鈴鹿央士:「silent」湊斗役で日常生活から紬を思う 目黒蓮との会話で「深まった」シーンも 

連続ドラマ「silent」で戸川湊斗を演じる鈴鹿央士さん(C)フジテレビ
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連続ドラマ「silent」で戸川湊斗を演じる鈴鹿央士さん(C)フジテレビ

 主人公が耳に難病を抱えた元恋人と再会し、現実と向き合いながら共に乗り越えていく姿を描く連続ドラマ「silent」(フジテレビ系、木曜午後10時)。本作で主人公・青羽紬(川口春奈さん)の現在の恋人、戸川湊斗を演じているのが俳優の鈴鹿央士さんだ。湊斗は優しすぎるほどの性格で「主成分優しさ」と話題を呼んでいるが、鈴鹿さんはその人物像について「ずっと人のことを考えながら生きている」と分析する。湊斗の役作りから、オリジナル作品ならではの俳優としての面白さ、湊斗の高校時代の親友・佐倉想を演じる人気グループ「Snow Man」の目黒蓮さんとの撮影エピソードなどを聞いた。

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 ◇「プラスもマイナスも」 湊斗の感情の複雑さを実感

 湊斗は、紬の中学時代からの同級生。高校時代は想と一緒にサッカー部に所属していた。そんな紬、想と3年生で同じクラスになり、思いを寄せる紬と、共に汗を流してきた想が互いに好意を抱いていることに気づく。湊斗は自分にとって大切な2人の交際を後押しすることに決めた。

 それでも紬への気持ちを胸に秘めていた湊斗は、高校卒業後に紬と想が別れたと知り、同窓会で再会したことをきっかけに、紬と付き合うようになった。3年がたち、将来のことを考え始めたころ、紬と湊斗は「若年発症型両側性感音難聴」のために耳が聞こえなくなった想と再会して……という展開だ。鈴鹿さんは湊斗を演じる上で、紬と想と向き合う感情の複雑さを実感している。

 「一つのシーンで持っている感情が一つではないというか。単に紬といられて幸せ、想とまた話せてうれしいというだけではなく、プラスもマイナスもいろいろな感情を持ち合わせているんですよね。先ほどもスタッフの方と、『湊斗って普通の顔をしているときがないね』という話になって、確かに湊斗はずっと人のことを考えながら生きているなと感じます」

 ◇日常生活でも「紬が喜ぶかな」 “湊斗らしい優しさ”を表現するために

 そんな湊斗を紬は「主成分優しさ」と表現している。第2話(10月13日放送)では、落ち込む紬のために好きなコーンポタージュを用意しておいたり、迎えに行くまでの間、少しでも癒やしになるような動物の動画を教えるなど、湊斗らしい優しさが際立った。

 鈴鹿さんは「湊斗の優しさはその場だけのものではなく、コンポタだったり動画だったり、紬が好きなものを普段から考えているからこその行動だと思う」と分析。「僕自身もこうしたら紬が喜ぶかなと考えながら日々を過ごしています」と明かす。

 視聴者からの反響に対しては「湊斗の持つ優しさが伝わっているんだなとすごくうれしいです。応援してもらえて、湊斗の思いを見ながら考えてくださって」といい、「『#鈴鹿央士くんを幸せにしたい』というハッシュタグがあるそうですが、鈴鹿央士本人は今幸せです(笑い)」と話した。

 ◇現場では甘えてしまいがち? 目黒蓮に助けられたシーンも

 紬役の川口さん、想役の目黒さんの印象については「川口さんも目黒さんも優しくて、ずっと見守ってくれるし支えてくださる。本当に良い現場だなと日々感じています。ドラマの設定は同級生ですが、役者として先輩だなと感じますし、寛大な心を持った2人なので甘えてしまいがちです」と語る。

 「川口さんも目黒さんも、初めてお会いしたときから印象は変わらず、本当に表裏なく接してくださる2人です。川口さんは明るい方で、隔たりなくフラットに接してくださる。目黒さんは、本来なら僕が気を使わなければいけないのに、目黒さんのほうが僕をよく見てくださっていて。最初にお会いしたときの優しいままですね」

 第3話(10月20日放送)では、湊斗が想と本格的に顔を合わせる場面が描かれた。鈴鹿さんは「僕がうまく感情を出せず、時間がかかってしまったシーンでした。どうしようか悩んでいたときに、目黒さんが『2人で話そうか』と声をかけてくれて、一緒に話す時間を設けてくださったんです。そこで湊斗と想の高校時代からの気持ちや、再会してどういう思いが込み上げてくるのか、どんなことを考えるようになるかを2人で話してから本番を撮りました」と裏側を明かす。

 「高校時代は声で会話をしていた湊斗と想だけど、今は声が届かない。想としては、湊斗が話しかけてくれている声を受け取ることができないのはすごく悲しいし、またもう一回話したいという気持ちになると思う、と目黒さんが言ってくれて。湊斗としても、声で何かを伝えることができないのは大きなポイントだと感じました。紬が想のために手話を覚えたりしている中で、湊斗は耳が聞こえなくなった想を受け入れられない。その思いが、目黒さんと話したことでより深まりました」

 ◇オリジナル作品ならではの「撮りながら変わっていく」面白さ

 本作は、新人の脚本家・生方美久さんによるオリジナルストーリー。心にしみるせりふの数々や、随所にちりばめられた“伏線”など、丁寧に紡がれた物語も話題となっている。

 鈴鹿さんは「原作がある作品だと流れが予想できる部分がありますが、今回はオリジナルで、かつ細かく考えられている。いろんな言葉や表情に意味があって、ラブストーリーだけど考察してくださる視聴者の方もいます。そういうのは初めてなので新鮮ですし、みなさんが楽しみにしてくださっているなという実感にもなっています」と話す。

 撮影では「役の幅やシーンの深みなどを出すために、撮りながら変わっていく部分もあって、“生もの”の面白さを感じています」と告白。「結末が見えていない分、台本の行間を詰めていく作業は難しいですが、それもいろいろなことを考えながらできるので楽しいです」と充実感をのぞかせた。

 ◇

 10月27日に放送される第4話では、紬に「2人でちゃんと話したほうがいい」と言われ、湊斗が想と向き合い始める。そんな中、湊斗は紬に「お願いがあって」と話して……と展開する。

 鈴鹿さんは「第3話で湊斗のため込んでいたもの、これまで考えていたことが表面化して、人間らしい部分が見えてきました。第4話からその思いを紬と共有して、紬と想と湊斗、3人の関係がどうなるのかを楽しみにしていてほしいです」と語り、「優しい湊斗を引き続き見守ってください」と呼びかけた。

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