました」

　“俺クン”はダミーヘッドマイクのほか、自転車のサドル、パリパリチキン、低反発枕、おしゃぶり、物差し、多次元的時空間異常、琥珀糖（こはくとう）、子犬（小さなポメラニアン）にも転生する。杉田さんが“俺クン”を演じることも話題になっている。

　「杉田さんが演じられると聞いて、絶対面白い！と思っていました。今回、一人で収録したので、冷静にできたところもありますが、杉田さんと一緒だったら、笑いをこらえるのが大変だったかもしれないです。思い出すだけで、笑ってしまいます（笑い）。男性のファンの方が感情移入しやすく、安心安全なものになっています。もちろん、皆さんが真剣に取り組んでいて、杉田さんは、いいお声で面白いことを言うから面白いんですよね」

　◇普段はやっちゃいけないことも　ASMR収録の難しさ

　Lynnさんは、アニメの収録の前に、ASMRを録音した。

　「ASMRは、表情豊かに演じていて、スタッフの方には『ASMRとアニメで一番印象が変わる子かもしれません』というお話もありました。アニメではつるぎちゃんのギャップがそこまで見られないので、つるぎちゃんのことをもっと知りたいと思った人は、ASMRも聞いていただきたいです。アニメは『冷徹さを色濃く出したい』ということでしたので『もっと抑揚をなくしていいですよ』とディレクションをいただきました」

　LynnさんはこれまでもASMRの収録の経験があり、ならではの面白さ、難しさを感じているという。

　「何度か収録させていただいたことがありますが、ASMRを題材にしたアニメは初めてです。普段の収録とは全く違うんです。つるぎちゃんは普段、クールですが、ささやく時は強い口調ではいけないですし、案配が難しくて、自分との戦いの時間でした。これまで収録させていただいたASMRの中でも一番難しかったです。ASMRは基本的に一人でずっとしゃべっていますし、単調になってしまってはいけないので、これくらい近づいたらどうなるんだろう？　逆にこれくらい離れたら……といろいろ試しながら収録しています。普段の収録ではマイクに息を吹きかけるといけないのですが、ダミーヘッドマイクは息の音をきれいに拾ってくれます。普段はやっちゃいけないことだから、最初は加減が分からなくて……。音の力ってすごい！とも感じました」

　ASMRの収録はさまざまなチャレンジもあったようで「この作品にはASMR部が登場しますが、部活として突き詰めたり、みんなでいろいろ試したりするのも面白そうですよね。ただ、ASMR甲子園って何を競うんだろう？と思ったり（笑い）」とも話す。

　ASMR甲子園などの謎も残るが、「ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生」はアニメ、ASMRとさまざまな楽しみ方ができる作品になっている。アニメ、ASMRで、Lynnさんが演じるつるぎの魅力を堪能してほしい。