海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
連続ドラマ「最初はパー」(テレビ朝日系、金曜午後11時15分※一部地域を除く)に出演中のアイドルグループ「乃木坂46」の賀喜遥香さん。8月に発売されたグループの最新シングルでセンターを務め、今作で初めて地上波の連ドラにレギュラー出演している。演じるのはお笑い養成所に通う芸人の卵で、初回(10月28日放送)から水を顔にかけられるなど体を張ったシーンにも挑戦した。「殻を破って、少しでもドラマに貢献していきたい」と意気込む賀喜さんに話を聞いた。
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ドラマは、人気グループ「SixTONES(ストーンズ)」のジェシーさん主演で、お笑い養成所で巻き起こる悲喜こもごもを描く。
賀喜さんは今作が初の地上波連ドラレギュラー。「ドラマのお仕事は、ほかのメンバーが活躍しているのを見ていることが多く、私にはあまり縁がないのかな? と思っていたので、今回のお話をいただいてとてもうれしかったです。精いっぱい頑張らなきゃいけない、と思いました」と喜ぶ。
演じるのは、お笑いへの志が高い“芸人の卵”雨宮すみれ。アイドル並みのルックスだが、暗い過去を持ち、これまでの自分とは全く違う人間になりたいという思いで養成所に入学した。
すみれのキャラ設定を初めて聞いたときは「ピン芸人!?ってびっくりしました。まさかお笑い芸人さんを演じるとは……」と笑う。「ほかの乃木坂メンバーからも驚かれます。『何役なの?』って聞かれて、ピン芸人って言ったら、みんな『かっきー芸人になるの!?』って(笑い)。『かっきーなら大丈夫だよ』と背中も押してくれたので励みになりました」と顔をほころばせる。
すみれは、自身と重なる部分があるキャラだという。「すみれちゃんは引きこもり時代にテレビで見るお笑いに励まされ、コミュ障な自分を変えたくて養成所に入ったのですが、私も乃木坂46に励まされて“自分を変えたい!”と思ってオーディションを受けました。すみれちゃんは“アイドルを目指さなかった方の私”かもしれないなと共感できます」と話す。
演じる上で意識していることを聞くと、「まだお笑いのプロではないので、演技の参考にお笑い芸人さんの動画を見ますが、そこに寄せようとはしていません。今はすみれちゃんは『この時どう考えているか?』と、すみれちゃんの気持ちを大切に演じています。でも最終回には、一人前のお笑い芸人さんに見えるように目指しています!」と力を込めた。
今作は、乃木坂46のプロデューサーでも知られる秋元康さんのオリジナル脚本。「あなたの番です」(日本テレビ系、2019年)や「真犯人フラグ」(同、2021年)など数々の話題作を生み出してきた秋元さんの作品に出演することに、賀喜さんは「秋元さんの作品は展開が予想できない、面白いものばかり。出演させていただけて光栄です」と語る。
第1話の冒頭はまさに「予想していない」シーンだったという。冒頭は、すみれたち養成所に入学したばかりの面々が、小籔千豊さん演じる講師・相田から一人ずつ水を顔にかけられて即興大喜利を求められて……と展開。すみれは水をかけられると、韓流ドラマの“あるあるネタ”で応じ、相田から「韓国ドラマ見てへんおっちゃんには通じんわ」とダメ出しされた。
「一番初めに撮影したのも冒頭のシーンだったのですが、まさか最初のシーンが水をかけられて、第一声で韓国語を話すとは……。秋元さんに求められているのはどういうことなんだろう? ってちょっと分からなくなりました(笑い)」
だが、それは秋元さんからの“エール”だと受け取った。「ここで殻を破らないと! と活を入れてもらった気持ちです。水も結構下からきて鼻にだいぶ入ったので、それで結構緊張もほぐれました(笑い)。撮影現場も盛り上がって、初日からずっと笑っていました」と撮影を振り返った。
生駒里奈さん、白石麻衣さん、西野七瀬さん……乃木坂46在籍時から女優として活躍していた“OG”がいる。現役メンバーでも、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」(総合)に出演する山下美月さんなど、グループの活動と並行して女優業にまい進しているメンバーもいる。そんな先輩たちの活躍でグループは成長してきたと、賀喜さんは話す。
自身も「先輩たちのように個人のお仕事で活躍して、乃木坂46の名前をたくさんの人に知ってもらえるような存在になっていきたいです」と目を輝かせる。
頼もしい先輩たちがたくさんいる。だが、賀喜さんは今作の撮影にあたり、アドバイスを求めたりはしないという。それは、先輩たちもたどってきたグループの“伝統”。
「先輩たちを見ていると『自分で考えて、ここはこうしよう』と道を切り開いてきた方々ばかりで。私もここは先輩のお力をお借りしないでいこう、と思いました。先輩たちからは『頑張ってね』というお言葉をいただいたので、その言葉を糧に、自分の力で頑張っていきたいです!」
今作の撮影について「とてもステキな現場だし、新しいことばかりで毎日が楽しい」と声を弾ませていた賀喜さん。「お笑い芸人さんとして殻を破って、少しでもドラマに貢献していきたい」と意気込んでいた。
※ヘアメーク:稲葉紀和 スタイリスト:菅野悠